nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#47 60歳を迎えるにあたって

2015-12-30

2月に60歳になる。還暦である。15年ごとに転職してきたので、転職することにはした。しかしまだ決まっていない。この15年間メディアを中心に音楽や映像に取り組んできた。その方針は変えないで内容をもっとハードウェア的なものに移してゆこうと考えている。

還暦や還暦を過ぎた知り合いが本を出版したりパーティをすることが流行っている。藤原洋氏の本はたいへん正確であった。最近インプレスから出た古川享氏の本は自慢ばっかりでたいへん気分が悪い。まるで裁判の陳述書のようだ。1ページ読むたびに腹が立つ。古川個人が業績として何をやったのかをはっきり書かないで、オブラートに包んで全部自分が関係してやったように書いている。会社との秘密保持契約はどうなっているのか。こんなことをペラペラ本に書いていいのか。本を読みながら、自分の本は古川の本のような自慢タラタラの本には決してしたくないと決心した。知り合いが「腹を立てるのは60歳の大人らしくありませんよ」とお節介のメールをくれた。ほっといてくれ。しかしこれがきっかけとなって、自分も自分の本を書くことにした。年末までに15歳までを完成させ、1月中旬までに30歳。1月下旬までに45歳まで書いて、1日1年というスピードで取り組む計画を立てた。2月末に本が出なかったら還暦落第なのだ。出版社はまだ決まっていない。最悪でもKindleで出版はしようと思う。売れ行きをみながら出版社にお願いにいこうか。

来年から仕事は変わるが還暦という意識は捨てようと思う。昔の人の60歳と現代人の60歳は違う。だから60年間の人生の延長線上の上に2016年があると考えようと思う。「誕生パーティをしてやってもいいぞ」という誘いはまだないが、誕生日は普通の日のように過ごそうと思う。スパゲッティの出前でもとって。年末の30日も普通の日のように仕事をしている。健康な体があって自分の好きな仕事が山ほどある。気の合う仕事仲間がいる。こういうことがどんなに幸せなことなのかということにやっとこの歳になって気がついた。もっと早く気がついておればよかったのにね。願わくは自分がこれからする仕事が人に喜んでもらえて、世の中の役にたつようになればこんなうれしいことはない。そういう気持ちで今の仕事と新しい仕事に取り組んでゆきたいと思った。

#46 シリアとIS問題の最終的な構図を考える

2015-12-24

国際政治の素人がこんなことを書くのは、筋違いと専門家の人に言われそうなきがするが、素人がどう思っているのかを述べるのもインターネットの時代であるからゆるされると思って、手前勝手な予想を書いてみたい。

アメリカとNATOは空爆をし、ロシアが空爆をし、サウジアラビアを中核とするアラブの諸国も参戦し、イスラエルもこっそり爆撃している。この図式はシリア国内という戦地とそのシリア国内のグループや現政府軍や反政府軍の間のことではなく、シリアIS問題は、アメリカとNATOと、ロシアと、アメリカ側についているサウジアラビアやイスラエルなど世界の大国の意向がすべてを決めるようになってきているようだ。ここに世界の大国で名前が出ていない中国がどう関係してくるのかがたいへん興味深い。昨日から報道されているがまた日本人が人質で捕まったみたいだ。お金払わなかったら殺されるのであろう。今のところ中国人は人質に捕まったことはない。中国のISに対する公式な声明はいまのところでていないが、なにか動いているようだ。しかしアメリカとロシアがシリアの国土や利権を争っているときに領土拡大が大好きな中国が何もしないでいるかどうかは疑問である。将来万一このシリアIS問題に中国が参入するとしたら、それも積極的に参入しなくてもISの石油を買ったりしてISに対して資金協力するのであれば、シリアIS問題はアメリカとロシアと中国の領土問題になってしまうのではないか。そうなれば距離的に一番遠いアメリカは、一番立場は弱く、一番距離的に近いサウジアラビア連合軍は有利ではあるが、ロシアが勝つのではないか。

よってアメリカとイギリスとフランスとロシアと中国の代理戦争がシリアで展開されるのではないかと思う。国連の安全保障理事会がシリアの利益や未来を決める会議になるのであろうか。

#45 事業統合という撤退 東芝の悲劇、富士通の落胆、ソニーの諦め

2015-12-08

最近のニュースをみて久しぶりに椅子から転げ落ちようと思って、落ちてみた。

東芝が不採算分を切り始めた。日本のパソコン会社の中では一番ガッツのあった東芝がパソコンを外にだすという。前の前の社長の西田厚聰氏が昔担当していた事業だからなのだろうか。白物家電やテレビも売るそうだ。東芝の冷蔵庫、東芝の洗濯乾燥機は日本一の品質であると思う。東芝はどこよりも早く全録ハードディスクレコーダーを開発して業界を引っ張ってきた。そんな事業を売るなんて、そこまで東芝は追い込まれているのか。

