西和彦のエッセイ
#510 電気自動車と自動運転車とは別物
2021-06-24カメラを搭載して映像により自動運転をする自動車と、エンジンが電気モーターになって電気で走るクルマとは全く違う機械であると思う。メカニズムをコントロールする力がエレクトロニクスである。というのは、なるほどねというぐらいの驚きであるが、そのエレクトロニクスにカメラと電子地図とドライブソフトウェアの塊りが電気自動車を制御するというのは次世代のエレクトロニクスのびっくり機能であると思う。クルマメーカーが自社でこの機能を開発する競争をするより、どんな電気自動車にも搭載可能な自動運転頭脳を作って販売する会社を作る方が効率がよいのではないか。例えばドローンのDJIなどはドローンの衝突防止機能を当然クルマに積んでこようし、自動運転エンジンのトップメーカーがアメリカなのか中国なのか興味深いところだ。しかしそこから自動運転ユニットをさっさと買って超低価格の自動運転車を出すのはひょっとしたら日本の軽自動車メーカーかもしれない。
#509 マイクロソフトの会長兼CEO
2021-06-24サティア・ナディアがマイクロソフトの取締役会会長に指名された。この数年でマイクロソフトの時価総額が6倍になったからだそうだ。ビル・ゲイツは会長も辞めてしまった。新しいマイクロソフトの誕生を心から祝いたい。しかし、ビルがコンピューターの世界から手を引いたことが残念で堪らない。僕はコンピューターの世界から撤退はせず、今まで知り得たことを新しい世代に受け継ぐ努力としての教育を大きなテーマとして取り組んでいきたい。頭はどんどん老化していくが、コンピューターのエンジニアリングも諦めずに取り組み続けていきたい。
#508 デジタルテレビ規格のゆくえ
2021-06-24デジタルテレビは2K、4K、8Kの3つの規格、商品が存在する。それぞれの情報家電商品としての位置付けがはっきりしてきたような気がする。
2Kは安いテレビ、安いパソコン。
4Kは標準的なテレビ、デスクトップのパソコン。
8Kは少し前までは100万円以上したが、最近では40万円を切ってきた。これになってはじめて2K、4K、8Kが同時に商品として成立することになったのではないか。HDMIも2K4Kサポートと8Kまでサポートする2種類ぐらいに別れるのではないか。8Kが出てきて、毎秒60フレームが当たり前になるとこれからも高速のグラフィックプロセッサー(GPU )が伸びるだろう。インテルやAMD、NVIDIAが利益を上げるだろう。ビデオ編集も時間の問題で8Kでプロは行い、アマチュアは4Kになるのだろうか。棲み分けがはっきりするだろう。編集が8Kになるとそれにしたがって莫大なメモリと強力な処理力を求められる。ここにマルチCPUが必要とされる理由がある。
#507 IoTとAIの接点
2021-06-24IoTとAIの関係を模索してきたが、最近の業界人の間の興味はIoTで得たデータをAIでどう分析するかということであるそうだ。データエンジニアリングではないかと思うが、ややこしそうなことになんでもAIとつければそれでいいような感じになってきた。結構なことだと思う。
#506 オリンピックに反対ということをインターネットで発言する人たち
2021-06-24考えてみればオリンピックのホームページを一度も見たことがなかったので、このエッセイを書くにあたって詳しく見てみた。大変な精密さで作られている。政府と民間との共同作業としては大変質の高いものという感じを受ける。オリンピックに反対している人たちは、個人の立場から何を言うのも自由であるが、日本が今まで投資してきたオリンピック開催への努力をコロナが理由でいとも簡単に否定して良いのであろうか。この前のオリンピックは1964年で約60年前であったが、当時オリンピック開催反対を大衆がいうことはほぼなかったと思う。こんにちはインターネットがあるから、どんな人の発言も一般の人の知るところとなり、読む人は影響を受ける。一人一人の意見が尊重される時代になったのかもしれないが、それが本当に民意かどうかはわからない。NHKの世論調査と新聞や民放テレビの世論調査の結果は大きく離れている。これは一体どういうことなのだろうか。自分が納税者であるからオリンピックの開催の是非について発言権があるというのは少しやりすぎではないか。とにかくマスコミやインターネットメディアの伝えることを僕は信じることはできない。自分が自信を持って言えることは、オリンピックの会場には行かないということと、テレビを見てもコロナはうつらないということである。アメリカから日本にヨットで向かっている辛坊治郎さんはオリンピックをどう考えているのだろうか、聞いてみたい。
