nishi.org 西和彦のコラム

デジタルグッズ

#167 Lマウントをライカとパナソニックとシグマが商品化

2018-11-28

先ごろライカとパナソニックとシグマがレンズとボディーの接合規格としてLマウントをやる、ということが明らかになった。ライカのレンズとシグマの垂直センサーが一体となったカメラが生まれることになる。ライカのレンズはすでに定評のある色収差の少ない優れたレンズで、シグマのセンサーはFOVEONといってRGBのセンサーが垂直に埋め込まれていて色の発色は誰の目でみても綺麗なものである。最高級のライカのレンズとFOV EONを使ったカメラとの組み合わせは写真の歴史に残るような映像を可能にしてくれるのではないか。

このカメラを作りたくて、むかし安原製作所に頼んでトラブルになり、ホームページに山ほど悪口をかかれた。その名誉毀損の裁判も、刑事裁判は安原が罪を認め有罪になり、損害賠償を求めた民事裁判ももうすぐ結論が出そうである。ライカとシグマのカメラが発売されてこの件は終わるような気がする。

Lマウントはライカとパナソニックとシグマの3社だけであるが、キヤノンやニコンやソニーはどうするのであろうか。ソニーはフルサイズ8Kのイメージセンサーを外販するそうだ。シグマがフルサイズのFOVEONセンサーを外販するかどうかが次の大きな転換点になるような気がする。キヤノンはセンサーを外販はしないだろう。ニコンは厳しい立場に追い込まれるだろう。リコーも。

#166 IoTの商品アイデアが求めらている

2018-11-28

先日IoTの大きな展示会があった。たくさんの展示が行われていたが新しいものは少なかった。今までの組み込みコンピューターの展示会の名前を、IoTに変えたようなもので、ガッカリした。

東京大学でIoT教育をどのようにしていくのか、ということを日々考えているが、単なる工学の知識や理学の知識をしっかり教えることだけでなく、アイデアを商品にする開発力を教えることが最優先の課題であるということを強く感じる。しかし、ブレーンストーミングの手法には限界があって、思いつきで商品を開発すると続かない。そこのところへの取り組みが大きなテーマになっている。

#140 次は8Kのドローンを作ってみる

2018-08-02

夏休みの工作に8Kのカメラを積んだドローンを作ることにした。ウェブサイトを探してもどこにも売っていないので。できたらこのコラムで報告する。完成したら8Kのコンテンツがなくて困っているという放送局に売り込みに行く。とりあえずカメラはREDの8Kで超広角を積むことにした。フィルターとってCMOSセンサーを裸にし、夜間撮影もできるようにする。墓地の上を飛んで人魂の映像をゲットしたい。

#121 ロボットの未来 - 人間の形をしたロボットの開発をやめるべき

2017-11-24

1975年から42年間ロボットの進化を見てきた。早稲田大学のロボットはWABOTといって、加藤一郎教授の研究室で開発されてきた。私はその研究室で加藤先生に「君はロボットを 制御するコンピューターをやりなさい」といわれ、ロボット研究室なのにコンピューターの世界にはいった。ハードディスクコントローラーをミニコンにつけたり、ロボットのコントローラーとしてのマイクロプロセッサーとかモーターにマイクロプロセッサーを埋め込んだインテリジェントモーターなどを作っていた。メカとしてのロボットと人間と日常の関係を持ったロボットの姿も考える対象であった。1997年にロボットの未来シンポジウムの実行委員として機械学会でロボットのあるべき姿について国際シンポジウムを企画した。

その時の結論として「人間の姿をしたロボットの開発はやめるべきだ」というのがあった。いわゆる「ターミネーター」である。ロボットが無限エネルギーを持ち、殺人をプログラムされたらどうなるだろうか。人間にはたとえ殺人鬼でも人の心はある。しかしロボットにはバランスのない殺人だけのプログラムが搭載されれば、そのロボットは永遠に殺人を続ける。人間からその一部を取り出したロボットは人間と同じ形にするべきではないのではないか。

ソフトバンクが「ペッパー」という対話型キオスクのロボットといって売っている。300億円の累積赤字を作ったそうだ。「あれはロボットではない」というひとも多い。そうしているうちにGoogle傘下のロボット開発会社も買ってしまった。金額が公表されていないところをみると、Googleはソフトバンクにただで譲ったのかもしれない。日本でデモの展示会が先日行われたという報道があった。ホンダのロボットを動作をよりリアルタイムにしたような感じの人間型ロボットが出ていた。犬のように四つ足で動くロボットもあった。この四つ足の上にペッパーの上半身を乗せれば「ペッパータウロス」という名前のロボットになるのであろうか。それはないだろう。

ファナックが作っているような人間の手を進化させたものや、医療手術ロボットのダヴィンチのような、単機能ロボットは確かに成功している。人の能力の外延を拡張する機械は電話であれテレビであれVRであれ成功してきた。人間の手を拡張する機械と、人工知能を積んだ自律型ヒューマノイドでは本質的にまったく異なる機械である。ソフトバンクが人工知能とロボットで未来を提案するというビジネススタンスに疑問を感じる。何百億も赤字が出てもビジョンファンドがあるから大丈夫なのだろうか。

#31 二子玉川の蔦屋家電に行ってきた

2015-06-26

二子玉川のバス停のとなりにある蔦屋家電にいってきた。インターネットでもたくさん報道されているので有名であるが、カルチュアコンビニエンスクラブが運営しているTSUTAYAの一番最高級の電子グッズ、生活グッズのセレクトショップである。台湾の台北にもそういう店があったが、蔦屋家電の場合はスケールが違う。チラッと見に行くつもりだったのに2時間半も店にいてしまった。アイデアと想像力に満ちたいろんなデジタルグッズや家電と書籍や音楽やビデオが陳列されて売られていた。展示品を買うことができるMoMA(ニューヨーク近代美術館)のようである。代官山の蔦屋書店ができたときにとても驚いたが増田宗昭社長のイマジネーションはここまで進化したというべきか。展示品を売っている美術館だ。東京で一番おしゃれな百貨店は日本橋の高島屋と三越、新宿の伊勢丹であるといわれている。そのそれぞれの百貨店に時々行くが私のような情報世代にとっての百貨店になるのだろうか。一部の人たちだけが支持するセレクトショップで終わってほしくない。丸善なども店内のレイアウトを再考されてはどうか。ITOYAが文房具や知的生産活動の書籍を文房具の横で売っているような感じであった。情報としての本とその本が指し示す実物が並んで売られているということに強烈なインパクトを受けた。

時を同じくしてヤマダ電機がリストラで11店舗閉鎖という報道がなされた。家電の安売りの世界は厳しいようだ。プレミアム家電を扱う蔦屋家電はビジネスとして大成功を収めるのであろうか。その鍵は店員にあると思う。山ほどの商品知識を持った博物館の学芸員のような店員が客の質問に丁寧にしっかり答えることができる売り場であれば、大成功するであろう。ヤマダ電機の店頭に行って何を聞いてもほとんど答えてくれない店員や違う会社のものを薦める店員をみたらその会社からの派遣社員だったりする。インターネット時代にアマゾンや楽天でクリックでモノを買うというサービスの対極にヒューマンサービスを売り物にした店員が対応する蔦屋家電はインターネット時代のクリックに対抗する究極のモルタルソリューションであるといえる。この業態はなくならないであろう。こういうトンがったプレミアムセレクトショップを発案することができる増田社長の生活スタイルに興味を持ってしまう。どんな生活をしているのか幻冬舎のGOETHEややんちゃジジイのMADUROが特集を組んでくれたらいいのに。

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