富士通もパソコンで骨のある商品をどんどん出してきた会社だ。富士通ならではの特別なパソコンを数多く排出してきた。それらの背後には一家言をもつエンジニアが必ずいた。その富士通がパソコン事業を捨てるなんて…。スーパーコンピューターの京を作って、はたまた次世代の京を作ろうとしている日本の希望がパソコンやめるなんて。

とっくの昔にソニーに愛想をつかされたVAIOには同情しない。この10何年間に何台VAIOパソコンを買ったであろうか。ものすごい小さいの、小さく長細いの、薄いノート、大きなノート、タワー、オーディオ用の平置きパソコン、世界最初のオーディオパソコン。最初の一台を除いてみんな故障した。オーディオパソコンは今でも健在である。私はソニーのパソコンの凋落の理由はそのハードウェアの信頼性によるものであると考えている。

しかし、東芝のパソコンは未だに壊れていない。富士通のパソコンも壊れていない。それなのに事業撤退ということは何年も赤字が続いていたのかもしれない。それを東芝も富士通も公表してこなかったのだろうか。

VAIOパソコン会社と東芝のパソコン事業と富士通のパソコン事業が統合すると報道されている。社名はジャパンディスプレイにちなんで、ジャパンパーソナルコンピュータがよいのではないかと思う。IBMがレノボにパソコン事業を売却したときにがっかりしたことを覚えている。その後レノボを使ってきたが、レノボがスパイウェアを入れていることがわかり、レノボをやめた。今は古いIBMパソコンにWindows10をインストールして使っている。でもメインは自作のパソコンである。自分の欲しいデスクトップパソコンがない。DELLの標準品を欲しいかといったら、そんなものはいやだ。自分が欲しいパソコンは自分で作るしかないのだ。だからこれからできるジャパンパーソナルコンピューター会社にはぜひトップレベルのタワーパソコンを作って欲しい。必ず買う。もちろんSurfaceも使っている。LTEモデムのはいったSurface3は持ち歩きやすく重宝している。この前シアトルに行ったときにSurface Bookを使う機会があった。OSメーカーのマイクロソフトがパソコンに参入するときは、他のメーカーがパソコンから撤退するときなのであろうか。時代の移り変わりを強く感じる。しかし、1985年にマイクロソフトを辞めるときに私が言ったことはマイクロソフトのパソコンを作りたいということであったし、そのときはIBMやNECを怒らせてまでパソコンを作ることはできなかったが、それが30年後に実現しようとは、感慨無量である。

#44 来年10月までに世界恐慌がくるかも

2015-12-01

11月30日に国際通貨基金理事会は中国の通貨 人民元を5番目の世界通貨と指定することを認めた。2016年10月1日から効力が発生する、というニュースがでた。IMFのプレスリリースには中国をよいしょする言葉ばっかりがならんでいる。でもよく考えてみるとこれはとんでもないことになるのではないかと私はふと思った。IMFによる5番目の通貨になるために中国は様々な本当の数字を求められるであろう。世界の5番目の通貨になるためにはそれもやむをえないであろう。しかし、このことによって中国が今まで嘘の通貨統計を出してきたとしたら、中国の通貨は世界からそっぽむかれるだろう。

日本は円を国際通貨として押し出すことをあまりしてこなかった。アメリカの同盟国として長く固定相場にし国力がみとめられるようになってから、360円から100円までの辛くて悲しい歴史がある。通貨というのは国にとって会社の株と同じようなものだと思う。経営に自信のある経営者は、自分の会社の株式をどんどん発行するものだ。国の経営に自信のある政府は、通貨をどんどん発行するのではないか。サダム・フセインは石油の決済に使うお金をドルからユーロに切り替えたことが失脚の一番大きな原因であったような気がする。それはアメリカに対する挑戦状だったのだ。中国の元をIMFを操っているアメリカがそう易々と世界通貨にするなんておかしくはないか。元を世界通貨にしてやるといって誘い出し、関連事実を全部公表させ、挙げ句の果てに中国の国際信用を失墜させるというシナリオが書かれているのではないかと心配する。中国の統計が操作 されているものだということはみんな薄々知っている。でもその実態の数字がわかった瞬間に1929年のようなことにならなければよいのだが。2016年10月1日は土曜日で、市場は閉まっている。よかったよかった。月曜日は10月3日で大安だそうだ。

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