nishi.org 西和彦のコラム

経営

#402 コロナ時代の新しいホテルのカタチ

2020-08-04

コロナはなくならない段階に来たと思う。リゾートホテルはボロボロである。その中で逆に客が増えているホテルもあるそうだ。マンションタイプではなく、一戸建ての離れタイプだそうだ。ブッフェスタイルではなく、個別にお部屋で食事するタイプだそうだ。もちろんハイエンドかもしれないが、予約はずっといっぱいらしいと軽井沢で聞いた。そういえば熱海も高級志向の宿はいっぱいらしい。箱根も勝ち組と負け組がはっきりしているそうだ。コロナ時代に向けてホテルの設計も見直さなければならないだろう。

#398 ARMを買うのは誰か

2020-07-28

孫さんがARMを売ろうとしている。3兆円で買ったので、売値は4兆円か。そんな値段では誰も買わないと思う。アップルはどこまでいってもスマホの会社なので、CPUまで買わないだろう。NVIDIAはGPUの会社なのでわざわざCPUの会社を買うだろうか。それもイギリスの。新株発行で株式交換なら買うかも。

なぜARMを売るのかについては、IoTの進歩が思ったより遅いからではないか。だから孫さんは嫌気がさしたのではないか。中国の会社に売ろうとしたら、イギリス政府は許さないだろう。そうするとARMでできることはIPOしかない。スマホとIoTのできることをどんどんたきつけて、5兆円ぐらいの評価価格でとりあえず、1兆円ぐらい回収するのがいいのではないか。その後インテルと合併でもさせて売り抜けるという方法もある。AMDと合併の話は不可能だろう。

#378 最近の建築プロジェクト

2020-06-16

20ftのコンテナをベースにお風呂モジュール、寝室モジュール、リビングモジュール、ダイニングモジュールなどを設計制作中である。クレーンのついたトラックで景色のいいところに持っていって、簡単に別荘が設置できる。あと温水冷水の給水システム、汚水の処理システム、低騒音の発電機などのライフサポートシステムも設計中である。どこかに別荘を立てたり、リゾートマンションを買うよりコンテナ5本をトラックで持ち歩いて、日本国中の絶景の近くに、土地を借りて1年ごとに住み替えるのも楽しいかもしれない。またこれを使って期間限定のリゾートホテルをつくるもの面白いかもしれない。

今までコンテナハウスやプレハブハウスは、安かろう悪かろうだったが、まともなデザインで全てを仕切り直しすることが面白いのではないかと考えている。長いこと飛行機にばっかり乗っていた自分としては、飛行機の究極がプライベートジェットだとするならば、それを同じクオリティの箱があれば、結構イけるのではないかと思う。

#321 日本会計基準と国際会計基準

2020-01-06

日本会計基準を国際会計基準に変更する会社が増えてきていると言われている。どちらがどういいかという議論は専門家に任せて、私は日本の上場企業と大資本金企業は、両方併記で決算を行うべきではないかと思っている。ただちに過去5年間の有価証券報告書を両建てで再出版し直すべきではないかと。そうすればもっと経済の本質が見えてくる。

#297 孫さんその3 ソフトバンクビジネスの変遷

2019-11-19

私の知っている昔の孫さんはソフトウェアの卸商社だった。その後、出版社やら展示会の会社になって、その次ヤフーの投資や中国のアリババの投資で大儲けして、携帯電話会社を買収して大儲けして、常にコンピューターとインターネットのテクノロジーの会社だった。IoTと人工知能とロボティクスと言っているが、CPUを買ってIoTではないだろう。インタラクティブキオスクをペッパーという名前をつけてロボットというには無理があるのではないか。孫さんはもっと高度なロボットを作りたかったのかもしれないが、ペッパーを作った人の顔がみたい。最近はテクノロジーの限界を感じたのだろうか。

タクシー会社や貸オフィスに投資する会社に変身しつつあるようだ。ローテクのビジネスで大規模な投資を行い、ちゃんと回収できるのかについては疑問だ。そんな分野にお金を突っ込むのであればウォーレン・バフェットの提灯買いの方が理にかなっているのではないか。

#296 孫さんその2 WeWorkのビジネスモデルを考える

2019-11-19

WeWorkに何兆円も投資をするみたいだ。インターネットでいろいろ調べてみるとWeWorkという会社はオフィスの不動産を所有しないで賃借りしているみたいだ。そしてその賃借りしたものを小割りして又貸ししているらしい。何兆円も投資をするなら不動産を買って所有して、それを小さく分けて貸せばいのではないかと思った。そうすると投資リスクは下がり、長期的な不動産の値上がりも期待でき、世界最大の不動産投資ファンドになるのではないか、と素人ながら考えてみた。

