nishi.org 西和彦のコラム

政治・経済・社会

#110 北朝鮮とそのあとを考える

2017-06-20

新聞テレビインターネットで北朝鮮問題が報道されている。それらを聞いていてほとんどすべての報道に違和感を感じる。しかし、私は専門家ではないので、私なりの分析をして、それを説明したい。

その1 アメリカのしそうなこと
シリアに化学兵器を使ったといって、ミサイルを50発撃ったこと。このことからアメリカは北朝鮮が韓国に対して化学兵器を使ったら、山ほどのミサイルを撃つぞというシグナルをおくったのではないかということ。

その2 MOAB(超大型爆弾)の使用
地下50メートルまで到達する大型爆弾をアフガニスタンでISの拠点に投下した。わざわざ今どきこんなことをするのは、この爆弾を3発使えば半径2メートルの精度で地下150メートルの地下壕に到達することが可能である。ということは小学校の掛け算の問題である。平壌の地下鉄の駅のどこかが防空壕になっているのであろう。アメリカはそんなことをしても無駄だというシグナルを送りたかったのであろう。

その3 アメリカ軍集結の理由
航空母艦2隻をはじめとする第七艦隊機動部隊が日本海に集結していたそうだ。おそらく米軍の原子力潜水艦ミシガンを筆頭に十数隻が日本海に集結していたのであろう。これは北朝鮮のターゲットに対してトマホークミサイルを数千発同時攻撃するための布陣ではないかと私はみている。数千箇所のターゲットを同時攻撃しなければ反撃としてソウルが火の玉にされてしまう。一瞬にして北朝鮮の反撃能力を撲滅するだけの第一撃が必要になるのであろう。現在は戦闘態勢は解除になっているようだが、攻撃地点の緯度経度情報はトマホークにプログラムされたままであろう。アメリカとしては在庫処分をそろそろしなくてはならないときになっているので、一石二鳥なのであろう。



つまり北朝鮮の状況は日本がどうのこうのいう状況ではなく、中国とアメリカの問題であり、ロシアとアメリカの問題であるのだ。日本はただただアメリカ側についてうろうろしているだけのことである。日本が真剣に軍事介入をするのであればトマホークミサイル5000発ぐらい用意しなくてはならない。

この機会に日本を取り巻く地政学的な国際情勢を考えてみた。国連報告者がどうのこうのといっているが、まったくナンセンスである。それを報道するマスコミの気がしれない。国連は第二次世界大戦の戦勝国の集まりであるので、安全保障理事会の常任理事国のグループがどうなっているのかがすべてである。つまりアメリカとヨーロッパの同盟国、ロシア、中国がその三本軸である。そうすると21世紀の最大の課題はユーラシア大陸の東の部分でお互いに接する三つの大国の挙動が一番大きなテーマになるだろう。インド、中国、ロシア、この三国の対立とそれに対するアメリカのスタンスが21世紀前半のテーマになるだろう。日本はアメリカの同盟国としてどうしていったらいいのか、がテーマになる。台湾は中国の一部になるという選択か、アメリカのグループに入るという選択肢しかないだろう。日本の運命に似ている。韓国は北朝鮮と民族的に近いので統合する可能性は考えられなくはないが、朝鮮半島に突きつけられる究極の選択は、中国につくのか、ロシアにつくのかということであって、そのどちらでもないといってアメリカにつくことは中国もロシアも許さないであろう。

ということで、北朝鮮問題よりも重要なのが中国とインド、中国とロシアではないだろうか。これに対してアメリカのスタンスはどうかということのほうがはるかに大切ではないだろうかと、考えている。

#101 アメリカと中国の関係の行き着く先と日本のスタンス

2017-04-19

38度線へのアメリカの副大統領の視察やフロリダでの中国主席とアメリカ大統領の2日に渡る長時間の会合などから、世界はアメリカと中国が二分しているといっていいだろう。北朝鮮問題もこの前後関係のなかで捉えなくてはならない。ロシアの問題も、アラブの問題も同じである。

