nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#253 TPPとは、何だったのか

2019-05-28

アメリカが二国間協定でTPPと同じことを言っているみたいだ。トランプ大統領は最初やらないと言っていたのに。アメリカが事実上の参加をするとTPPは中国対その他の国々という構図になり、中国に対する通商の締め付けになることになる。

やはりアメリカの意図は中国が中国の通貨を使える中華共栄圏を作ることは許さない、と言うことなのであろう。石油価格をユーロで決済をすることを進めたサダム・フセインは潰されたし、ISの石油の顧客であった中国も同じような結末になるのであろか。

#252 中国のCPUとOSはどうなるのか

2019-05-28

ARMが中国締め出しを決めた。ついに来るべき時がきたとも言える。おそらく自社開発に切り替えるのであろう。これで約5年は遅れることになる。中国のスーパーコンピュータは中国製のCPUと言っているが、よく見てみるとあれはDECのalphaである。だから中国のスパコンはアメリカや日本にやがて再び抜き返されるいことになるのであろう。

Googleのアンドロイドも、ライセンスを停止するようだ。アプリが動かなくなる日が来る。中国の唯一の選択はLinuxになるだろう。そしてその中国スマホLinuxが逆に世界中に広まるかもしれない。

#251 ファーウェイは許してもらえるのか?

2019-05-28

NTTドコモが5Gの交換機をファーウェイにするそうだ。トランプと習近平が和解するということを先取りしてそういうことにするみたいだ。そういう報道があると直ちにドコモも持ち株も否定している。本当のところは火のないところに煙はたたないわけで、今頃犯人探しで大変なのであろう。

ファーウェイが自分で言っているように、全くのシロであれば許される可能性もあるが、アメリカに対してスパイ活動を行なっていた企業であるならば、アメリカは決して許さないであろう。アメリカの裏切り者に対する、寛容さはまったくないと言っていいだろう。日本も厳しく対応する必要があるのではないか。

#250 トランプ大統領来日と日本政府

2019-05-28

トランプ大統領を取り巻く人間関係がよりはっきり見えた3泊4日であった。戦後から日本はずっとアメリカのいいなりであったわけだが、いい関係というのはただただ言うことを聞くだけではなく「お・も・て・な・し」が必要なのだということをはっきりと認識した。それをトランプの運転手になった安倍とか、秘密契約をしたのだろうとか、いろいろ外野がうるさい。誰が何をいったのかというのははっきり記録しておかなければならない。日本の新しい天皇陛下と皇后陛下がトランプ大統領をおもてなしされているのを見て、生前退位があってよかったと心から思った。崩御に伴う代替わりでは悲しみの方が多くて、このような未来的な結果にはなりにくかったのではないかと、思った。

以下なるほどと思った点を述べる。

トランプ大統領のクルマが新しくなっていた。ラジエーターグリルのデザインが新しく変わっていてびっくり。なおかつナンバープレートが二台とも同じ番号だったのにもびっくり。

六本木の星条旗新聞ヘリポートをトランプ大統領はヘリコプターの発着に使っていたが、あそこは米軍の使用している土地だぞ、というデモなのか。いいなぁと思った。一方、安倍総理大臣は首相官邸の屋上からヘリコプターで出発しており、トランプに負けていないと安心した。自衛艦の視察にもヘリコプターで出かけたそうだ。総理大臣ももっとヘリコプターを多用するような時代になるのだろう。

トランプ大統領の宿舎は米国大使館ではなく、皇居前のパレスホテルだったそうだ。これは来日の主たる目的が国賓として新天皇皇后に会うということであるとの意思表示なのだなぁと思った。

宮中晩餐会にテレビカメラが入ってライブ中継されていたが、そういうシーンを初めて見た。招待された人が現在の日米関係をシンボリックに表す重要人物なのであろう。

#249 次は中国製ドローンの締め出しか

2019-05-21

中国製スマホの締め出しは方針が決まった。次は中国製ドローンの締め出しになるだろう。飛んでいるデータや映像は全部中国に送られているそうだ。これがどうなるかはだいたい先が読める。

やはり「ポケモン」がサイバー情報収集の道具であったということは否定することはできない。アメリカも中国もやったりやられたりで、日本は高みの見物しかできない。情けない。

#248 ファーウェイの締め出し

2019-05-21

ファーウェイにアメリカ産の半導体やその他の部品やOSソフトを売ってはいけないということになった。ファーウェイの売り上げの半分がネットワーク、あとの半分がスマホであるそうだ。これは西側世界から中国産のスマホの退場を意味する。ネットワークはすでに排除されることが決まっている。ファーウェイの危機には中国が管理できるバックドアが付いていたのだろう。ニコニコしているのはアップルか、それともシャープか。シャープのオーナーは今度台湾総統選挙に出るそうだ。そして総統になったら台湾は中国の支配の下にはいるだろう。そうするとファーウェイの次に排除されるのはシャープかもしれない。複雑な気持ちだ。

