nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#203 大学と企業の軍事研究

2019-02-26

最近の流れは大学における軍事研究を禁止しようというものが多い。私はしょうがないと思うが、マイクロソフトがデジタルゴーグルを10万台以上米軍に売るという発表をした。このゴーグルは軍備になった。それながらそのゴーグルを使った研究は軍事研究になるのだろうか。マイクロソフトの社員が社長に軍事研究反対という手紙を送ったそうだ。

これから民間企業において軍事研究の是非が問われることになる。私は大学は無理でも民間企業では経営者の主体性において軍事研究は許されてもいいと思う。と同時に禁止されるべき事項についての制度的な整備も必要となるのではないか。

#202 中国の対アメリカスタンス

2019-02-26

最近中国の発言を集中的に読み込んで彼らの戦略を想像してみた。中国はアメリカに対しては戦争をする気持ちはないみたいだ。ただひたすらトランプが辞めるまでは待とうという考えのような気がする。あとトランプに対してできるかどうかわからない約束を山ほどするみたいだ。しかし、実行できなかったときの罰則は嫌だといっているみたいで、トランプが辞めたあとは約束は反故にするつもりなのであろう。そういうことで今回の危機を乗り切ろうということか。

トランプが悪役になっているが、その後ろに控えている副大統領や下院議長も中国を許さないといっているのでトランプが辞めてもアメリカの中国叩きは中国がクラッシュするまで止まらないのではないか。そのことを中国は甘く見ているような気がする。

#201 最近のベンチャーキャピタル事情

2019-02-26

小規模なベンチャーキャピタルというよりも知り合いに金を貸したり株を引き受けたりしているが、最近のいわゆるベンチャーキャピタルの話を聞いてびっくりした。株主間協定と呼ばれる創業者とベンチャーキャピタルとの間の合意事項がえげつない。最近付き合い始めたベンチャーの社長から見せてもらった資料によると、山ほど創業者を縛る条項があって、そこまでやるかと思う内容が書かれていた。ベンチャーキャピタルの都合の良い事ばかり書いてあって、何かおかしいと読み込んでみるとやはりアメリカのベンチャーキャピタルが使っている株主間協定を日本で勝手に編集したものだった。こんなことをしているベンチャーキャピタルが日本でどんどん増えていく。それは何も悪いことはないが、私はそうはしない。銀行や証券会社が担保としてビジネスモデルを評価できない会社に対して、その会社が株式を発行して資金を調達するのがベンチャーキャピタルの原点であるのに。私はおバカな投資家でいようと思う。それでいい。

#200 ヨーロッパは大変

2019-02-19

イギリスはブレグジッドで大騒ぎ。フランスは黄色いベストで大騒ぎ。ドイツは中国との関係を諦めろといわれてしぶしぶ諦める方向に動いてるみたいだ。英独仏が同時にこのようなトラブルを起こしているということは何かおかしい。ここら辺をもう少し詳しく調べてみようと思う。

#199 日産に守ってほしいもの

2019-02-19

ルノー会長がやってきた。会社のジェット機ではなかった。日産と話をしてフランス大使館に行ってさっさとフランスにおかえりになった。ルノーもゴーンを切るみたいだ。よっぽど公私混同をやりまくっていたのであろう。ゴーンの行き先については白黒はついたようだが、日産の行き先についてはこれからということなのだろうか。日本の政府が全力をあげて守ってほしいものがある。それは日産の自動車を作る技術だ。日産という会社はおそらくルノーに取られてしまうのかもしれないが、日本の国益を考えたときに日産の技術がルノーに流出してしまうことは避けなければならない。それが日本の国益だと思う。43%はルノーかもしれないが、残りは日本で日本の技術は日本のものだと言いたいのだ。

#198 朝鮮韓国 vs 海上自衛隊の仮説

2019-02-19

海上自衛隊の哨戒機が日本の近くで発見した軍艦と巡視艇と北朝鮮の工作船が瀬取りをしていたといわれているが、私は違うと思う。私の仮説は、北朝鮮から逃げてきた工作船を韓国が連絡を受けて捕まえにいったのではないかと想像する。瀬取りをするには北朝鮮の船が小さすぎる。またこんなに日本と近いところでそんなことをすること自体がおかしい。北朝鮮から逃げてきた工作船を北朝鮮が捕まえることができずに韓国に頼んで捕まえにいってもらったのではないか。そんなことを国際社会で絶対に言うわけにはいかない。だからあのようなことになったのでないかと、写真を見ながら思った。

