nishi.org 西和彦のコラム

オーディオとビデオ

#91 4Kが50インチで6万円になった

2016-11-29

はるか昔、4Kテレビは安くなるという記事を書いたことがあったが、その予想が実現した。しかし実現しなかったことがある。それはソニーのPlayStation4の改良版に4Kの光ディスクが搭載されていないという残酷な事実である。Blu-rayのディスクドライブは乗っているのに、4KのUltra HDのディスクは読めないのである。amazonでソニー製の4Kディスクを買い、PlayStation4Proも買って自分のパソコンにつないでいるフィリップスの4Kモニタをつないでみようとしたら、4KディスクをPlayStation4はさっぱり読まない。おかしいおかしいと言っていたら会社の人が、PlayStation4Proは、4Kディスクをサポートしていませんよ、と親切に教えてくれた。PlayStation2がDVDをサポートし、PlayStation3がBlu-rayをサポートしていたいので、PlayStation4の改良版は当然4K光ディスクをサポートすると思っていた馬鹿な私。PlayStation4のウェブブラウザから、Xbox One Sを買った。ほどなくしてXbox One Sがきた。にこにこしながら、4Kのモニタにつないだ。すると4KのモニタはCPMが2.2と4K 60Pをサポートしていなくて、ダメだといわれた。そして今度は、XBoxのブラウザでamazonをアクセスして、DMMの50インチの4Kモニタを買った。買ったのが午後3時ぐらいで、DMMは午後6時に出荷して、次の日の朝8時に配達がはじまって午前10時に4Kモニタが届いた。5000円の4Kディスク、5万円のXBox One S、6万円の4Kディスプレイが私の目の前にある。わずが10万円程度の金額でこんなマシンとディスプレイができるなんて。この2016年の12月は私にとって大きな感動と衝撃の日になった。

ソニーのPlayStation4は大成功していると言われているが、ほとんどのユーザーが期待している4Kディスクを読むという機能はソフトウェアのアップグレードで実現するものなのであろうか。私はそうなって欲しいと思っている。その答えはおそらく来年出るのではないか。

4KのUltra HD Blu-rayディスクを見ていてプレーヤーがないときに、4Kディスクはどこにもかけることができなかった。4Kディスクは大変素晴らしいコンテンツを含んでいるというのにそれがよめないという大きなフラストレーションを感じた。もしこの4KディスクにDVDが読めるようになったら、もしくは、4KディスクのパッケージにDVDディスクが同梱されていたら良いのにと思うようになった。DVDと4Kディスクのハイブリッドディスクはできないのであろうか、真剣に検討してみようと思った。

#90 ディスプレイの未来

2016-11-02

パナソニック プラズマディスプレイが解散するそうだ。5000億円の赤字を出したそうだ。今から20数年前にパイオニアのプラズマディスプレイ1号機を200万円弱で買ったことが昨日のように思い出される。プラズマディスプレイが液晶に負けたのだ。パナソニックは会社全体が大きなサイズだからプラズマの失敗でもビクともしなかった。

液晶の失敗で会社が危機に陥ったのはシャープである。シャープも数千億という金額で台湾の会社に買われてしまった。赤字の幅は減っているというが液晶一本槍の会社の行く末を見極めなければならない。

液晶の次はOLEDである。OLEDは現在LG電子だけが作っている。LGのOLEDの構造は極めてシンプルである。白色のLEDの前にRGBのカラーフィルターがのっていて、RGBのカラーフィルターに対応する白色のLEDをオンオフすることで色を作っている。この方式は液晶と似ている。だからこの方式は長くは続かないと考える人は多いのでないか。RGB独立したLED素子をディスプレイの基板上に配置し、アクティブマトリクス方式で点灯する方式が本命になるであろう。この方式はおそらくLG電子だけでなく10社ぐらいの会社が参入して液晶テレビに続くOLEDのテレビの大競争が繰り広げられるであろう。50インチや60インチや70インチの巨大なマスクを用意して、ガラス基板の上にRGBのLEDをそれぞれ作ることはおそらく困難を極める。携帯電話やソニーが作った小さなテレビはそれでも良かったが、大型を作る方法としてはインクジェックプリンターでインクをLEDの化合物にしてRGB分別々に噴射してガラス基板の上に作っていく方法しかないのであろう。この方法で特許でがんじがらめになった競争を韓国と日本のメーカーでやるのであろうが、特許なんて無視し放題の中国のメーカーが半値ぐらいの値段で参入すれば少なくとも中国の市場はこのメーカーが独占するのではないだろうか。特許を問題する会社は特許を持っているこの会社から買えばいい。そういう意味でOLEDのビジネスは中国の安価なメーカーと特許をを抑えているメーカーとのコラボレーションが勝ちのシナリオではないか。

私は研究としてこの中国製のOLEDを買ってきていろいろな付加回路をつけて色の正確さやダイナミックレンジを拡げるようなチューンアップを施したOLEDの研究開発を進めてみようかと思う。

#60 PS4Kが出る!

