nishi.org 西和彦のコラム

通信・放送・インターネット

#147 月旅行を8Kで中継してほしい

2018-09-19

700億円かけてZOZO TOWNの前澤社長が月へ行くそうだ。さすがの孫さんもびっくりではないか。8人のゲストを招くという。世の中には100億円払っていいという人は10人くらいいるだろうから、9人700億はお買い得なのかもしれない。ところで9人でいかないで、8人にして、1人分の重さで8Kのカメラと送信機を積んでその放映権を世界中の放送局に売るのはどうだろうか。日本向けのオリンピックの放映権が660億円だそうだ。世界中の放映権はいくらなのだろうか。私はオリンピックの番組より月旅行の方が好きだ。放映権を売るだけで月旅行代はタダになるのではないか。たとえ10万円払っても、視聴したいと思うのは私だけではないだろう。スペースXと山分けしても世界中の人が2000億円くらいなら払うだろう。

今回のスペースXの旅行で一番得するのは、お金を出した前澤氏本人であろう。のこりの8人は超有名な怖いもの知らずのアーティストになるそうだが、この人たちと同じレベルまで前澤氏の名声は上がることになる。お金では買えない名声をお金で買うことができるのだ。美術コレクターとして8人の世界的アーティストと命をかけた親友の契りを結ぶことができればこんなに素晴らしいことはない。

孫さんに続いて日本が世界に誇ることができる起業家が出現したことを喜びたい。8Kで宇宙中継をしてもらってそのおすそ分けを拝ましてもらいたいと思うのは私だけではないだろう。

#138 IoTとAI

2018-08-02

IoTの研究をやっているが、IoTはクラウドとインターコネクトとIoTクライアントに分かれる。IoTクライアントは、センサーやアクチュエーターを含んだIoT機器のことであるが、これはIoTとしては大変わかりやすい。インターコネクトはIoT機器とインターネットをつなぐ無線通信のインフラのことで私の研究室は主にWiFiとLORAとVLFを中心に開発している。クラウドについてはサーバ群のスケーラビリティを中心に取り組んでいるが、どうしてもAIを避けて通れない時代になってきた。だからIoT時代のクラウドにふさわしい人工知能のプロジェクトをはじめることにした。私がMITで客員教授をしていたとき、担当の教授はマービン・ミンスキー先生で、この方は人工知能の父と呼ばれた人で、一連の人工知能の枠組みを考え出した発明者である。どこかで一度詳しく書かなければならないと思っているが、ミンスキー先生に教えてもらったことを今回のAIクラウドで是非実現したい。

#135 最近のニュースショー

2018-07-11

病院に入院することがあって一週間以上毎日朝から晩までテレビを見続けた。大阪の地震と関西の大雨の番組編成を事実がおこった瞬間から数日間に渡って、べったりみた。あと、アメリカと北朝鮮のトップ会談もみた。

感想はこれらの番組は報道番組というよりも、エンターテインメント教育番組であるということだ。我々が昔から公共の報道に対して持ってきた何が大切なニュースなのかというアジェンダ機能や、正確公平な報道はもはやないと言ってもいいのではないか。また、それぞれの番組に出演しているコメンテーターのバラエティーの広さはもはや専門家としての発言というより、2ちゃんねるの書き込みおじさん・おばさんの類のようなものなのではないかと思った。テレビに出演して専門を語るということは一昔前は名誉なことであったが、現在では自分はピエロになるという悲壮な決意をしないととても出演できるようなものではないと思った。

他人の不幸、他国の不幸、他社の不幸を報道することがそうでない人にとっての興味を満たすことなのだろうか。もっと冷静にものごとの本質を伝えることができないのであろうか。情報という言葉がある。この言葉は主観的な「情」という部分と客観的な「報」という部分から成り立っている。しかし、多くの報道はほとんどが「情」になってしまっている。政治家は好き嫌いで発言をし、勝ったスポーツマンはヒーローになり、行動に問題のある芸人は血祭りに挙げられる。すべてがエンターテインメントになっていて、休憩の間にそれをサポートしている企業の広告が入る。広告が嫌いだから公共放送にチャンネルを替えると眠くなるような真面目なコンテンツしか流れていない。避難する必要のない人に向かってまで避難しろと絶叫を繰り返すのは、どうしてなのだろうかと番組をみていた。

#116 マスメディアの正体を考える

2017-10-02

総理大臣が出演したニュースショーで、番組の演出が司会者に「モリカケ」に誘導と指示をした映像がインターネットに出回っている。私は放送で観ていて、久しぶりにソファーから転げ落ちた。蓮舫がスパコンにケチをつけたとき以来である。いったいどうなっているのか。

10年以上も前に大新聞の本社のレストランで大新聞の編集担当の役付役員から聞いた話。「うちは東京大学法学部政治学科の上位の学生を必ず採る。やがて同級生は高級官僚になり日本の政策を考える。そんな奴に大学時代にノートを貸してやり、そんな奴より勉強ができれば、そんな奴が作った政策に『大したことない』と堂々と文句がつけれるわけである。 」 私はそれを聞いてすごいなぁと感動したものだ。しかし、最近ではその大新聞に東大生はもはや就職しないみたいだ。しかし、編集局のなかには依然として東大法学部がうじゃうじゃ。そういう人たちにとっては、私立大学出身の総理大臣は侮蔑の対象なのであろう。どこの大学を出ていようとも、たとえ小学校卒業でも一国の総理大臣である。尊敬をし尊重しなければならないのではないか。総選挙のときに池上彰や富川悠太や安藤優子や木村太郎などは、総理に失礼なことを言うことが正義だ、ジャーナリストに許された特権だと思っているようだ。同じことを北朝鮮で言ったらその場で射殺になるのに、この国は平和な国で総理大臣は淡々と答えるだけであった。橋下徹のように失礼なものには「失礼だ」と言えばいいのに。