#256 ソフトバンクビジョンファンド2は10兆円

2019-06-04

ビジョンファンド1は、4.5兆円だった。私はその時に次は2倍だなと思った。当たった。ビジョンファンド3は20兆円になるだろうと言っておく。

ルーレットで赤か黒かのときに、たとえ負け続けても倍々に掛け金を増やしていくと、勝ったときに止めればチャラになるということを実験したことがある。1ドルからスタートして5000ドルぐらいまでやった。孫さんもそういう考えを持っているのであろうか。しかし10兆、20兆、40兆、80兆、160兆、320兆、640兆。ビジョンファンド5で日本の国家予算を、ビジョンファンド7でアメリカの国家予算を超えてしまう。それはありえないのではないか。つまりどこかで頭打ちになる。孫さんの事業モデルが一番大きく変わったところは、自分の金を増やしてきた孫さんが、他人の金を増やすということに宗旨替えしたところではないか。ビジョンファンド1のはっきりとした結果がでない限り、ビジョンファンド2を売り切るのは難しいのではないか。

#226 ホテルの宿泊値段の研究

2019-04-09

東京と京都はホテルブームである。この前まで3万円だった部屋が6万5000円になっていた。びっくりして泊まるのをやめた。上野の近くのあるビジネスホテルにもびっくりした。週末の宿泊費はなんと3万円を超えていた。その部屋がウィークデーは9000円である。つまり繁忙期は素晴らしいビジネスであるが、ガラガラのときはダンピングされている。これと同じことが京都でも起きている。ホテルブームの京都で小さな部屋はウィークデーは1万円ぐらいなのに、桜の季節や紅葉の季節は3万円を超えている。いくらホテルがブームとはいっても、需要供給にあわせてこんなに値段を変えていっていいのだろうか。しかし、驚いたことがある。10万円以上の高級な部屋の値段は変わらないみたいだ。1割もはいっていないのに、歯を食いしばって安売りを避けているとホテルの支配人が言っていた。正しいと思う。

#201 最近のベンチャーキャピタル事情

2019-02-26

小規模なベンチャーキャピタルというよりも知り合いに金を貸したり株を引き受けたりしているが、最近のいわゆるベンチャーキャピタルの話を聞いてびっくりした。株主間協定と呼ばれる創業者とベンチャーキャピタルとの間の合意事項がえげつない。最近付き合い始めたベンチャーの社長から見せてもらった資料によると、山ほど創業者を縛る条項があって、そこまでやるかと思う内容が書かれていた。ベンチャーキャピタルの都合の良い事ばかり書いてあって、何かおかしいと読み込んでみるとやはりアメリカのベンチャーキャピタルが使っている株主間協定を日本で勝手に編集したものだった。こんなことをしているベンチャーキャピタルが日本でどんどん増えていく。それは何も悪いことはないが、私はそうはしない。銀行や証券会社が担保としてビジネスモデルを評価できない会社に対して、その会社が株式を発行して資金を調達するのがベンチャーキャピタルの原点であるのに。私はおバカな投資家でいようと思う。それでいい。

#94 東芝の半導体事業は孫さんが買うべき

2017-02-23

ソフトバンクがボーダフォンジャパンを買う前に、孫さんとあったことがある。そのときに僕が孫さんに「ボーダフォンジャパンを買ったほうがいいんじゃないか」というと、孫さんは「いやいやそんなことは...」と言ってみせたが、ほっぺたと目が引きつっていたことを昨日のことのように懐かしく思い出す。最近孫さんはトランプやプーチンやアラブの王子様と忙しそうで、僕は会う用事もないが、東芝の社長がメモリ事業の過半数以上を投資家に売ってもいいと発言したことをうけて、20%2000億ではなくて、80%を8000億といいたいところだが、たとえ価格が2倍になっても、1兆7000億で買うのがいいのだと思っている。東芝の半導体事業は日本の宝だといわれているが、それをソフトバンクが直接買うのではなく、英国のCPU開発会社ARMに借金させて買えばいいのだ。ARMはイギリスの会社であるがその親会社は日本のソフトバンクであるから、日本の間接所有になるのではないか。またARMが3兆3000億したのであるから、メモリ会社に1兆7000億使っても合計して、孫さん的にいえば、たったの5兆(豆腐5つ分)である。東芝にとって原子力の損7000億を払ったとしても1兆円残る。今の東芝に現金が1兆円増えれば東芝はあっという間に、優良会社に逆戻りである。今まで東芝のことをいじめたマスコミにざまぁみろということになる。