#197 北と南と中国の落としどころ

2019-02-19

もうすぐ北とアメリカの首脳会談である。あまり期待しない方がいいみたいである。最近気が付いたが共和党のペンス副大統領も民主党のペロシ下院議長もそろって北のことを信じないと言っている。国境の壁のように共和党と民主党で意見が対立している場合は妥協した結果になりそうだが、両者が完全に合意している事項に関してはアメリカは強硬に攻めていくと考えられる。北に厳しく、それに同調する南にも厳しくするだろう。国連の制裁決議がいきているので、南が北を助けたことがはっきりすれば、韓国の全ての銀行は国際的な資金調達から締め出されることになる。このことはほとんど報道されていないが、私はこれが致命傷となって、北と南は追い込まれて経済的に破綻するのは時間の問題であろう。そのときもし中国が元気なら北と南を属国のようにしてしまうのであろうが、これから中国も厳しい時代を迎えて朝鮮半島を支援するということは不可能ではないだろうか。

最後の考えられるシナリオはアメリカが日本に北と南を助けろという指示を出し、日本が泣きながら北と南を助けるというシナリオである。そうならないために日本の政治は頑張ってほしい。

#196 中国のマッハミサイル

2019-02-19

中国が音速の10倍のミサイルを作っているそうだ。2010年にすでにアメリカはそれを検知して対策をとってきたそうだが、ならば今度日本が2セット導入するイージス・アショアは何なんだろう。もはやすでに役に立たない花火程度のものなのだろうか。アメリカもマッハ10のミサイルを当然開発するだろうから、イージス・アショアのフェーズアレイレーダーが必要なのであろう。こういうことがあってロシアとの中距離弾道ミサイル協定(INF)破棄というシナリオにつながっていくのであろう。日本はアンテナ基地になるのか。

#195 情報セキュリティの戦い本番

2019-02-19

10年くらい前、シリコンバレーのカスタム半導体設計会社を訪問していたときすごいチップに出会った。中国の会社のカスタムチップで、秘密だといって見せてくれなかった。そのときに大変なものを作る会社があるのだなあと驚いたことを覚えている。予算は普通にかかる金額の10倍払ってくれたそうだ。それはみんな必死になるわね。その会社の名前がファーウェイだった。当時はあまり知られていなかったがファーウェイに注目したのは日本人としては早かったと思う。まわりの人は誰も知らなかった。

ファーウェイが今問題になっているのは、これまでの行儀の悪い情報収集である。報道されていることがもし本当ならばアメリカ的には死刑に値するということなのであろう。しかし過去のことは置いておいて、次世代(5G)の通信網や次次世代(6G)において考えられる懸念はファーウェイがインターネットの交換機とそこに無線で繋がるスマホを完成させてしまうと世界中のどんな会社も太刀打ちできなくなってしまうことではないか。そうして世界はファーウェイの交換機とファーウェイのスマホになったとき、アメリカの宝といわれるアメリカ企業であるアップルとクォリコムなどの情報通信会社は二流三流に落ちこぼれてしまう。現在でも無線やインターネットの交換機ビジネスはほとんどが非アメリカ系である。そうしてアメリカのインターネット情報基盤に穴が空きファーウェイの親である中国政府に世界中の情報が筒抜けになればそれはアメリカの最も心配することなのであろう。私はファーウェイの追求は日本アメリカヨーロッパから会社が退場するまで続くだろうと予想する。

