nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#33 One drive, one mobile, many PCs

2015-07-18

パソコンをWindows 8.2に切り替えてから数ヶ月が経った。ケータイもWindows mobileにした。便利である。この便利さはAppleでは得ることができない。この便利さはGoogle以上のものがある。 よって自分がこれまで考えてきたWindowsとクラウドによるパソコンとモバイルの統合はうまくいくと思う。またMicrosoftがそれを一番大切なシナリオとして位置付けているのがよくわかる。Windows mobileで写真を撮りまくってパソコンに戻ったときにパソコンのOne driveにすでにアップロードされている。これまでこんな便利なことはなかった。ケータイの写真を探して、ケータイの写真が本体にあるのかSDカードにあるのか探して、メールで転送していた。それがノータッチで自分の机からアクセスできるようになっている。あとはPCスティックを買ってテレビに装着してテレビのスクリーンもパソコンとモバイルとテレビのスクリーンとが連動することが次の課題である。すっかりパソコンを持ち歩かないようになってしまった。

ニュースでMicrosoftが100%子会社のNokiaの社員を8万人くらいクビにすると書かれていた。そのニュースの記者はMicrosoftがケータイ電話ビジネスから撤退するのだと伝えていた。僕はそうは思わない。MicrosoftはNokiaのよくできるエンジニアだけをMicrosoftに移籍させ、開発部門を移籍させ、Appleのように生産は社外にすべて委託することを考えているのではないか。Nokiaブランドをやめて、Microsoftブランドのモバイルを売るのであろう、今もやっているように。消滅するのはNokiaの名前であって、同時にパソコンのようにWindows mobileをライセンスして、スマホを作りたい会社にはライセンスするのだろう。1兆円ちかいお金を使ってNokiaを買収した理由はケータイで出遅れたことを挽回するためのウルトラCであったのだろうが、一番の財産はNokiaの特許群なのではないか。この特許群を持つことによってAppleの特許とGoogleが持つモトローラの特許と互角に相互ライセンスすることによって、特許問題はなんとか解決する。あとは、最先端のケータイ電話の技術を持ったエンジニアが欲しかった。北欧に研究開発部門の拠点を持つことができたことはすばらしいことではないか。Nokia買収の価格を償却するというが、税金を払わなくていい分、キャッシュフローは助かる。賢い節税の方法ではないか。だから私はこれからMicrosoftが本気で中国や韓国のOEMメーカーで作った本気のWindows mobileが出てくると信じる。そのときに一般のユーザー、特にビジネスユーザーはWindowsスマホとWindowsパソコンの連動の価値に気がつき大きくスマホのシェアは変動するだろう。Appleのシェアが落ちるか、Googleのシェアが落ちるかは、Microsoftの攻勢にどう戦うのかということであるが、僕はGoogleのAndoroidがかなりのシェアを落とすのではないかと思う。 GoogleはおそらくまずGoogle driveのダンピングに踏み切るだろう。MicrosoftはGoogleのダンピングに対してどこまでも追従するであろう。Appleはビジネスユーザーよりもクリエーターのユーザーが多いのでしばらくは高みの見物になるであろう。

nishi.org

〒110-0005 東京都台東区上野7-11-6 上野中央ビル 2F
phone:03-5827-4115 / fax:03-5827-4116 / e-mail:info@nishi.org