nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のコラム

#111 インド/中国/ロシア 対 アメリカ/日本/台湾の枠組み

2017-07-04

北朝鮮がとうとうICBMの技術を完成させたようだ。40分間飛行することができる大陸間弾道ミサイルを打ち上げてみせた。あとは偵察衛星に小さな原子爆弾頭を写真に撮ってもらって、地下実験を1回やるだけで完成である。これができてしまえば北朝鮮は今までの北朝鮮ではない。核保有クラブのメンバーになることができる。日本なんて雑音の一つになってしまう。本稿では北朝鮮がきっかけで核戦争がおこったあとの枠組みについて考えてみたい。

アメリカの今までの戦争のパターンを分析してみると必ず敵に第一打をさせるように追い込んでいく。そして新聞テレビが「アメリカがやられた」という報道をして議会で大統領が演説をし議会の全会一致で戦争開始となる。北朝鮮のICBMがどこを狙うのかということはあまり大切なことではない。どこを狙ってもアメリカにとって正義の戦いの理由になるだけである。

核を使えば核で必ず相互破壊が行われる。アメリカは広すぎて全滅しないが、北朝鮮は全滅するであろう。韓国も道連れだ。その戦争がおわったあとの朝鮮半島を支配する国はどこであろうか。私はそれは中国とロシアとアメリカが北朝鮮を分割し、韓国は依然として韓国であると考える。今、38度線で半島は分断されているが127度線で東西にも分断されるようになるのではないか。667年に唐によって高句麗が滅ぼされたときにはその後を新羅が統一したが、今の韓国にはそのような力はない。つまり高句麗のあとには渤海もなく、ただ中国やロシアやアメリカによる占領しかないのだ。127度線よりも西はもちろん中国。127度線よりも東はアメリカとロシアの取り合いになるのではないか、と予想する。つまり朝鮮半島全部が中国とロシアとアメリカの緩衝地帯になるのである。またアメリカはロシアを味方につけるために制裁解除を行い、占領地を山分けすることになろう。このどさくさに中国は軍隊を進め平壌を占領し、さらには38度線を超えてソウルも占領されるであろう。日本は何もできずに米軍の補給センターとして戦争で一儲けも二儲けもする企業の株式が暴騰するのであろう。ひょっとしたらこの戦争の兵站基地としての日本を叩くために北朝鮮のICBMの目標は日本の軍事的な港が一番考えられるかもしれない。横須賀である。まぁここまできたら、生き延びることなんて諦めるしかない。このホームページのホスティングをアメリカに移して核戦争で滅ぼされた後でもこのホームページが世間様に読んでもらえるぐらいしか我々に残された選択はない。

#110 北朝鮮とそのあとを考える

2017-06-20

新聞テレビインターネットで北朝鮮問題が報道されている。それらを聞いていてほとんどすべての報道に違和感を感じる。しかし、私は専門家ではないので、私なりの分析をして、それを説明したい。

その1 アメリカのしそうなこと
シリアに化学兵器を使ったといって、ミサイルを50発撃ったこと。このことからアメリカは北朝鮮が韓国に対して化学兵器を使ったら、山ほどのミサイルを撃つぞというシグナルをおくったのではないかということ。

その2 MOAB(超大型爆弾)の使用
地下50メートルまで到達する大型爆弾をアフガニスタンでISの拠点に投下した。わざわざ今どきこんなことをするのは、この爆弾を3発使えば半径2メートルの精度で地下150メートルの地下壕に到達することが可能である。ということは小学校の掛け算の問題である。平壌の地下鉄の駅のどこかが防空壕になっているのであろう。アメリカはそんなことをしても無駄だというシグナルを送りたかったのであろう。

その3 アメリカ軍集結の理由
航空母艦2隻をはじめとする第七艦隊機動部隊が日本海に集結していたそうだ。おそらく米軍の原子力潜水艦ミシガンを筆頭に十数隻が日本海に集結していたのであろう。これは北朝鮮のターゲットに対してトマホークミサイルを数千発同時攻撃するための布陣ではないかと私はみている。数千箇所のターゲットを同時攻撃しなければ反撃としてソウルが火の玉にされてしまう。一瞬にして北朝鮮の反撃能力を撲滅するだけの第一撃が必要になるのであろう。現在は戦闘態勢は解除になっているようだが、攻撃地点の緯度経度情報はトマホークにプログラムされたままであろう。アメリカとしては在庫処分をそろそろしなくてはならないときになっているので、一石二鳥なのであろう。