2016-04-26

PlayStation4を改良したPS4.5とかPS4Kといわれる、4Kビデオディスクプレーヤーが出るそうだ。CPUがはやくなり、ビデオプロセッサーもはやくなり、4Kの映像のためにすべてが改良されたもののようだ。私はこの機械が出ると思ったので、PlayStation1も2も3も買ったがPlayStation4は買わなかった。しかし私はソニーにお願いをしたいことがある。今のPlayStation4で4Kディスクがたとえ2Kの映像であっても見れるソフトが欲しい。4Kのディスクをいれれば、4Kのデータを読み込んで表示は2Kであったとしてもアップグレードしないで見ることができたらいいのだが、そしてそのソフトをタダでPlayStation4のアップデートとして配布してほしいのである。ひょっとしたら、ソニーのソフトウェアエンジニアがそのソフトをチューンナップすれば4Kのソフトが見ることができるかもしれないと、勝手な期待をしている。

#59 次の時代を作ったオーディオの価値観の変遷

2016-04-26

オーディオの研究と開発と約10年くらいやってきた。パワーアンプを作って、スピーカーを作って、DAコンバータを作って、プリアンプを作って、CDトランスポートを作った。オーディオコンポーネントをほぼ全種類開発したことになる。そこまでやってはじめてわかったことは、今オーディオに求められているものはハイビットではなく、ハイビットの技術を使っていかにCDの音をよくするかということではないか。

話は変わるがここでオーディオの価値観の変遷について考えてみたいと思う。オーディオの最初はラジオ放送である。中波や短波を使ったモノラルの放送、ラジオ局を2局つかったステレオ放送がNHKによってされていたことを思いだす。

次のブレークスルーはFM波を使ったステレオ放送である。音楽の番組が増えステレオは周波数変調なので雑音も少なかった。

FMステレオ放送の音楽を録音するための最も簡単な方法はラジカセによって実現された。FMのステレオ放送をカセットテープにワンボタンで録音できるようになったのだ。ラジカセの中にはタイマーで自動的に録音できる機種もあった。この機械によって音楽が録音されたカセットテープがどんどん増えた。
この音楽が録音されたカセットテープをどこでも聞くことを可能にしたのが、ヘッドホンステレオである。ソニーはウォークマンという名前で発売した。爆発的に売れた。磁気テープの記録の常として録音ノイズが必ず伴った。この録音ノイズを少なくするためにアメリカのドルビー研究所という会社がノイズ低減法を発明した。ドルビーによっていやなノイズを聞かずに済んだ人は多い。

このノイズを究極にゼロにしたのがデジタルオーディオである。ソニーとフィリップスがコンパクトディスクを発明した。コンパクトディスクはオーディオの世界を完全に塗り替えてしまった。デジタルになることによって失われたものもたくさんある。2万2000ヘルツ以上の音が入っていない。理論的には1ヘルツからの音がはいっているはずなのだが、使っている半導体の制約から20ヘルツ以下の音は再生されない。しかしその失われたものを取り戻そうとする努力が現在のオーディオ業界の力点になっているのは皮肉なものだ。

CDをコピーしてもう一つのCDを作るためのレコーダブルCDが次に発明された。このCD-Rはパソコンの周辺機器としてどんどんと広まっていった。

そのパソコンの音楽データをごっそりヘッドホンステレオのように持ち出したのがiPodである。そのiPodにインターネットの接続機能をつけたのがiPhoneである。iPhoneは基本的に音楽をダウンロードしてiPhoneの中に蓄積して再生するものであった。

ここにきてiPhoneとiPhoneの上におけるiTuneが変わりつつある。それは音楽のストリーミングである。私は将来音楽の提供手段はほとんど全部ストリーミングになるのではないかと思う。自分の欲しい音楽をインターネットから聞く、ということがすべての人にとって当たり前になる時代がもうそこまでやってきている。