この35年間インテルという会社が莫大な利益をあげた。パソコンのCPUのビジネスを切り開き育ててきたのはインテルである。

パソコンよりも巨大な市場がスマホにある。なおかつスマホは2年でポンコツになる。消耗品であるスマホのCPUをにぎっている限り、そのCPUを設計し生産する会社は莫大な利益を間違いなく手にすることになる。また、スマホの中にはCPUだけではなくて、グラフィックスもメモリも必要である。グラフィックスなんてCPUとよく似ている。メモリはフラッシュメモリもRAMも同じうようなものだ。つまりARMと東芝のメモリ事業をドッキングした企業はそれだけでスマホの半導体を全部支配してしまうのだ。それに加えてアップルはサムソンに液晶を大量に注文したのだというが、孫さんの友だちの台湾の鴻海と、ARM+半導体会社が組めばなんでもできる。そのプラットフォームの上で動くのはアップルのOSとアンドロイドはもちろん、マイクロソフトも喉から手が出るほど孫さんとビジネスをしたくてたまらなくなるのではないか。ノキアにあんな大金を使うのだったらこっちのほうがよかったのではないか。

今回のARMと東芝の半導体事業に5兆円ぶち込んで世界的にお金を集めれば5兆円なんてあっという間に取り戻せる。今までのソフトバンクの借金を返してもお釣りがくるのではないか。日本にもこんな大勝負をすることができる投資家が現れたということ。この話は私のただの空想であるが、もしこの話が実現すれば世界的な快挙である。期待したい。

#93 国家元首や王族と会うようになった孫さんのその後を勝手に想像する

2016-12-20

孫さんの国際的な活躍がとまらない。サウジアラビアの副皇太子とともに、10兆円の投資ファンドをはじめるそうだ。トランプ次期大統領に会いに行ってiPhoneをホンファイといっしょにアメリカで製造することを申し入れにいったり、アメリカに5兆円投資をするといったり、ロシアのプーチン大統領に会ってロシアの電力を海底ケーブルで輸入したいと提案したり、世界をまたにかけて飛び回っていることが報道されている。アメリカ・ロシアに続いて次に会う人は中国の国家主席か、英国の女王陛下と、いろいろ考えてしまう。

以下は私の素朴な疑問。

1. プライベートジェットは何に乗っているのか。ビルゲイツの場合は、ボンバルディエ社 のGlobal Expressを出張のたびに2発飛ばしている。孫さんは自家用ジェットなのか。チャーターなのか。たいへん興味がある。機種は何なのであろうか。私が想像するには、ボーイングのBBCという737を改造したビジネスプライベートジェットではないかという気がする。

2. サウジアラビアと共同で10兆円のファンドをやるそうだが、そのうちの半分をアメリカにトランプと約束したみたいに投資するのだろうか。このファンドの本部はロンドンに置くらしいが、サウジアラビアとアメリカの関係は今のところよくない。そんなことをしたらサウジアラビアは投資をやめてしまうのではないか、と心配である。

3. 10兆円のお金を投資して、リターンはいつごろかえってくるのであろうか。おそらく最低でも5年、最長では10年以上かかるのであろう。そんなスローなペースでしかお金がかえってこなかったとしたら、投資家からの圧力はたいへんになるであろう、と心配である。

4. ロシアと電力の販売の共同事業をやって、アメリカといい関係でいることができるのか。ロシアはOKでも、アメリカはそんなことは許さないであろう。アメリカに潰されるのではないかと、心配である。

5. 日本のメガバンク3行は未だにソフトバンクに対して貸し出しを増やしていない。ARM買収でブリッジローンにみずほは応じたようだが、クレジットラインは変わっていない。孫さんの目下の資金源は個人向けの劣後債、つまり一番順位の低い社債である。このソフトバンクグループの日本の銀行の評価をどうするのか、心配である。

イギリスのベンチャーARMを3兆3千億円で買収したことの評価はエリザベス女王からSirの称号をもらうことができるかどうかがそのシグナルである、といっていいだろう。人間勲章や爵位にこだわるようになったらそろそろ終わりというが、孫さんの晩年はどうなるのか、お手並み拝見を楽しみにしたい。