#505 スパコンはスパコンでは売れない
2021-06-1620年ぶりにスーパーコンピューターのことを本気で学び直している。結論からいってスピードは早くなっているが、使い道はあまり変わっていないような気がする。AIが出てきてAI的な使い方もいわれているが、AIがスパコンが売れるためのキラーアプリではない。数値計算がキラーアプリかというとそうではないだろう。
考えるにスーパーコンピューターがスーパーデータベースマシンとなればスーパーコンピューターも企業向けにたくさん売れるのではないか。富士通の富岳もお友達のOracleにたくさん売ってもらえばいいのではないか。また富士通の改良した富岳のCPUを外販してスパコンもどきを作りたい国に売ればいいのではないか。
データベースマシンとしての開発を進めていくと、CPUの次は広帯域メモリにどのような機能を付加すればいいのかということになるだろう。この分野がこれから興味深い。
#504 IoTはこれから20年以上右上がりと予測する
2021-06-161980年代に始まったパソコンはすでに40年以上伸びてきた。2000年にはじまったスマホは20年以上伸びてきた。パソコンとスマホが今のIT社会のベースを作ったわけである。では2020年から何が伸びてきたのであろうか。私はそれはRaspberryPiに代表されるIoTであると思う。モノのインターネットがこれから20年以上も伸び続けるといういことを信じているのは私だけではないだろう。
パソコンはMicrosoftとAppleという勝者を2つ産み、スマホはAndroidとiOSという勝者を2つ産んだ。IoTの勝者は今のところRaspberryPiであるがもう一社IoTで勝つところがあるのではないか、と思う。ARMを吸収したNVIDIAか。
ここまでいうと「おいおい、ゲーム機はどうよ」という話が出てくるだろう。しかしPSもXBoxもNintendoもクローズドなアーキテクチャのコンピューターであって、オープンやセミオープンなアーキテクチャではない。だからゲーム機は考えなくていいだろう。
#503 WindowsよりAzureが大切
2021-06-16MicrosoftはクラウドでWindowsを動かして、それをクライアントから使うサービスの名前をRemote Windows DesktopからAzure Desktopに変えるそうだ。それはびっくり。おそらくMacやiOS、Android、Linuxからでも使えるようにして、Windowsの寿命を長くすることを考えているのであろう。この判断をしたMicrosoftの社長に敬意を表したい。素晴らしい。
一方AppleはMacのシェアが2割くらいであるが、ビジネスユースを含めた世界ではM1でユーザが増えているとは言い難い。M1対応のソフトが増えてくれば現行ユーザーは幸せかもしれないが、M1を買ったあとにM1xが出てきて、その幸せ感も一瞬で消えてしまうのではないか。これはMicrosoftの勝ちであろう。
#502 ビルは怒ってるのでは
2021-06-16最近 ビル・ゲイツの発言がほとんどなくなっている。インターネットのメディアに色々と書かれて、それまでは英雄として持ち上げられていたのに、今では変人扱いをされているので毎日ご機嫌悪いのであろう。
それにメリンダ・フレンチェが探偵を雇っていたと報じられて、本人は否定しているが、火のないところに煙は立たないわけで、その事実を知ってビルはさぞかし頭にきているのであろう。
とりあえず慰謝料は2000億円支払われたみたいだが、これ以上は払いたくないし、払われないのではないかと思う。27年間のビルのキャピタルゲインの半分を要求するのは離婚弁護士の常であろうが、メリンダがマイクロソフトの成功に貢献したとは思わない。ビルの資産のほとんどは結婚前の株式の増えたものであって、だから2000億で手を打つような気がする。
ビル アンド メリンダ ゲイツ財団は役員を現在の3人から増やして乗り切るといっているみたいだが、いくら増やしても増えた人はビルの言うことを聞くだろう。だから分割しかないだろう。しかし2000億しか持っていないメリンダに財団の仕事が続けることができるかは疑問だ。