失礼な発言をし、売られた喧嘩を買って言い返すと「祭り」がはじまる。インターネットなどではアクセスがうなぎのぼりに上昇する。テレビでも放送事故と呼ばれて録画が出回る。ジャーナリストの大義を掲げて実はアクセスをあげるための方策を実行しているにすぎない。インターネットの時代になって誰もがなんでも発信できる時代になって、ブログやツィッターが全盛である。強烈な伝播力を持ったインターネットに対して、テレビはどんどん下品になっていく。そうするしか視聴率を維持できないのだ。ニュース番組はニュースショーになり、エンターテイメントになった。読み上げるだけのアナウンサーはもはや人気がない。久米宏や古舘伊知郎が先駆けである。ビートたけしはすべての意見を茶化して言うことでそのキツさを誤魔化している。あらゆることにコメントをするコメンテーターという仕事もできてしまった。新聞は縮刷版で記録が残るので滅多なことは言えないが、テレビは基本的に消え去るのみである。録画している人はそれでも少ない。だから何を言ってもいいのだ。BPO(放送倫理・番組向上機構)は活動しているが、何の強制力もない。言論の自由に守られているのだ。名誉毀損は公益の優先には負ける。

ニュースショーなどに招待されて発言するのがコメンテーターである。政治専門、経済専門、ゴシップ専門、報道専門、法律専門、野球専門、なんでも専門など、様々な分野の人が活躍中である。常連になって威張っている人が増えてきた。あまり酷いことや広告主に逆らうような発言をするとすぐクビになる。クビになったら、そのあとはインターネットで吠えるしかない。でも、よっぽど下品なことを発言しないと注目されないので、どんどん下品になっていく。このコメンテーターという職業がこれからもっともっと伸び、ただのコメントだけでなく世論を牽引していくような人物が登場するのではないか。

この度の衆議院議員選挙は新聞とテレビの祭り度合いが注目されるであろう。開票時の特別番組を誰がキャスターで仕切るのかが楽しみである。池上と木村と安藤と富川が上目線で仕切るのか。選挙運動中にテレビがどのように選挙誘導を行うのかも注目したい。放送法に定める政治的中立はどうなったのであろうか。偏向はインターネット上に永遠に残る。

#112 インターネットにより生まれる新しい職業の予感

2017-09-05

最近の新聞記者は報道よりも自分の意見を書くことのほうが多いような気がする。総理官邸の記者会見で官房長官の発言にいちいち持論を述べて対抗する記者がいる。昔は記者会見で新聞記者は一生懸命発言内容をメモをとっていたような気がする。佐藤栄作総理が退任のときに新聞記者の諸君は出て行ってくれ、と発言したときのことをはっきり覚えている。子ども心に佐藤さんは頭にくることがたくさんあったのだろうと忖度した。総理はテレビは残ってくれたらいいと言われた。今現代であればテレビも出て行けと必ず言われるのであろう。

新聞やテレビが変わってきた。その原因はインターネットにある。誰でも自由に匿名で発言できる時代になってしまった。Jアラートが鳴れば「バカヤロー」とツイートがなされ、皆がそのとおりだと思う。スマホからチョチョイノチョイで自説をもっともらしく発表することができるのだ。私も今やっている。そういうのをみて一番忌々しく思っているのが報道関係者なのではないか。正確に報道しているだけではつまらない。自分の意見を言わなければやってられない、というわけだ。思い込みの素人と思い上がった玄人が大騒ぎをしている。ホリエモンがロケットを大好きなようにぼくもロケットや飛行機マニアでいささかの知識があるつもりだ。その立場から最近の北朝鮮のミサイル報道をみていてひどいと思っている。なんで素人の解説者がスケッチなども描いちゃってICBMの説明ができるのか。自衛隊を退職した将官がしたり顔で専門的な話をしていいのか。軍事機密ではありませんか。法学部をでた元外交官が戦争の仕方を論じていいのか。外交機密ではありませんか。在任中の秘密は退職後も話してはいけないのではありませんか。

田舎で野菜を作っているおばはんがなんでミサイルの話ができるのか。農学部出身のやつが北朝鮮の軍事作戦を論じることができるのか。さっぱりわからないが次のような結論に達した。

今まで評論家といわれたり、ジャーナリストといわれたり、元官僚や元企業役員が、テレビにコメンテーターという名で発言している。自称評論家や自称学者が、インターネットで発言している。テレビのニュースではなくて、ニュース番組の形式はほぼ確立しつつある。左側に司会の人。その脇に美人のアナウンサー。真ん中には電子黒板。右手に二人から五人くらいのコメンテーター。これで永遠に番組が続く。こういう番組を各局が同じ下請けプロダクションに頼むから台本はほとんど共通である。

このコメンテーターやネットブロガーなどのひとたちをひとまとめにした職業としての名前が必要なのではないか。コメンテーターよりも内容があり、評論家よりも積極的で、国民に対して時代のアジェンダ機能を持つ人たちのことである。アジェンダとは「今、なぜこのことを議論しなければならないのか」という問題抽出のことである。新聞やテレビ、週刊誌や月刊誌やインターネットで有名無名を問わず積極的に発言しているひとのリストを作っているところだ。いい名前が思いつけばそれとともに公開してもよいと思っている。

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