次はIoTの規制だろう。IoT機器とIoTネットワークとIoTクラウドはすべてその国になければならないという規制や小さいIoT機器なのにヘビーすぎる暗号化やセキュリティをかけるという指示が出るのであろうか。

総理大臣が5月16日におこなわれた衆院本会議で「サイバー攻撃だけでも武力行使が許される」という認識を示したということはたいへんに大きなことで、せめてサイバー攻撃を受けたら、サイバー攻撃で反撃するぐらいでいいのではないかと思う。実際に米国と中国の間ではそういうことが日常的に起こっているいう。この分野についてはもっと広く現状を報道し国民の注意を喚起するべきであろう。

#247 政府専用機は1機たったの6.5億

2019-05-21

政府専用機の廃棄の入札があった。2機で13億円という。買った会社は海外に転売するそうだ。航空自衛隊が26年間丁寧に丁寧に丁寧にメンテナンスをしてきた機体だから程度がすごくよく、商用に転用するにしてもお買い得の機体なのであろう。貴賓室の部分は取り外されているがその他の部分はすぐに使えるようだ。アメリカに持ち込んでもう一度内装をやり直したあと旅客機にしたり、内装は全部取り外して貨物機にしたりいろいろ考えることができるのではないか。売値はおそらく1機50億というところか。ボロ儲けだ。元政府専用機が1機6.5億円という破格の価格で売られようと誰も何もいわないのが不思議だ。森友の学校はあんな値段で売り買いされたことをあんなにぎゃーぎゃーいうのに。なんかおかしい。

#246 ベルリンフィルとウィーンフィル

2019-05-21

ベルリンでベルリンフィル、ウィーンでウィーンフィルを続けて聞く機会があった。ベルリンフィルのコンサートホールは、現代にふさわしいかたちのものであった。そのデザインの背後には、どうしてもウィーンフィルと違ったベルリンのアイデンティティの追求というものがある、という感じを受けた。ドイツ人らしい発想である。ウィーンフィルはどこまでいってもウィーンフィルで女性の数が増えたけれど、伝統的なお約束をしっかり守って演奏していたような感じだ。

ベルリンとウィーンはいい意味での競争仲間として共存しているのであるという思いを深くした。

#245 映画の原点はフランスにもあった

2019-05-21

パリでオペラを見る機会があった。舞台と俳優の歌いとオーケストラの組み合わせで数時間の劇が上演された。それを見ながらフランスが国策としてオペラの上演をサポートしてきたことを考えながら、フランスが映画をやはり国策としてサポートしてきたことが腑に落ちた。アメリカのハリウッドは娯楽としての映画を追求してきたが、フランスの映画は娯楽というより文化の保護として育ってきたのだと感じた。映画を国策としてはっきりと保護してこなかったのがイタリアである。イタリアは歌劇場は素晴らしいが、歌劇場だけである。フランスは歌劇場と映画。アメリカは映画だけ。日本はどうだろうか。オペラを映画にする会社などない。ミュージカルをやっている会社は海外のものばかりだ。歌舞伎ぐらいが日本のオリジナルの舞台になるのだろうか。しかし歌舞伎の映画は聞いたことがない。これでいいのだろうかと思った。

#244 アメリカの報復は11分後

2019-05-21

北朝鮮が近距離ミサイルを発射した。わずかに11分後にアメリカはICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した。アメリカは公式には予定されていた実験といっているがそんなことを信じている人はいないと思う。ミサイルの発射を早期警戒衛星で探知し、ペンタゴンからホワイトハウスに報告が行き、大統領が発射命令を下すまでが11分であるということがこの度わかったと、捉えるべきではないか。アメリカは怖い国である。北朝鮮が沖縄やグアムやハワイやアメリカ本土を狙ったということがわかった瞬間に少なくとも打ち上げをした基地は完全に破壊されるのであろう。またもうすでに20箇所ぐらいの核開発拠点にそれぞれ5発ずつ、北朝鮮のどこかにある首領様の隠れ家にはバンカーバスター爆弾が続けて2発、その次に戦術核爆弾が同じところに打ち込まれ地下50メートルにおいてすべてのものが溶けるということになるのではないだろうか。

狙いの先が日本だったらこのような反撃はないだろう。在日米軍を狙うとアメリカを狙ったことになるので、核でないミサイルで日本のどこかに着弾することが考えられる。そんなときアメリカはどう反応してくれるのかが心配である。アメリカは日本も守ってくれるということを信じたい。

#243 私の人生の夢

2019-05-01

今は大学で教えているが、自分の人生の夢は大学を作ること、もしくは大学を再建することである。もう一つの夢は先端医療を行う病院を作ること、もしくは再建することであると気が付いた。そんなことは西には絶対無理という人もあるが、大学や病院の再建をやってくれという話はたくさんある。慎重に選んでいるところだ。

あとは、中学高校の経営については、須磨学園夙川中学校高等学校がこの4月からスタートし、この学校を10年以内にいまの須磨学園と並ぶ進学校に育てていきたいと決心している。

