nishi.org 西和彦のコラム

教育

#405 芸術系の大学は東京であることが望ましい

2020-08-04

全寮制の工科大学を小田原で作ることになった。以前勤めていたのは音楽大学である。そのメンバーとともに芸術大学も作ろうということになって、場所をどうするべきか議論した。結論は都内の電車の駅から近いところでなければならない、ということになった。実現の可能性はとても厳しいが、諦めずに努力していきたい。

#376 次の中学高校は

2020-06-16

神戸の須磨学園でこの20年間共学の中高一貫進学校を作ってきた。かなりの進学実績も出て、さらに2つ目の中学高校をはじめるなど新しい展開もはじめた。

次はなにか。天才少年少女を対象にした能力開発の中学高校とインターネットを使った通信制の高等学校を考えたいと思っている。これを須磨学園の100周年記念事業にしたい。

#374 オンライン教育を考える

2020-06-11

須磨学園でオンライン教育を推進している(https://www.suma.ac.jp)。最初は100パーセントオンラインにしていたが、緊急事態が解除されるにつけて出席日を週一日、週二日、週三日、週四日と、増やしていくことにした。最終的には週四日学校、週一日オンラインで8月末までやってみることにした。オンラインを週一日残すのはせっかく慣れたオンライン教育の習熟を維持したいからである。それによって今後のコロナがどうなっても弾力的に対応できるようにしていきたい。

#370 オンライン授業を約2ヶ月やった感想

2020-05-26

学園長をしている須磨学園でコロナのため4月の入学式から今週も含めてずーっとオンライン授業をやってきた。その結果と感想やアンケートについてはちゃんとまとめて発表しなければならないと思っているが、取り合えずクイックな感想をのべたいと思う。

インターネットの授業はたいへん便利だ。一番のメリットは通学時間が節約できるといったところか。一番のデメリットは未完成な機械による肉体の疲労がかなりある、ということだ。またパソコンのスクリーンに対する異常な集中とカメラでいつも監視されているという心理的な不安も大きい。これらを上手に取り除いて使い易いオンライン授業システムを実践していきたい。教育の未来は学校の対面授業とオンライン授業のハイブリッドになるのではないだろうか。

#369 大学は9月始まりに、小中高は4月のままで

2020-05-26

コロナのせいで2ヶ月間授業ができなかった。大学は前期は全部オンラインである。キャンバスにも立ち入り禁止である。究極の自己責任。今週から小中高は登校が開始された。2ヶ月の遅れなんて来年の4月までに夏休みや冬休みや春休みを削って取り返せというお上のご意向を強く感じる。しかし大学4年間の世界は違ったようになるのではないか。4月だけでなく9月入学もありになって、大学に進学する生徒は全員6ヶ月の自由時間がモテるようになるのがよいのではないか。浪人みたいなものだ。浪人時代は辛かったけれど意味があったと思う。4月か9月かという議論が高まっているなかで、両方を考えた案になればいいのにと思う。

#356 明浄学院問題

2020-02-13

大阪地検特捜部は21億円に関して逮捕者を6人出したが、暗号通貨の1億円に関しては不起訴とするということにしたと発表した。証拠が集まらなかったということらしい。残念である。それに加えてあらたに理事長の就任を含む経営権の譲渡で3億円のお金が個人に支払われているみたいだ。この件はどうなるのかが、注目される。新聞各社がほっておくはずがないのに。

#340 須磨学園夙川中学校の入試倍率について

2020-01-29

新規開校二回目の入学試験があった。口コミの評判がよくて、80名の募集に対して900人以上が受験し、去年の偏差値は50であったが今年の偏差値は58になった。ありがたいことである。一生懸命運営にあたっていきたい。

#339 孫さんの東大への200億円

2020-01-29

全学に孫さんのファンドに応募するならちゃんと提案を出すように、という御触れがきた。とりあえず応募したが、先は険しいような気がする。

#334 情報系大学の未来を考える

2020-01-18

一昔前日本のコンピューター研究の中心は東京大学と京都大学であったような気がする。また日本の電気通信の研究の中心は早稲田大学と電気通信大学であったような気がする。もちろんNTTや日電、富士通、日立などの企業も研究開発にしのぎを削っていた。

インターネットの時代になって、慶應大学がインターネットで伸びてきたことを疑う人は誰もいない。インターネットの次にIoTとAIと自動運転の時代になったときに伸びるのはどの大学であろうか。大学の姿勢とそれぞれの研究者の元気度を調べて予測してみたい。

同時に必要なことは大学と企業との連携であろう。ソフトバンクが東京大学に200億円10年間で出すということは大きなインパクトになるだろう。京大や早稲田や慶應がどの企業と組むのか興味深い。

#333 村井純教授慶應大学退任

2020-01-18

慶應大学は65歳が定年のようで、インターネットの第一人者である村井純教授は慶應大学を退任されるようだ。東京大学の坂村健教授は65歳で東洋大学の学部長になられた。村井教授はすでに学部長なので、次は学長しかない。大手理工系大学の学長になられるのであろうか。慶應の常務理事、学部長を経験した著名人が学長になるとしたら、その大学の名前は限られてくる。村井教授の一族は教育者が多いそうで、今からベンチャービジネスや大企業に就職というのはなさそうだ。