ではレコードはなくなるのであろうか。ではCDはなくなるのであろうか。では、SACDはなくなるのであろうか。そういったことが私の興味の焦点である。地球上に存在している60億枚のレコード。100億枚以上といわれるCDがなくなる日がやってくるのであろうか。私はその日が来ないと思う。一般の音楽ファンに対してはインターネットによるストリーミングが主流の音楽再生方法になるだろうが、オーディオマニアに対してはレコードもCDも残り続けるのではないかと考えている。CDはストリーミングで満足できないユーザーのための高音質な音楽メディアとして存在を延命させていくしかないのではないか。

#29 ステレオの未来:2チャンネルの次は3.1チャンネル、その次は9.1チャンネル、その次は11.1チャンネル、最終は64チャンネル

2015-06-09

40年以上オーディオマニアをし、7年以上オーディオ機器の開発を進めてきた。最近その開発が完成しつつある。パワーアンプを作って、DAコンバーターを作って、スピーカーを作って、クロックを作って、パソコンプレーヤーを作った。長い開発のプロセスであった。CDのデータは16ビットで44.1kHzのデータ速度であるが、もっと機能の高いものをやりたいと思い、32ビット352kHzまでのスピードに取り組んでみた。そこまで取り組んでこれ以上の音はないと思った時にふと気がついた。オーディオファンが必要としているのは、32ビットの352kHzの音ではなくて、16ビット44.1kHzの音をいかによく再現できるか、ということの方がはるかに大切であるということに気がついた。いくところまでいかないと今のCDがどんなに大切なのかということがわからなかったわけである。だから、私が全力を挙げて取り組んでいることはCDの音から、32ビット352kHzに近い音に復元するということである。この技術が一番大切でないかと思う。

CDはステレオである。ステレオとは2チャンネルである。2チャンネルのステレオで未来もずっとこれでよいのかと思った。それは2チャンネルステレオの音を聞いて、その違いを比べることをなんども行ったときに気がついたことである。それは、ステージの音がステレオでは一直線にならんでいる。本物の音は2次元に分布している。この違いに最近気がついて目の前に2次元的に広がった音を聞く前に、3チャンネルのステレオの実験をしている。収録マイクを3本にして、センターマイクの位置はかなり高い位置まで持っていく方式である。これで録音した音楽は3chで再生してみて、今までとは全く違ったステージが再現できた。2が3になっただけでこんなにすごい違いになったのは驚きであるが、3だけでいいのかと考えて、部屋の四隅にエコーを再生するスピーカーを4つ、頭の上に、上からのスピーカーを1台つけることに現在取り組み中である。そうすると3チャンネル+4チャンネル+1、8チャンネルである。それに低音の0.1を加えて8.1。それにサラウンドの後ろを2本加えて、10.1。それにセンタースピーカーを加えて、11.1。私は2チャンネルのステレオがマルチチャンネルオーディオで5.1、DVDやブルーレイで7.1なったが、オーディオ用のマルチチャンネルとして11.1が主流になる可能性があると思っている。そのシステムは映画のサラウンドと共用できるスピーカーの配置になっていることが好ましく、水平面は5.1、その上がピラミッド型の5つのスピーカーとセンタースピーカーのさらに上のスピーカーの合計で5.1+5+1の11.1。

8Kのテレビのスピーカーは、22.2チャンネルだそうだ。ほんとにこんなたくさんのチャンネルがいるのであろうか。22以上の可能性はどうなのだろうか。最近64チャンネルのマルチチャンネルスピーカーのシステムを聞く機会があった。50本以上の全方向スピーカーとサブウーファーのミックスで各楽器が一つのスピーカーに割り当てられているシステムである。そのスピーカーの連立する林の間を演奏中にウロウロした。スピーカーが演奏しているときにステージの上を歩いているような感じがした。ホールで聞く音楽とくらべて、エコー。ホールの反射音が音楽についていなかったところが、違った。この64本のスピーカーをステージに設置して大ホールで音楽を聞くということをやってみたいと思うのは、私だけであろうか。実は64チャンネルはあるが1チャンネルが64本あるとういうことでちゃんとエコーがかかるシステムの1チャンネルの演奏、なかなか素晴らしいものになるという感じがしている。SPレコードをウエスタンエレクトリックの機器で再生するとちょうどこんな感じになるのではないだろうか。ということで1チャンネルから64チャンネルまでの音楽と映画を生むというのは興味深いし、私のライフワークの一つになりそうな気がしている。

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