#78 孫さんのARM買収について思うこと

2016-08-01

久しぶりに「ああ、びっくりした」というようなことが起こった。ソフトバンクが3.3兆円でARMのデザイン会社を100%買収するというのだ。孫さんがどこに投資をしてもなにを買収しても、自分の専門外の世界であるので、何もいうことはなかったが今回のARMの買収は自分のライフワークの一つがマイクロプロセッサーを作るということなので、自分の専門内ということで、私の感想を述べたいと思う。

1番目。買収によってソフトバンクの株価は下がった。
世の中は、孫さんのいうような買収の糸を理解していないようだ。投資家は、ソフトバンクの株を売ったということである。株価は1日で1割近く下がった。それで止まっているようなので一安心である。

2番目。ARMの投資の回収は時間がかかりすぎるであろう。孫さんはIoTが未来だ、といっている。私も合意する。私が最近やっていることの半分以上は、IoTである。間違いなく未来はIoTである。しかし携帯電話がここまで来るのに20年かかっている。IoTが今の携帯電話のようになるのに、間違いなく20年はかかる。その時孫さんは80歳。20年後にしか答えが出ない投資は間違いではないのか。

3番目。単一企業の買収に社運をかけてはいけないのではないか。ソフトバンクの有利子負債は15兆円になるそうだ。ちょっと前まで10兆円だったのに。アメリカの携帯電話会社スプリントの買収に2兆円と債務引き受けに3兆円の計5兆円。今回のARMは手持ちの資金を使って足りない分はつなぎ資金でまかなうことであるが、社運をかけた買収ということがいわれている。ソフトバンクのような超大企業が社運をかけたギャンブルをしていいのか。社会的な責任もある。ソフトバンクはもはや社運をかける大博打を売ってはいけない会社になっているのではないか。

4番目。株式に世界的な不況がきて、ソフトバンクの株価が2分の1になれば…、2500円の株価になれば、株価が弱くなった企業の資金調達力は弱くなる。銀行もお金を貸してくれなくなる。直接金融、間接金融、両方からの道を閉ざされたソフトバンクは資金ショートを起こす。これはARMの責任ではなく、市場が変化するということを考慮しないミスである。こういうことを忘れてはならないのでないか。

それでは解決法はないのか。私の考える解決法はARMを売却することである。それどころか、ソフトバンク全部を売却することである。今のソフトバンクを買う財力があるのこの2つのオプションしかない。一つは中国だ。もう一つはインドである。中国の国営企業か、インドの国営企業にソフトバンクを売って、孫さんはウォーレン・バフェットのような投資家になる。そうなることが孫さんに残されたシナリオではないか。

この文章を書くにあたって1週間ぐらい考えた。マスコミのいろんな論調をしっかり読み込んだ。日本だけでなく海外のものも読んだ。海外の新聞や雑誌の論調は、ほとんどは悲観的で辛口なものが多かった。ところが、日本の新聞や週刊誌、日本のウェブは「孫さん万歳」という論調が多い。昔ソフトバンクのことをあんなにバカにしていたメディアやジャーナリストが、今ではソフトバンクのことをみんな褒めている。ソフトバンクの広告を出してもらっているのか。昔のソフトバンクを知らないのか。理由はわからないけれど、そういう記事にも歴史が評価を下すのであろう。私は自信を持ってこの文章を書いた。

#68 ソフトバンクの一連の報道を見て

2016-06-24

「60でやめようと思ったが、もっと続けることにした」、という孫さんの発言を聞いて感じたことを書きたいと思う。 一度ゆずるといったものを気が変わったからといってやめるというのであれば、孫さんのことをかわいそうな人だと思う。マイクロソフトをやめるといってトップをやめて、株も売り続けているビル・ゲイツは途中で心変わりはしていない。孫さんの心の中で起こったことは何なのかを勝手に想像してみる。

一番大きいのは孫さんと直接話をすることができた孫さんの幹部はインド人がきてもはや直接話すことができなくなってしまったのではないか。この人たちのチクリがかなりあったのではないか。あることないこと、インド人の悪口を日本人やアメリカ人が山ほど入力したのではないだろうか。誰も何十億も報酬をもらっていない、もらっていたとしても十億以下だろう。十億以下の人が数十億もらっている人のやっかみをするのは当たり前のことだろう。毎日元部下から新社長になるべき人の悪口を聞かされればどんなに信頼を持った人でも、ちょっと待てよというのではないか。そうすると当然与えるべき権限を与えなくなる、インド人がもっと任せてほしいといっても、任せてもらえなくなる。そうなるとフラストレーションの塊となってやめるしかないということになる。記者会見のインド人の顔を何度も見たがもっと仕事を任せて欲しかったという顔ではなかったか。後妻候補を子どもたちがいじめて追い出したということではないか。