#314 5万円のパソコンを教育に

2019-12-13

補正予算で全国の小5〜中学生に、パソコンを配るという話になっている。予算は一人5万円だそうだ。5万円のMacはないので、5万円のWindowsになるのだろうか。500万台くらいの数になるだろう。たいへんなことだ。この話は単にパソコンを配るということではなくパソコンを使った情報の授業を小学5年生〜中学3年生までするということになるので、そういう取り組みが求められる。いきなり500万台配るのか、5年をかけて100万台ずつ配るのかも含めて考えなくてはならない。

#312 ソフトバンクが200億円を東京大学に拠出

2019-12-13

夜中に胸騒ぎがしてブラウザを開けてみると、ソフトバンクが10年間で200億円を東大に出して人工知能の研究所を作るという発表があった。あと2年で僕は定年なので関係ないことではあるが、150人の研究者を集めて人工知能と人工知能の次の研究をするということだ。実用化の研究はソフトバンクの中に研究所を設けて、東大の研究成果をもとに、あわよくば一儲けという構図らしい。東大がこのお金によってアメリカ中国につぐ人工知能研究の拠点として発展してくれたらこんなに嬉しいことはない。でも、150人の人工知能研究者をどうやって集めるのだろうか。10年という期限限定の教員なのか、期限限定の研究者なのか。大学院生も修士博士を大量に採用するのかによって研究の枠組みが決まってくるだろう。そこのところが興味深い。200億を150人、10年でわると1,333万円になる。年間予算がこれだけでどんな研究をするのだろうか。

ちなみに僕のIoTメディアラボラトリーは、ビル・ゲイツやその他の会社からの寄附金で15人規模でやっているが、経費の3分の2は研究資材の購入費である。人工知能の研究はパソコンだけでできるかもしれないが、ハードウェアの開発をはじめてしまうとたいへんである。

#212 3年目のIoTメディアラボ

2019-03-19

はやいものでIoTメディアラボをはじめて2年になろうとしている。来たる4月になると3年目になる。あっという間に時間は過ぎるみたいだ。

先週の週末に関係者が集まって年次報告会を開催した。1年目とは違って、メンバーの数も15人になり、2年目ははるかに内容が濃いものであった。また来年はもっとオープンに成果を発表することにしたいと考えている。

#203 大学と企業の軍事研究

2019-02-26

最近の流れは大学における軍事研究を禁止しようというものが多い。私はしょうがないと思うが、マイクロソフトがデジタルゴーグルを10万台以上米軍に売るという発表をした。このゴーグルは軍備になった。それながらそのゴーグルを使った研究は軍事研究になるのだろうか。マイクロソフトの社員が社長に軍事研究反対という手紙を送ったそうだ。

これから民間企業において軍事研究の是非が問われることになる。私は大学は無理でも民間企業では経営者の主体性において軍事研究は許されてもいいと思う。と同時に禁止されるべき事項についての制度的な整備も必要となるのではないか。

#169 中学校高校の「情報」教育を考える

2018-12-11

学校で年末の片付けをしているとむかしの情報の教科書が出てきて、読んでいると笑ってしまった。誰が作ったかは書いてなかったが、ひどい。ますます世の中はインターネットの時代になっていくのだから、コンピューターとインターネットをドッキングしたような科目としての「情報」が必要なのではないかと思う。同時に新聞や本を読まない生徒が増えている。まともに手紙が書けない生徒も増えている。これもなんとかする必要がある。スマホ、パソコン、デジタルテレビなどのデジタルメディアの活用の常識と古い紙メディアも含めた意味でのメディアリテラシーを教えるのがこれからの「情報」教育ではないだろうか。

#145 大学をつくりたい

2018-08-28

むかし大学を作ろうということで募金活動をしていたことがある。秋葉未来大学という名前だった。リーマンショックで日本全部が不景気になって計画は頓挫していたが、65の定年を目指してやはり大学をつくりたいと再び決心をした。

一年生、二年生は全寮制にして、工学の基礎と英語をたっぷり叩き込むことにする。キャンパスは地方の使われなくなった学校の校舎を安く払い下げてもらう。全寮制なので場所は比較的自由に選ぶことができるだろう。

三年生は全員がアメリカ、ヨーロッパ、中国、インド、ロシアに短期留学をする。二年生の秋から三年生の冬までで日本に帰ってくることにしたい。四年生になれば就職活動が待っているが、それが一段落すれば東京の秋葉原に研究室を確保して、下町で下宿しながら卒業論文を究極のPBL(プロジェクト ベースド ラーニング)として完成させる。

さらに優秀な者には大学院修士博士を用意することにしたい。やはり何と言っても日本の復権のためのエレクトロニクスとソフトウェアを大学でしっかり教えていきたいとあらためて決意した。

