nishi.org 西和彦のコラム

政治・経済・社会

#154 中国とEU(その2)

2018-10-16

EUと中国がどうなるかについてずっと考えているが、論点の中心は「一帯一路」になるような気がしてきた。つまり、中国がユーラシア大陸においてむかしのシルクロードの現代版を推進しようとしている。このことに対するEUの反撃、もしくは反対工作がこれから顕在化するのではないかと思われる。それのリトマス試験紙がイギリスのブレグジットである、と考えていいのではないか。これからEUの各国が一帯一路に対してどのようなスタンスでいるのか、ということが問われる。一帯一路に協力的な国は中国と同時に攻撃されて経済的に厳しい立場に追い込まれるような気がする。それのトップがドイツであろう。フランスは中立でスペインは逃げ腰で、東ヨーロッパやトルコがどう出るのかが興味深い。また、アラブの各国とイスラエルとアメリカとの関係がここでも問題になってくるのではないか。日本でこういう論調のひとはいないので、地道に情報集めをしていくしかない、と思っている。

アメリカ・イギリスと敵対する中国の未来は真っ黒ではないか。間違いなくソ連が辿ったような破綻への展開はあるだろう。リアリズムはリベラリズムに負けるのだ。その横でインドがコンスタントに追い上げてきている。インドの人口増加を賄うだけの食料供給が足りている限り、インドは大丈夫なような気がする。もうひとつインドは中国のような急速な経済発展を選ばないようだ。ゆっくりバランスのとれた成長を50〜100年かけてしたいと発言した政治家もおられた。しかし、日本からは離れすぎている。日本の対中国、対インドの長期的なスタンスをどう考えていったらよいかが、安倍首相の次の政治家に求められる国際的な判断になるのであろう。

#151 アメリカとヨーロッパとの本当の関係はいかに

2018-10-02

アメリカが全力で中国を攻めている。日本はアメリカのいうとおりのことをしているようだ。だから日本はいじめられない。中国が売却した7兆円のアメリカの国債は勝手な予想だが日本が忖度して買ったのではないかとみている。

では、ヨーロッパとアメリカの関係はアメリカの中国叩きにおいてどうなるのか。考えられるシナリオはもちろん二つ。

一つ目はヨーロッパとアメリカが協力して中国を叩くということ。二つ目はヨーロッパはアメリカに協力しないということ。この二つのどちらかになる。はっきりしているところからいうと、イギリスはEU離脱で中国叩きから距離を置くようになるのではないか。習近平がロンドンに来たときに嫌々ながらもてなしたことは記憶に新しい。EUの中心はドイツである。ドイツが牛耳っているヨーロッパ中央銀行(ECB)は米中の貿易戦争は、アメリカが負けるというレポートを出している。中国にはドイツのクルマがたくさん走っており、フォルクスワーゲン・アウディも中国ビジネスによってものすごく儲かっている。アメリカはこれが憎くてしかたがないのではないか。ドイツを中心とするEUが中国の味方をすれば、アメリカはEUとも貿易戦争をはじめるであろう。そうすればイギリスはさっさとEU離脱になるだろう。

アメリカの保守層は日本人が考えるよりもはるかに心配性である。将来的に国家の敵になる国があれば小さいうちにやっつけるというのがアメリカの政治の伝統であった。古くは日本。戦後はソ連。最近ではイラク。そして中国。中国がよくても悪くてもそんなことは関係なしにこの地球で無視できない存在になったということが、今回のアメリカの中国叩きの理由ではないだろうか。日本のように儲けたお金を全部アメリカのために使って、ときどきロシアとこっそりプロジェクトをやるぐらいがいいのではないだろうか。今回のアメリカによる中国叩きで究極のアメリカ側につかないで、中国にも貸しを作り、ロシアとも仲良くして、のらりくらりすることができる政治家が求められている。今の政府はそういうシナリオで動いているような気がする。ヨーロッパはどういう考えでどういう態度をとるのかを私は注意深く観察していきたい。

#150 貿易戦争の次はサイバー戦争

2018-10-02

アメリカの中国に対する取り組みは高関税をかけて中国経済を失速させようとすることに間違いはない。次の段階は中国のサイバー破壊行為に対するアメリカの反撃になるのではないかと予想する。11月の中間選挙に向けて中国がアメリカのネットワークに向けてサイバーアタックを仕掛けているという発言がトランプ大統領からあった。これを「たいへんだ!」と報道している日本のメディアは少ない。私は貿易関税よりもサイバーセキュリティの方が、大きな騒ぎになるのではないかと思っている。

中国やロシアや北朝鮮のサイバーアタックについてアメリカは国を挙げて防衛する姿勢でいるが、日本はどうだろうか。経済産業省の外郭団体がやっているぐらいのものであろう。それでは取り組みは弱すぎる。内閣総理大臣が大号令を出し、国家の緊急事態としての認識を持ち、すべてのパソコン、サーバ、スマホが対策しなければならないのではないか。まあアメリカが、騒ぎ始めると日本も後追いでするからいいか。しかしそのときには情報が全部抜かれてフェイクニュースが飛び交い、マスコミはたいへんなことになっているのではないか。私は使い終わったらパソコンはネットワーク接続を物理的に遮断している。