記者会見で「いじめられて頭来たからやめる」くらいいえばよいのに。そんなことより私はもっと大切なことを指摘したい。それはソフトバンクの株が下がることである。普段ならば借り入れ12兆円で売り上げ数兆円の会社といってマスコミ馬鹿にされて、叩かれるはずであったが、今回は孫氏、柳井氏、永守氏の共演で乗り切り、ソフトバンクの経営の実態を報道するマスコミはどこにもない。孫さんに何の落ち度はなくても日経平均は下がっている。株式の地合が悪くなってソフトバンクの株価が下落すればソフトバンクは資金調達が難しくなる。今手持ちのお金は2年間分の金利ぐらいなもので、さらに持ち株の大量売却はもはやできない。こっちの方が大問題ではないか。こういうときにまともな報道をするマスコミはどこかと、注目している。それはソフトバンクの広告が入っていないメディアであろう。

#63 シャープはどうなるのか

2016-05-17

オーナー系の大企業に買収されることになったシャープの報道がまた活発になってきた。ほとんどのマスコミが報道している立場をみていると、これからのシャープが前のような延長線上のように論じられているので違和感を感じる。たとえば中国で7000人リストラをするという報道。人減らしをしないはずではなかったか、といっている。今のシャープで人減らしをしなかったら、経営者の見識が疑われる。ホンハイは中国で100万人以上の人間を雇用するぐらいの大規模な投資を中国でやってきた。そんな会社からみたらシャープの中国事業なんて真っ先にリストラの対象となるだろう。それどころかホンハイが中国に投資した莫大な金額はすでに中国で生産した製品を回収が終わっている資産ではないかと思う。だからいくら100万人を雇用する中国の会社があるといってもホンハイにとってはコストはただなのである。ホンハイが上場している個人企業であるかぎり、中国の資産なんてもはやオーナーにとっては償却済のタダ資産である。

シャープの買収はシャープの持つ液晶が欲しかったなどなど報道されているが、ホンハイが欲しかったのはシャープという日本の上場企業だったのではないか。つまり売り上げ連結売上高2兆4000億円の日本の上場企業をタダ同然の4000億円で買収することによってリストラを行い、株式がふたたび上昇すれば2兆円ぐらいのキャピタルゲインを手にすることがホンハイの目的ではないか。その観点が今の日本のマスコミには抜けている。シャープの負けた理由とか、社内の派閥など瑣末的な報道ばかりされている。この記事を書くためにビジネス週刊誌を買ったがあまりの程度の低さにバラバラとめくって読むのをやめた。2兆4000億の企業の買収に4000億を投じる国際ビジネスマンの考えていることを描くことができるマスコミがいるのか。それが問われている。私はホンハイがやるべきことをちゃんとやってシャープが日本で上場している台湾企業としてたちゆくようになるということを見守ることがメディアの責任ではないかと思っている。

#28 ソニーを潰したのはストリンガーだ

2015-06-02

ソニーの元社長の出井伸之さんが社長になる前から知っている。その出井さんが社長のときに一番評価していた外人がストリンガーだった。ストリンガーはソニー映画の立て直しのためにスカウトされた人物だったように覚えている。映画屋がソニーの社長になってソニーをズタズタにしたのだ。

私がソニーを評価しているのはいくつかの点がある。
一つ目は、トランジスタのライセンス生産を行いポケットラジオを作ったこと。
二つ目は、トランジスタを使ったマイクロテレビを作ったこと。
三つ目は、トリニトロンブラウン管を発明してトリニトロンカラーテレビを作ったこと。
四つ目は、ビクターと松下に負けたけどベータマックスというビデオカセットレコーダーを作ったこと。
五つ目は、再生専用カセットプレーヤーWALKMANを作り、ヘッドホンステレオの分野を確立したこと。
六つ目は、オランダのフィリップス社と共同でCDを作ったこと。
7つ目は、ゲームコンピューターPlayStationを打ち上げ、CDのついたPlayStation1、DVDのついたPlayStation2、BDのついたPlayStation3、インターネットに繋がるPlayStation4を完成させ、ソフトとハードの高収益連携ビジネスを展開したこと。