この問題の本質はリアリズムの究極の結果としての武力戦争ということではなく、リベラリズムの結果である経済戦争がその勝ち負けを制するものと思われる。大国の間においては核攻撃による相互完全破壊はどこかの占い師も言っていたようにここ100年くらいは絶対に起こらないようだ。しかし暴発の危険性や意図した自爆の可能性は必ずある。その犠牲になりたくないものだ。

経済戦争という視点でアメリカと中国を見ると、外貨準備高が急速に縮小している中国は危険である。しかし、大暴落が起こっても国家権力を活用すれば持ちこたえることができる。我々はこの大暴落防止をすでに2回みた。あと少なくとも5回は中国は大丈夫だろう。そのあとは大変なことになる。アメリカはあと何回なのかという中国の本当の体力がいかにあるのかを経済学者や銀行証券会社を動員して研究中なのであろう。

日本はどうか。もちろんアメリカと中国が風邪を引けば日本はくしゃみどころではない。日本も風邪を引くのだ。そして肺炎を起こして間違いなくアメリカよりも先に破綻する。日本の政府は誰がこのことを考えてくれているのか。今の政府は表面的には北朝鮮問題にもシリア問題にも中国問題にもニュースには本質的な情報は流さないのがやり方のようだ。国民をバカにしている。右翼ならばよいみたいな雰囲気があるが、右翼の国際政治方針は何なのであろうか。鎖国ではないだろう。

日本にも総理大臣がアメリカ大統領と何日も討議できるようなアジェンダを準備することのできるシンクタンクが必要なのではないか。ワシントンにはそのようなシンクタンクがちょっと数えてみても10以上ある。北京にもそういう組織が存在しているのであろう。日本にはXX総研という株式会社はたくさん存在しているが、ちゃんと仕事をしているのであろうか。私は傍観者として日本がしなければならないことはちゃんとされていないと思うのであるが、それが私の杞憂であってくれればいいのだが。

#100 北東アジアの地政学

2017-04-19

アメリカのペンス副大統領が韓国側から韓国と北朝鮮の国境である38度線を視察された。最近のアメリカと北朝鮮と中国の事態について政治色を抜いて純粋に各国のこれまでの思惑を分析しながら考えてみた。

アメリカが北朝鮮に先制攻撃をするだろうか。今までのアメリカの戦争の歴史はそうではなかった。アメリカは日本がしたようにどこかの国がアメリカに対して戦争を仕掛けたときにそれを理由に議会が戦争の開始を決議し、国民はそれを支持するということを繰り返しやってきた国である。そのことを考えると北朝鮮がアメリカに第1撃を加えることをアメリカは待っているのではないか。

サダムフセインの場合はどうかというと、サダムフセインは石油の決済をドルからユーロにシフトしようとした。これがアメリカの逆鱗に触れたのであると思う。つまり石油決済通貨がユーロにシフトすることでアメリカのドルが大きな打撃を受けるということである。これだけは何としても防ぎたかったのではないか。北朝鮮のいたずらはドルの偽札を作ったことであるが、優れた偽造防止の技術を使ってこの問題は過去のものとなった。

次の問題はICBMと核爆弾の開発である。北朝鮮が核爆弾とICBMを持っていけない理由は、アメリカは、北朝鮮の指導者が今までの国際ルールにしたがって政治を行うものではないと判断したことではないだろうか。前の世代の北朝鮮と中国の関係はよかった。中国の主席が江沢民の時代である。現在の中国の主席は江沢民派とは対立関係にある。つまり現在の北朝鮮と中国との関係は決してよいものだとはいえない。北朝鮮のほとんどの物資の供給は中国に依存しているのだが、それがいつ何時停止するかもしれない状態にあるのではないだろうか。それをアメリカはさらに中国をつついて北朝鮮の物資の供給を全面的に停止することを要求しているのはないか。つまり、中国がサポートしない限り北朝鮮は戦争はできないのである。そうすると残ったシナリオは、アメリカに対して核爆弾で自爆をするか、それとも北朝鮮でクーデターが起こる可能性をアメリカは待っているのではないか。だからクーデターの可能性は根こそぎにしたいのだ。中国に近いナンバー2を粛清したのも異母兄を粛清したのもクーデター一派にクーデターの正当性を与えるようなリーダーを生かしてはおけないということなのであろう。