つまり北朝鮮の状況は日本がどうのこうのいう状況ではなく、中国とアメリカの問題であり、ロシアとアメリカの問題であるのだ。日本はただただアメリカ側についてうろうろしているだけのことである。日本が真剣に軍事介入をするのであればトマホークミサイル5000発ぐらい用意しなくてはならない。

この機会に日本を取り巻く地政学的な国際情勢を考えてみた。国連報告者がどうのこうのといっているが、まったくナンセンスである。それを報道するマスコミの気がしれない。国連は第二次世界大戦の戦勝国の集まりであるので、安全保障理事会の常任理事国のグループがどうなっているのかがすべてである。つまりアメリカとヨーロッパの同盟国、ロシア、中国がその三本軸である。そうすると21世紀の最大の課題はユーラシア大陸の東の部分でお互いに接する三つの大国の挙動が一番大きなテーマになるだろう。インド、中国、ロシア、この三国の対立とそれに対するアメリカのスタンスが21世紀前半のテーマになるだろう。日本はアメリカの同盟国としてどうしていったらいいのか、がテーマになる。台湾は中国の一部になるという選択か、アメリカのグループに入るという選択肢しかないだろう。日本の運命に似ている。韓国は北朝鮮と民族的に近いので統合する可能性は考えられなくはないが、朝鮮半島に突きつけられる究極の選択は、中国につくのか、ロシアにつくのかということであって、そのどちらでもないといってアメリカにつくことは中国もロシアも許さないであろう。

ということで、北朝鮮問題よりも重要なのが中国とインド、中国とロシアではないだろうか。これに対してアメリカのスタンスはどうかということのほうがはるかに大切ではないだろうかと、考えている。

#109 我々は何故パソコンとスマホで負けたのか

2017-06-19

一番大きなミスは、OEMで台湾にパソコンの生産を委ねてしまったことであろう。台湾の生産拠点は今や中国に変わりつつある。IBMはさっさと中国のメーカーにパソコン事業を売ってしまった。自分の技術でパソコンを造ると言うことを日本は早々とあきらめてしまったのだ。それをしなかったのが東芝とパナソニックである。富士通もニッチの小型パソコンで頑張ったが、もはやボロボロである。商品の差はシステムLSIをどうするかと言うところになる。このシステムLSIを外部から買う限り競争のための特徴を持ったパソコンは作れない。
あとはメモリーをどう安く買うかである。完全受注モデルを作ったDELLやHPはビジネスはうまくいっている。在庫ロスがないということと、必ず利益が確保されているというとが成功の理由である。こういうビジネスモデルを造らないで台湾から買うという決断が日本のパソコンの敗因である。

スマホの敗北
一時は電機メーカー全部が携帯電話を作っていた。今はauと関係のある京セラだけが日本で作っている。スマホはアップルと台湾、中国メーカーがほとんどである。インドのメーカーだけがインド国内を狙って自前で作っている。あのマイクロソフトでも莫大なお金を使って挑戦しているが5%のシェアも確保できていない。スマホはOSとハードを考えるとOSによって商品が決まるといってよい。つまりスマホはIOSのアップルかアンドロイドのグーグルかWindowsのマイクロソフトの競争になる。スマホの方が日常生活のメインになりつつある今日、パソコンOSの王者マイクロソフトの優位は崩れつつある。これからもっともっとパソコンとスマホがクラウドにつながり、机の上とモバイルが連動することが当たり前になったときにどのOSのペアが主流になるのかが問われる。
日本はスマホを造ることができずに携帯ばっかり造っていた。そして携帯の開発は大手が全て下請けに造らせていた。携帯でも技術は社内に残っていなかったのである。
結局行き着くところはソフトとハードの技術のできるだけの内製化と自社生産ではないだろうか。ソフトはOS。これは買ってくるしかない。アップルはOSを売らないから、アンドロイドをライセンスして貰ってハードを造る。液晶とシステムLSIと充電池をできるだけ安く調達することが価格に直接の影響がある。
これらの失敗は誰の責任なのであろうか。それはモノを造るということの本質が解っていなかったメーカーの経営者にあると言わざるを得ない。目先の利益確保のためにOEMに頼ってしまった決断が間違っていたのである。
日本は今からでも自前の「ものつくり」の路線をあきらめないで、そういうことができる技術者の養成を進めなければならない。パソコンもスマホももう一度日本で造るのだという決心をしなければならない時が来ているのではないだろうか。