#242 東大のIoTメディアラボの次

2019-05-01

大学で進めている10以上のプロジェクトがだんだん形になってきた。次に必要なことはこの研究成果を商品に育てることである。我々の研究成果を商業化してくれる会社やベンチャーキャピタルとのコラボレーションをしなければならないということに気が付いて動き始めることになった。人様や社会の役に立つ、IoT製品ができればよいのにと願っている。

#241 私のアンプその後

2019-05-01

デジタルドメインという会社でアンプを作りはじめてから10年が経った。買っていただいた方には褒めてもらえるのであるが、1台150万円するし、ステレオでは300万円するのでこの10年で100台ぐらいしか売れていない。中古機がでると100万円くらいで取引されているようだ。このアンプの改良をこの10年続けてきた。やっといいアンプに仕上がったと思うので近々また生産を開始しようとしている。

次のアンプは安いアンプではなく、パワー・アンプとペアで使うプリアンプを作っている。そのため世界中のアンプを集めて、プリアンプとはなにか、パワー・アンプとはなにかということについて考えてみた。

増幅回路が多ければ多いだけ、音は濁る。だから複雑な回路はダメという結論になった。可変抵抗器を使うと抵抗の音がするので、可変抵抗を使わないボリュームをどう実現するか、ということが大きなテーマである。

次に電源回路が大きいだけでは意味がない。必要な電源はなみなみと流れる必要があるが、いらない時はサッと止まるような電源にする必要があると気が付いた。

スピーカーの音に一番影響を及ぼすのは、そのスピーカーが設置される部屋の大きさや形状である。その部屋の影響を排除するためには、部屋ごとに測定をして影響を排除することが必要であるということもわかった。

などなど、20点ぐらいの改良点を加えたプリアンプをパワー・アンプと一緒に世に問うことにしたい。

#240 光ディスクの新商品の構想

2019-05-01

中古の設備を買って実験室でCDやDVDやBDを作ることができるようになった。この設備を使って次世代の光ディスクの研究をしている。

CDは大成功であった。しかし、CDに画像と音声をいれたVideo CDは一瞬成功したが、DVDに取って代わられてしまった。DVDのフォーマットを改造して使ったSACDはほとんど売れていない。DVDのオーディオフォーマットであるDVD Audioは死んでしまった。最大の敵はDVD Videoだった。

Blu-rayは、デジタルハイビジョンに対応したがそんなに売れていないのが現状だ。敵はDVDとDVDに信号をハイビションに変換するテレビ内臓のLSIである。4Kを狙ってUltra Hi Defenition BDが出てきた。これならDVDに勝てるだろうと思っている。

それではオーディオの次のフォーマットはどうなるのであろうか。ハイクオリティのオーディオディスクの提案は誰かほかの人に任せて、私はBox CDという箱の中に数十枚〜100枚のCDを入れた商品を一つのディスクにしたものを試作してみようと今やっている。Box CDを100個以上持っているが、パソコンに読み込ませるのが大変。いつも途中で嫌になってやめてしまう。これが一発で解決できる。完成したら発表したい。

#239 日本の仕組みを想う

2019-05-01

最近ある人の古希のお祝いで霞が関の霞会館というところに招かれた。昔の名前を華族会館というそうだ。華族とは明治になって天皇の周りを守った爵位を持ついわゆる日本の貴族と呼ばれる人たちの集まっていたところらしい。

また最近町田の武相荘という白洲次郎旧邸に見学に行ってきた。展示品を見てびっくりしたのは白洲次郎と正子との結婚の届出は区役所ではなく、宮内省宛であった。そして宮内大臣から結婚許可が降りている。第2次世界大戦までは日本は皇族と貴族と平民とそのほかの民で成り立っており、江戸時代は武士と農民と工人と商人で成り立っていたと教科書に書いてあった。江戸時代の武士の中で明治維新政府に功労のあったものが華族となり、残りの武士はコペルニクス的転向しキリスト教徒になったり、農民と工人と商人が平民になったらしい。結婚届けの代わりに結婚願を宮内省に提出し許可をもらわなければならなかったひとたちがいたということにびっくり。この制度は廃止されたというが、形を変えて今の日本に残っているのだろうと思う。そういう人たちは会うとこんにちはではなく、ごきげんよう、と挨拶するらしい。

このたびの天皇の譲位は政府と皇室と皇室の周りを取り囲む旧華族の方々の大行事であって、ほとんどの日本国民にとっては心よりお祝いするしかできないのではないか。テレビや新聞や週刊誌やインターネットが勝手なことを書いているが、それは書けば売れるからなのであろう。国民に向かっていい加減なことを書くマスメディアや、無責任な発言をする個人の論調を読んだり聞いたりしながら、天皇崩御のない皇位継承がこんなに明るいものとは思っていなかったので、よかったと思うとともに、平成の初めの日が悲しかったことを思い出した。

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