トランプ大統領がシリアが化学兵器を使ったことに対して巡航ミサイルを59発も打ち込んだということのメッセージはアメリカの海兵隊が北朝鮮に侵入したときに化学兵器を使えばアメリカは必ず報復するというメッセージではないだろうかと予想する。

アメリカが援助しなくても援助してもクーデターが起こって、それに乗じてアメリカ軍が北朝鮮に兵を進めてもはやこれまでとなったときに核のボタンは押されるだろう。それは世界大恐慌の始まりのボタンではないか。そのあとアメリカと中国が38度線でにらみ合いを続けることになる。

#92 カリフォルニアの独立を考える

2016-11-29

イギリスがEUを離脱することになった。アメリカはカリフォルニアがアメリカから独立したいといっているそうだ。カリフォルニアがいっているというのは、カリフォルニアで独立に賛成をする人が増えているということである。しかし、アメリカ合衆国の一つの州であるカリフォルニアは独立することがはたしてできるのであろうか。

アメリカの学校では朝、胸に手を当てて米国の国旗に向かって忠誠を誓うということがされている。アメリカの一体化の象徴がアメリカの国旗である。アメリカの国旗は白と赤のストライプ以外に星がついている。この星が現在51個ある。この星はアメリカを構成している州を表している。独立当初の東部13州の時代から、ハワイを含む51州にアメリカは成長してきたのだ。もともとアメリカはイギリスの植民地から独立してできた国である。イギリスから独立して国ができたのであるから、その国の基本的な思想の中に州が独立するということ、つまり、アメリカ合衆国を裏切って独立するという可能性も考えてアメリカの法体系はできていると考えられる。
独立のためには合衆国の憲法を変えなければならない。そのために必要条件を満たすことは大変なことで、自由に発言が許される国家であるので、誰が独立を叫んでもアメリカの連邦政府はしばらくは無視をするかもしれないが、実態はそんなものではないのではないだろうか。

それは電話番号のシステムを見ただけでわかる。日本は電話で0を回すと市外通話になる。001を押すと国際通話になる。しかしアメリカは0押すと交換手がでてくる。この違いは日本が島国であって、島国の一部が島国の中で独立をするという発想がない国家だから、0を押すと市外通話になったのではないかと私は考えている。

ところが電話を発明したアメリカは違っている。電話システムは0を回すと交換台につながり、交換手は電話交換以外に電話を盗聴していることが仕事ではないかと言われてきた。つまり電話を使ってよからぬ話をしている輩を見つけ出すというのが交換手の仕事でもあった。いわばイギリスを裏切って独立をした国だから、自分たちを裏切るものが出てくるということがはじめから想定されているのである。それに比べて交換手を減らして減らして市外通話の自動化を開発し続けた日本は、とんでもなくおめでたく平和な国ではないか。

一見自由に見えるアメリカにおいて、州の独立を企む人がどのような目にあうのかは、間違いなく重大な犯罪として処分されるに違いないと私はみている。トランプの最初の2年間はこの独立問題にかかりっきりにならざるをえないのではないか。それでも知恵者がいて独立が成し遂げられるのであれば、トランプはアメリカの今までの歴史に最大の黒丸を残すことになるのではないか。アメリカの敵は、アメリカの外ではなくアメリカの中にいたことになる。その対策にアメリカ政府がエネルギーを取られている間にアメリカが今まで仮想敵国と考えてきた国が自由に動き出すことが心配される。ロシアと中国とイスラムである。