ここまでのソニーはピカピカの会社だった。ここからソニーの転落がはじまる。

一つ目は、DVDの標準化で松下に裏切られ、東芝に負けたこと。
二つ目は、サムソンと合弁でLCDの会社を作ってサムソンに技術を全部パクられて合弁撤退したこと。
三つ目、アップルにiPodを作られ、同じものがあったのにそれが売れなかったこと。
四つ目、エリクソンと合弁で携帯電話の会社をつくったのに、スマホを作ることができなかったこと。
五つ目、故障の多いパソコンを作り続けたこと。
六つ目、ミノルタを買ってデジタルカメラに力を入れたけど、GoProみたいなアクションカムを作れなかったこと。松下も4Kをやっていて、ソニーもしぶしぶ4Kをやっていたが、そんなものだれも買わない。なぜGoProだけが売れるのか。
7つ目、経費垂れ流しのソニー映画の経営。うまくいっているフリをしているが、ウィキリークスに出てきたソニー映画の内部はあきらかにおかしい。

ハードウェアの会社としてのイノベーションを続けてきたソニーが映画屋の間違った経営判断によって潰されてしまった。関連の証拠集めを今行っていて、ビジネススクールの講義に使うケーススタディにして、そのうちソニーの失敗を分析した本を書こうと思っている。シャープの凋落も独裁者の間違った判断であったように、ソニーの凋落も独裁者ストリンガーの間違った判断でこんな会社になってしまった。そのあとを任された経営者の苦悩は同情に値する。

#26 シャープを潰したのは聖域にいた人かも

2015-05-19

シャープが減資して資本金5億円の会社になる(つまり中小企業)という記者会見の報道があった。シャープの社長は「聖域なきリストラをする」と発言していた。まてよ、シャープの今までのリストラには、リストラされない聖域があったのか、と、ふと思った。シャープの創業者に連なるお偉い一族の面々が本社で踏ん反り返っていたのかもしれない。

実は、私はシャープのテレビが嫌いだった。だからシャープのテレビを買ったことはない。シャープのテレビの何が嫌いだったのかといえば、2つある。1つ目はデザイン。特にリモコンのデザイン。2つ目はコマーシャルのキャラクター。デザイナーの名前は、忘れてしまったがシャープのテレビは、あのデザインでずいぶん損をしていると思う。あのデザインがいいという人もいれば、僕のように嫌いという人もいる。シャープのテレビがもっと普通のデザインをしていたらもっと売れていたと思う。シャープのテレビの広告は大女優吉永小百合様である。僕の知り合いは吉永小百合が宣伝に出ているからシャープのテレビを買った。最近引越しをするからそのテレビをもらってくれないかと言われて、丁寧にお断りをした。吉永小百合が売っているテレビなんて、誰が買うものか。私はシャープの聖域が変なデザイナーを使い続けるようにトップダウンの指示をして、吉永小百合を使い続けるように指示をしたわけであろうから、「シャープのAQUOS=あのデザイン、あの女優」となって、イメージが固定化してしまったのではないかと、疑っている。

大阪都構想の住民投票は大阪に住む老人層が反発して否決されたという報道があった。20代30代はこぞって賛成であったという。つまり、若者の考え方と老人の考え方はまるで違うのだ。若者が欲しいというものをどうして老人がデザインできるのであろうか、そんなことは無理であろう。昔、日産という会社があって、大物会長と大物社長が君臨しクルマのデザインもトップがOKしないとダメだったと聞いたことがある。僕は子どものときから家はセドリックだったので、日産のクルマに興味があったが、なんてかっこの悪いクルマだとずーっと思ってきた。日産の聖域に君臨する人と僕のデザインの趣味が合わなかったのだと思う。そういう日産は経営が傾きフランスの企業に助けてもらって外人独裁経営者のもとで蘇った。しかし、僕は今の日産のクルマは買わない。デザインが気に入らないからだ。シーマは1台目2台目3台目と乗り継いだが、社用車だった。誰が作ったという氏素性もはっきりしていて、日本製の究極を追求したクルマとして好きだった。当時の日産のメインバンクは日本興業銀行で、日の丸を背負った日産を応援していたことを思い出す。シャープを蘇らせるのは、日本資本ではダメだろう。ファンドが金を出してもダメだろう。シャープを蘇らせられるのは、エレクトロニクスの精神を持った経営者である。そしてそれは日本人ではないのではないか。日産のように有能な経営者を海外から迎え、生え抜きの日本人の幹部とともに頑張ればシャープは再生できるのではないか。私はその時に新生シャープの格好のよいテレビを買おうと思っている。

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