#194 投資銀行になってしまったソフトバンク

2019-02-13

ソフトバンクモバイルが上場した。孫さんは社長を辞めてソフトバンクグループの経営に専念するという。このメモを書きながら孫さんの記憶を辿ってみた。

出版社、ソフト卸、展示会、パソコンアクセサリ、ADSL会社、携帯電話会社、ウェブインデックス、ウェブオークション、中国電子コマース、CPU開発会社、などなど。孫さんは投資ファンドになってしまった。こういう会社のことを投資銀行と呼ぶ。それを創業のときから社名につけたのは慧眼である。しかし、もはやソフトの流通なんて孫さんのビジネスの1%もないだろう。そうしたら会社の名前を変えたらどうだろうか。SON BANKもしくはMASA BANKである。そうしても誰も文句はいわないと思う。

投資銀行のトップの仕事は簡単ではないかと想像する。自分はやったことがないけれど。なぜかというとYesかNoかを決めればいいだけだからだ。何をするということは持ち込み案件が山ほどあるから、それをCOOにスクリーニングさせればよい。スクリーニングする人や、事業計画を書く人や、現場で経営をする人は大変だろう。しかし、投資決断はYesかNoで楽なはず。借金の返済方法を考えるのは大変かもしれないが、公開株を売ればとりあえずなんとかなるわけで、銀行に頭を下げなくてもすむから企業家としても楽だろう。

孫さんがインベストメントバンカーになったことで僕は彼ともう会えないと思う。だってゴールドマンサックスやJPモルガンのトップと会ったこともないし、これからも会うことはないだろうから。ビル・ゲイツのパーティーでウォーレン・バフェットのとなりに座ったけれどほとんど話をしなかったし。

#193 IoTとメディカル応用の入り口

2019-02-13

最近メディカルとIoTのことを考えていてこういう風にすれば患者さんにもお医者さんにも看護師さんにも喜んでもらえるのではないか、という入り口を思いついた。

健康保険の診療は月に一回のペースでやってくる。1週間に一回はダメ。月に一回の血液検査より毎週の血液検査の方がより早く健康状態を把握することができるのはあたりまえだけど、保険の対象にはならないので、ダメ。ここに少し高くても自分で測ることのできるIoT検査機と検査試薬を使ってその結果をクラウドにアップするシステムを作るのがいいと思った。毎日測るバイタルサインである体温、血圧、脈拍、SPO2などはモニターしていると自分でも心強い。白血球の値やCRPの値が自分でわかれば病院に行くことの緊急性も判断できる。そういうことに対して毎週主治医が月一回の診察よりも短い時間で患者をケアできるのであればこんなに素晴らしいことはない。これを切り口にIoT検査機器を作ってみよう。

#192 ×××なしでやってみる実験

2019-02-13

Googleに支配されている感じがする。メッセージとか広告とか、オンラインディスクとか全部見られていると僕は裸だ。アカウントにハッキングされたらもう終わりだ。パスワードは20文字にした。覚えるのに苦労した。使わないと忘れてしまう。それでもGoogleにすべてを委ねることが嫌になりそうなので、Googleなしで生きていく実験をはじめた。G Mail、Google Calendar、Google Map、Google Search、Google Driveなど、ふだん使っているGoogleの機能を代替する他のアプリを探してテストしている。そういうことをしながら究極は自分でサーバを立てて自分でやるしかないというところまで追い込まれてしまった。近いうちにこのプロセスで思ったことを発表したい。

次にしたいことは、スマホなしの人生の実験。安倍総理大臣はやっているみたい。24時間一緒の連絡係がいるのかも。防衛省から派遣された安全な通信装置を背負った通信兵なのだろうか。

その次にしたいことは、パソコンなしの人生の実験。これはもう10年以上もやっていて、バインダーの穴が空いた方眼紙を持ち歩いている。無印良品製。そこにぺんてるの筆タッチサインペンでメモやスケッチをする。このスピードの速さを経験するとパソコンは使えない。

無人島にいくなら何を持っていきますか、という問いには「バインダーと穴の空いた方眼紙とサインペン」と答えたい。少し前は「衛星インターネットとパソコンとカラープリンター」だったけど。

#191 最近の国際ニュースを見て

2019-02-06

毎朝アメリカとイギリスのニュースを見て、トランプがやっていることをチェックするのが日課になって久しい。トランプは執務時間の60%を自由時間にしているという報道があった。こんなことを本当と思ってはいけないのではないか。この時間こそ政府が要人からの報告を聞いて政策のディスカッションをしているときではないのだろうか。最近の目立ったトピックスは4つあって、

1. ファーウェイをアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドに加えて日本で追放。それにドイツが同調。

2. ドイツの首相が日本にやってきて、よろしくとのこと。私はこれはドイツが中国と別れるという決心をしたということではないか。だからドイツ銀行事件やフォルクスワーゲン事件のようなドイツいじめをやめてくれ、ということではないだろうか。当然にドイツもファーウェイを排除。これによってEU経済悪化のリスクが少なくなったので、英国のEU離脱はなくなるかもしれない。

3. 韓国から米軍が撤退の可能性は、国連の枠組みの中で国連軍の担当国がアメリカから中国に変わるのではないかと予想する。その対価は中国の持っているアメリカ国債をチャラにする、ということになるのではないか。

4. ロシアとのミサイル協定を破棄するのは、ロシアのミサイルの世代交代にあわせて、アメリカのミサイルも世代交代させるためであろう。日本にはとりあえず2システムであるが、イージス・アショアの導入をきっかけに日本海側に「シンゾウ、イージス・アショア100システムぐらい買ってくれよ」「はいよ、100でいいの?」というようなことになるのだろう。100ぐらいないと中国や北朝鮮のターゲットになる。100のターゲットを破壊するのに、戦術核を100発も使うことはないだろう。だから100なのだ。ロシアと中国と北朝鮮を叩くICBMは依然としてアメリカ本土と太平洋、大西洋の原子力潜水艦で保持するのかもしれないが、発射は偵察衛星で、目的地の探査をイージス・アショアにさせ、ペンタゴンがホワイトハウスにレポートして相互確証破壊(Mutual Assured Destruction)を決めるのだろう。戦争のシステムが世代替わりをしているだけのこと。沖縄と日本の基地は有事の兵站基地としての役割になって、戦力はハワイとグアムに後退するのであろう。

#190 アメ車の本質とは

2019-02-06

最近ロールスロイスのエンジンの改造をやっている。キャブレーターを電子制御に取り替えて、ファントム6のV8エンジンを回してみた。イギリスのエンジンなのにアメ車のエンジンの音がすることに気が付いた。そうか我々が知っているアメ車とは、燃料電子制御のエンジンを積んだクルマだったのか、とあらためて思って具体的な計測をして研究中だ。

これにターボチャージャーをつければどんな音になるのだろうか。ドイツの高速道路をビュンビュン飛ばしているドイツのクルマになるのだろうか。これをやってみたい。

#189 あと30年でパソコン、タブレットがなくなるという予言

2019-02-06

週刊ポスト2月8日号によると、あと30年でパソコン、タブレット、Suicaがなくなるという記事があった。なるほどそういうことをいう人もあるのか、と思ったが、私はなくならないと思う。

パソコンとタブレットがなくなって、全部スマホになるという。タッチタイピングよりも早いスピードで文章を入力できる若い世代が増えているからだという。文章を書いたり図を描いたりすることをスマホからするよりパソコンでする方が効率がいい、少なくても我々は。Windowsタブレットに折りたたみのキーボードをつけたノートパソコンよりも軽いタブレットのパソコン使いをしている。だからタブレットはこの先も続くだろう。このタブレットに4Kのディスプレイを繋いでデスクトップで使っている。便利である。書類をたくさん広げて編集するにはとても便利である。スマホではできない。

Suicaがなくなるのであろうか。私はそうは思わない。全ての人がクレジットカードや、デビットカードや、プリペイドカードを使わないでスマホだけになるだろうか。 駅で1000円だせば誰でもすぐに手にすることができるプリペイドカードは鉄道系であるが、コンビニ系のカードも手頃である。スマホを買ったらすべてのプリペイドカードがタダでついて来る時代になるのであろうか。最近パソコンのスクリーンにタッチして、表示が動かないということに違和感を感じていたが、タブレットのパソコン使いをしているとそういうこともなくなった。

今から30年経つと90歳を過ぎたところになるので、ぜひ長生きして、やっぱりならなかったではないか、という記事を書きたいものだ。

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