#86 米国の仕掛けるお仕置きの手口

2016-10-03

アメリカに逆らえば殺される、人も国も。以前のつぶやきで書いたが、ドイツが中国と仲良くしすぎたことのペナルティとしてフォルクスワーゲンがたたかれたのはみなさん周知のことであろう。ドイツに対するアメリカのお仕置きはフォルクスワーゲンだけではなかった。アメリカは相当怒っているのではないか。ドイツ中央銀行の問題をアメリカは叩いている。選挙があるのでドイツの政治家は誰もドイツ中央銀行を助けるとは断言できない。事態はもっともっと悪くなっていくであろう。こうなるとドイツが仲良くしている中国にも影響がでるのは時間の問題である。ドイツ中央銀行になにかあればそれがきっかけで中国経済が縮小に向かうことは十分ありうる。

IMFのSDRに中国の人民元が採用されて、ドルに続く大2の世界通貨に中国の人民元はなった。ユーロや円やポンドを一気に飛び越えてである。SDRに選ばれるために中国はこれからもとんでもない量の情報を開示しなければなる。 中国が本当のことを公表すると間違いなく中国の経済はパニックに陥る。中国がこれまで公表してきた事実はみんなウソであるとわかるからである。これが中国に対するアメリカのお仕置きである。

はるか昔日本はアメリカの経済を抜いて世界一を狙っているとアメリカに思われてしまった。「ジャパンワズナンバーワン」という本が出たりして調子に乗った日本の政治家や財界人が好き勝手なことを発言したものだった。そのうちこんなことを言っていたら必ずやられるとそのとき思ったものだ。案の定バブルははじけ、アメリカ資本に日本の業界はズタズタにされてしまって、今は「失われた20年間」といわれている。

ロシアもそうだ。石油の値段が高かったのでロシアは経済的に豊かであったがどうして石油の値段が安くなったのであろうか。それは石油の値段を安くすることによって石油輸出大国であるロシアにお仕置きをしようというアメリカの強い意思ではないかと当然予想される。そういう今の時期にロシアと平和条約を結び北方領土返還を考える安倍政権は大変に勇気ある政権だと言わざるをえない。安倍政権に対するお仕置きがこないことを祈るのみである。

アメリカにたてつく国に北朝鮮がある。ミサイルを作ってミサイル搭載可能な原子爆弾を作っていつでもやってやる、ということは国としての自殺行為に等しいのではないか。20世紀に国家が消滅した例はいくつもある。北朝鮮に対して大国どうしはどのようなにぎりをするのであろうか。マスコミが中国はアメリカが北朝鮮に対して奇襲攻撃をすることを容認したと報じた。アメリカが攻撃をしたあと北朝鮮を中共軍が侵入して支配する。そして朝鮮半島全部を国連軍という名前で一体化する、という話も十分考えられる。

今から30年前私はアメリカのマイクロソフトを辞め、インテルより速いプロセッサの開発と、マイクロソフトの互換性を持ったOSの開発をはじめた。 インテルからは山のような営業妨害を受け、恐ろしくなってアメリカの会社との競争を私はやめた。マイクロソフトとの競争をやめ、ビル・ゲイツと仲直りすることを選んだ。それからアメリカのソフトや半導体の教育をする仕事を選んだ。アメリカ製品を売るときに競争しないでアメリカ製品を売るときの教育をすることが、最終的に到達した究極の妥協策であったのだ。おかげでアメリカには競争相手よりも友人がたくさんでき、その交流は今でも続いている。だから私は親アメリカの日本人の一人であるとみられているとしてもおかしくないことである。

世界の歴史を見ていて大国の繁栄はほとんどは100年で終了している。ベネチア、スペイン・ポルトガル、オランダ、イギリス、しかしイギリスは蒸気機関を発明して産業革命を成し遂げ繁栄をさらに100年延長した。しかしアメリカには勝てず20世紀はアメリカの世紀になってしまった。21世紀はアメリカの世紀であり続けるのであろうか。21世紀はアメリカの世紀であり続けるのであろう。そしてアメリカの次の繁栄は、アメリカと敵対している中国のものになるのではなくて、アメリカの友好的な次の大国のものになるのであろう。それはおそらくインドである。私は日本が未来に向かって存在を続けて欲しいと思う国民として今の日本政府のアメリカ寄りの姿勢を強く支持する。

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