#133 米朝関係の本質を考える

2018-06-26

もうすぐトップ会談から2週間を迎える。日本のテレビが全部放送大学になった2週間だった。どんどん論じられていることが難しくなっていき、視聴率がさがったのだろう。最近はもはや番組には出なくなってしまった。落ち着いたといっていいのだろうか。

米朝関係のビックイベントではなく、米中関係のビックイベントだったような気がする。シンガポールまで中国の飛行機に乗っていったということは、途中で撃墜されないための知恵であろう。アメリカも中国の専用機を撃ち落とすほど馬鹿ではない。昼食が終わったあと、両首脳は帰国したと報じられたが私はそこで本当の米朝会談が行われたのではないかと思っている。しかし、大切なことはアメリカという大国が小さな北朝鮮の核兵器の問題で世界の平和のためにこんなに大騒ぎをするのであろうか。私は本質はもっとおおきなところにあると考える。アメリカの本意は北朝鮮が経済的なブラックホールとなり、それを中国に引き取らせるということが隠されたアジェンダではないかと考える。その考えを持ちながら、トランプ大統領の発言を理解すると大変よくわかる。北朝鮮というブラックホールを抱えて、アメリカから経済制裁のような輸入税をかけられて中国の経済は大丈夫かが、心配である。アメリカと中国の未来を考えてみた。可能性は4つある。2の2乗である。つまり、

1、アメリカと中国は永遠に喧嘩を続ける。
2、ソ連が負けたように中国が負ける。
3、中国がアメリカに勝ち、21世紀の大国となる。
4、中国もアメリカも衰退し、インドが次の大国になる。

このなかでアメリカは1と2を考えているのではないか。中国は3を、インドは中国もアメリカも関係なく、自国のコンスタントな発展を気にしているのではないかと考えられる。

歴史に名を残す勝者は誰であろうか。私は立場上アメリカといわなければならない立場にいるが、インドの将来が期待できそうな感じがする。日本は、どういう選択をするのか考えてみると、どこまでもアメリカの側に立ち、アメリカの手先として朝鮮半島問題に取り組んでいくのであろう。でもそうするとトランプがいったみたいに経費は全部中国と韓国と日本持ちになってしまう。それも必要かもしれないが、拉致被害者らが帰ってこないと日本の国民感情はそれを許さないであろう。そうすると北朝鮮の復興は中国と韓国で行うことになる。そうすると中国にとって朝鮮半島は間違いなくブラックホールになるだろう。スターウォーズにソ連が突っ込み、国防費を使いすぎたことがロシアの崩壊の原因の一つであった。

では、なぜアメリカはこんなことをするのか。それはアメリカが発行するドルが、世界の基軸通貨であるからではないか。これを21世紀も維持することがアメリカの繁栄の必須条件である、ということではないか。輪転機で紙を刷ってなんでも手に入れることができるということは、国の豊かさそのものではないか。ここに挑戦した国はアメリカに潰されてきた。ヨーロッパを連合させたユーロとヨーロッパの最大経済力であるドイツは、必ずアメリカに潰されるのではないか。イギリスはそれを予測してEUから脱退したのではないか、と私は勝手に考えている。国民投票なんて演出された茶番劇みたいなものではないか。

もっともっとアメリカと中国の対立が拡大し、アメリカはイヤイヤなフリをしながら韓国から撤退し、北朝鮮と韓国は合併することになるのではないか。そのときの報道はドイツの合併の成功の再来という祝賀ムードに包まれるが、かなり大きな経済恐慌のはじまりとなるのではないか。

#132 ビットコインのソフトランディングのシナリオ

2018-06-19

ほぼすべての通貨発行体を敵に回して電子貨幣はどこにいくのか、考えてみた。今の電子貨幣は電子株式みたいなものである。電子貨幣が取引されている電子市場は電子株式市場とよく似ている。だから電子株式市場のビジネスモデルを採用すれば当局は何もいうことはできない。

次に電子硬貨のシステムとアップルペイやGoogleペイや、アマゾンペイが、ゲートウェイを介して繋がったとき世界的な爆発現象が起こるのではないか。つまり、1円から電子硬貨ブームに世界中すべてのスマホを持った人が参加できるようになるのだ。私的な電子株式市場のような電子貨幣市場に対する国際的な規制はどうなっているのか。日本の金融庁がいくら規制しても、他国の電子貨幣市場は誰が規制するのか。銀行同士の接続には国際決済銀行の規制が存在する。電子貨幣市場とその他の電子コインの接続の規制はどうなっているのか。いわゆるタックスヘイブンと呼ばれている国の電子貨幣市場なんてあってないようなもので、そういうところにいって数十億円投資するだけでなんでもできてしまう。いかがわしいインターネットのドメインのようなことが起こるのではないか。それは日本政府のどんな努力を持ってしても防ぐことは難しいのではないか。

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