#102 IoTメディアラボの課題

2017-04-25

4月1日から東京大学でIoTメディアラボという研究組織を運営している。活動の具体的なテーマがみえてきたのでご紹介したい。

まず、

IoTのプロジェクトベースドラーニングコース(大学院向け)
1. IoTシステムの設計と試作。
2. IoT向けのクラウドシステムの設計とプログラミング
3. 3Dプリンタを使ったプロダクトデザイン
4. プリント基板の設計と部品の実装

を半年かけて行う。10月に成果発表の予定。

つぎに企業スポンサーによる研究プロジェクトをIoT・メディア関係で展開していく。

#97 東京大学大学院 IoTメディアラボの開設

2017-03-31

この4月から東京大学でIoTとデジタルメディアの研究と教育をすることになった。

IoTについてはメディカル分野、教育分野、セキュリティ分野、環境モニタリングを中心に応用開発を行なっていきたいと考えている。大学の学部の学生と大学院の学生を対象としたプロジェクト学習(PBL)のコースを開講する予定である。

メディア研究の分野では16Kのビデオカメラシステム、16Kのディスプレイシステム、ハイレゾオーディオシステムなど、デジタルメディアを中心に開発を産業スポンサーをお願いして共同研究をすすめていきたい。

東京大学工学部機械工学科は歴史ある学科で大学生になりたてのとき、渡辺茂先生にコンピュータについて色々とご指導を受け、博士論文作成時には大橋秀雄先生にご指導を受け、20年以上続けて産業総論の講義を中尾政之先生にお世話になっている。また、西のエンジニアとしてのスタートは早稲田大学理工学部の機械工学科で ある。その意味で機械工学科、機械工学専攻でIoTを研究できるということになにか不思議な縁を感じている。

任期は65歳までの5年間あって、これまでの16年間は音楽系の大学でメディアとビジネスを教えていたので方向性をエンジニアリングに戻して今までの未完成のプロジェクトを世の中の役に立つ研究として完成させていきたい。

#88 大学と専門学校のこれから

2016-10-18

大学が受難の時代だといわれている。学生の人数がどんどん減ってきて下位の大学ほど定員割れを起こすほどになってしまった。上位の大学も困っている感じがする。例えば文系。2年間教養教育を受けた後、専門教育はたった1年で就職試験を受ける。たった1年の専門教育で学べることはたかが知れている。3年生の終わりか4年生のはじめに就職活動をして内定をもらうともはや勉強をしなくなる。そして就職をする。こういう仕組みだから大学卒業生の国際競争力はどんどん弱くなっていく。理系はそんなことに対して違う対策を立てている。それはほとんどの学生が大学院に進学することである。3年生と4年生と修士1年2年、4年間たっぷり勉強してもらおうということだ。だから理科系の大学院の卒業生は評判がいい。

もうすぐ専門学校が全部大学になる。先日改造された専門職大学院に続いて専門職大学である。看板を書き換えても専門学校が変わるのであろうか。かわるという人と変わらないという人が分かれている。しかし、専門学校を含めて大きな大学の序列の中に組み込まれていくのであろう。私の考えるその序列と博士までいく9年教育と修士まで行く6年教育と、学士で終わる4年教育に分かれるのではないかと考えている。理系のほとんどが6年教育になり、大学院の修士過程は主に研究する人を対象に6年かける修士過程は専門性を高める教育となり、4年かける教育は教養教育と呼ばれるようになるのであろう。卒業後の進路によって9年6年4年の選択をするようになるのであろう。

現在の大学のビジネスがほとんどが授業料と呼ばれる学納金経営が主である。早稲田も慶應もそんなところだ。ところが米国の大学は、高い学納金に加えてかなりの部分が企業から支払われる研究協力金が収入になっている。9年教育の博士課程や6年教育の修士課程においてはこれからは在籍の学生の人数を増やし、収入は学納金から研究協力金に切り替えていく必要があるのではないか。

そもそも大学のお客は誰で、大学の商品はなんなのであろうか。そんなことを聞くと誰もが大学のお客は高校3年生の保護者であり、大学の商品は教授が行う授業である、と考える。それはそうだが社会という立場で考えると大学の商品は高度な教育を施された卒業生なのではないかということができる。また大学の顧客は学生の保護者ではなく、卒業生の雇用する企業であると言える。大学は人材育成の組織なのである。そうすると顧客の意向を一番正確に大学に伝えるためにはどうすればよいか。それは大学が企業からお金をもらうことによって成立する。企業と大学の関係において、大学教育の骨組みを規定するということが大切だということになる。しかし、この話は企業がスポンサーになっている企業立の大学が人材を排出しているのかというとそうでもないようだ。この仕組みは企業が東大や京大や阪大に研究スポンサーとして資金を出すようになってはじめて成り立つのではないか。巨大大手私立大学が学納金経営でこのまま進んでいくと大きなトラブルは時間の問題でやってくるのではないか。

nishi.org

〒110-0005 東京都台東区上野7-11-6 上野中央ビル 2F
phone:03-5827-4115 / fax:03-5827-4116 / e-mail:info@nishi.org