#108 IoTで日本は負けてはいけない

2017-05-23

パソコンで日本は世界的に負けてしまった。NEC、富士通、ソニー、パナソニック、日立、東芝、三菱電機、沖電気。これらは皆パソコンを作っていた日本の大企業であるが今でも世界で競争できるパソコンを作っている会社はいくつあるのだろうか。パソコンで日本が負けただけではない。パソコンそのものもスマホに負けそうな時代である。

スマホはケータイ電話からはじまった。モトローラがケータイ電話のさきがけをし、ノキアがガラケーで大きなシェアをとったこともあった。今はもうモトローラもノキアもない。アップルとOSを提供しているグーグルが大きなシェアをとっている。仕事上全種類のスマホを持っていて、ガラケーもまだ使っているが、5月10日にソフトバンクの孫さんが「日本のスマホメーカーは全滅してきている」と言った。実際そうなのであろう。日本はスマホの生産でも負けたのだ。パソコンよりも悪い事態である。

スマホの次は何か。私はIoTだと思っている。パソコンからスマホになり、小さくなり、さらに小さくなってIoTになる。あらゆる電子機器がインターネットに繋がる時代になるときに、そういう電子機器を生産する国になることができるのであろうか。それが日本に与えられた大きな命題である。

最近水中ドローンが発売された。おもちゃであるといって馬鹿にするメーカーの経営者は多いと思う。大学の教員をしている人も「あんなものは今の技術で作れる」という人もいる。しかし、そういうことを言うから水中ドローンは中国がはじめて開発をし、発売をし、あっという間に1台20万円で100万台くらい売るのであろう。そうするとあっという間に1000億円を超える中国の企業が新しく誕生するだろう。日本で水中ドローンを作って発売しそうな会社の名前をあげろといわれて私は戸惑う。

IoTもインターネットに繋がるものから、IoEだという人もいる。「Things」ではなくて、「Everything」なのである。そういう時代に日本が存在感を持つ立場になるために必要なことはなにか。それは今業界がやっているような標準化活動ではなく、日本という、またパソコンやインターネットでそこそこの仕事をしたというおごりを取り去った積極的な応用開発の実行と製品化ではないだろうか。ドローンを作れなかった国、水中ドローンを馬鹿にした日本という国に不安を感じる。

#107 IoTのキラーアプリは何か

2017-05-10

東京ビックサイトでIoTの展示会があっていってきた。景品をやるからアンケートに答えよというキャッチセールスがやたらに多かった。展示会のありようも変わったものだ。およそ考えることのできる応用例はほとんど実現していて、商品になっている。大学の取り組まなければならないテーマを全面的にやり直さなくてはならない、と思った。同時に動いているのはわかるけどこれでは大量市場を構築することはできないのではないかと思われる商品が多かった。この世の中で1セットしか存在しないカスタム商品が多かった。

IoTに今求められているのは、IoTならではの大型商品なのではないか。パソコンでいうならば表計算やDTP、インターネットのブラウザ。スマホというパソコンを超える大型商品や検索エンジンや、クラウドというリモートデータベースやアプリケーションのようなものである。万物がインターネットに繋がることによって我々の生活がどう便利になって万人が買う商品は何なのか、それを作った企業がIoTのチャンピオンになるのであろう。パソコンが素晴らしかったのは標準的な仕様のマシンをソフトウェアでプログラムすることによって色々な用途に応用することができたことである。初期のBASIC言語はパソコンの応用開発のツールとして活用されたと思う。そのうちに表計算やDTPなどのキラーアプリが出てきた。IoTは今BASICがパソコンに出現する以前の段階ではないだろうか。

シリコンバレーだけではなく、ぜひ日本からそういう企業が出て欲しいものだ。

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