nishi.org 西和彦のエッセイ

西和彦のエッセイ

#588 MITのOLPCの失敗の分析中

2022-01-27

昔、自分がMITにいたときに取り組んでいたプロジェクトがある。100ドルPCといって「子供たちに一人1台のノートPCを安く作って配ろう: One Laptop Per Children」(http://laptop.org/)というものであった。意見が合わずに私はプロジェクトからも離脱し、MITも辞めることになった。どう考えても無理だと会議に出ていて思った。事実それから約15年間MITは努力をしたが、ダメだったみたいである。その理由の分析を今している。これ一つで博士論文が書けるようなテーマである。私が探し求めていた100ドルPCは中古のWindowsのノートPCが実現してしまった。がっかり。

#587 64bitのLinuxに必要なのは異なったCPUの間のバイナリーコンパチビリティ

2022-01-27

マニア向けやプロ向けOSとしてLinuxは一般的であるが、RasberryPiに載せてコンシューマー用の一般向けOSとしてもう一つダメである。それはCPUが違えばアプリケーションをそれぞれ再コンパイルしなければならないからではないだろうか。この問題を解決すれば、つまり違ったCPUの間でもバイナリーコンパチビリティを保証することができれば、LinuxやLinux系のOS、例えばAndroidやiOSや、MacOSはびっくりするくらい広まるのではないか。そのときがWindowsの危機かもしれない。

#586 アメリカ発ロシア行、だけど中国を意識

2022-01-27

ロシアがウクライナに侵攻するのであれば、ロシアの通貨とドルの交換を停止するとアメリカが発表したそうだ。このアメリカの意志はロシアに対して発言されたものであるが、輸出入に頼っていないロシアはドル交換が停止してもそんなに影響は受けないと思われる。このメッセージは実はロシアではなく、中国に向けて発せられたものではないだろうか。台湾を攻めると輸出が不可能になる中国。こんな経済パンチはない。中国は数ヶ月も持たないであろう。私の予想が的中した。

#585 64bit CPUのこれから

2022-01-27

Intel AMD系のx86/64とARMの64bitとRISC Vの3つが64bitのCPUとして有名であるが、業界標準として3つは多すぎる。これらのうち大きく生き残るのはどの2つなのだろうか。それを決めるのは今ARMにコミットしているNVIDIAである。ARM買収が失敗し、ライセンス料を払えばIPが買えるARMはそのままにして、業界全体がRISC Vにひっくり返る可能性がある。x86がクローズライセンスでRISC Vはオープンライセンスであれば、SOCの世界でこれからはどちらが主流になるのかが興味深い。またサーバの世界でどちらが主流になるのかについては、ARMは現在の時点でサーバの主流にはなっていない。これらはLinuxがOSだから、残りはマイクロソフトのWindowsサーバがサポートするCPUが残るのであろう。

#584 ARMがもはや必要でなくなったNVIDIA?

2022-01-27

米政府と英政府が意地悪するからNVIDIAはもう買わないと決めた様子である。米国連邦取引委員会(FTC)に誰がロビイングしているのかが興味深い。おそらくアメリカのCPUを作っている半導体会社なのであろう。英国は自分の国の企業が買収されるのが嫌なのであろうが、民間のビジネス活動を国家が何を大義名分に止めるのであろうか。ARMの株を売って大金持ちになった創業者の本音の言い訳を聞いてみたいものだ。

4兆円の企業買収はNVIDIAの創業者だからできたわけで、そのほかの大企業のサラリーマン社長では絶対にできないと思う。インテルはお金を使いまくっているし、AMDはちゃんとした戦略がすでにあるし、中国はたとえ買いたくてもすでにライセンス会社はあるし、日本はそんなことができる会社はない。台湾のTSMCは 製造に特化した会社なので、買うことはないだろう。つまり、ARMに残されている唯一の選択肢はロンドンで上場することなのであろう。ソフトバンクには担保にする株式しか残らない。大変なことになった。アリババの株式と孫さん個人の銀行取引の3つが三重苦としてのしかかり、ソフトバンクは普通の会社になってしまうかもしれない。

#583 須磨須磨と須磨夙

2022-01-19

須磨学園中学校と須磨学園夙川中学校の入学試験が終わった。今年気がついたのは須磨学園の下位クラスに夙川の上位クラスが追いついてきているというびっくりの事実と、受験生の中で須磨学園の下位クラスよりも、須磨学園より偏差値が少し低い夙川の上位クラスの方がいい、という進学者が増えているという事実である。毎日楽しく中学を過ごしたいという人が思うのは無理もないと思う。中学から高校の6年間、伸び伸びと楽しくやるのか、コツコツ厳しく勉強するのか、どちらがいいかは私には判断できない。それこそ個人の選択であるということだ。しかし、嫌々ながらの毎日よりゆったりとした楽しい毎日の方がいいのかもしれない。

#582 おせちは通年の料理になると確信

2022-01-19

今年のお正月は数種類のおせちをいただいた。和風と洋風と中華風。あまりに多すぎて食べれなかったので、さっさと冷凍して少しずつ小出しに食べている。1月いっぱいは食べるものは解凍したおせちだけになっている。贅沢な悩みだがおせちはもう嫌だと思って普通の食材で作って食べようとしたが、プロの作ったものに勝ち目はない。すっかりスポイルされてしまった。そうしていると冷凍おせちを買いませんかとダイレクトメールがきた。これはたくさん買って今年の年末まで少しずつ食べよう、ということになりそうだ。世の中が変わりつつある感じがする。

#581 Twitterに必要なものはリアルタイムの翻訳機能ではないか

2022-01-19

最近Twitterを使うことが増えて、次世代MSXのことを発信することが多い。日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語と多国間に渡るツィートが飛び交っている。日本語でツィートしていたら、最低英語でやってくれなきゃ困ると文句が来た。日本語をGoogleの翻訳で読んで返事をくれる人も多い。

インターネットのWebページに内容が反映するにはリアルタイムでは不可能で数日かかる。Twitterだけがリアルタイムでコンテンツをアップデートでき、コミュニケーションが成立する。BBSのような狭い分野のユーザー向けでなく、広く一般のユーザーに対してこのようなコミュニケーションができるということはとても素晴らしいと思う。これが言葉が違っていてもできるようになるのが、次のステップなのであろう。MSX3のキーワードはインターネットとIoTとスーパーコンピューターなのであると確信している。

#580 MSX3はどこに向かうか

2022-01-19

次世代MSXの開発をやっている。FPGAを使ったRaspberryPiと同じ大きさの基盤を中心とした40年前と互換性を持たせたコンピューターシステムの設計をしている。今年中に発表して、amazonで世界中に基盤とキーボード内蔵型とMSXカートリッジ型の3種類を売る予定だ。どういう風に受け入れてもらえるかは未知数だが、Twitterでつぶやくとかなりの反響がある。

WinやMacのパソコンと競争はしないし、できない。iOSやAndroidとは全く別の世界のものである。XBoxやPlayStationやSwitchのような上級なゲーム機でもない。結局教育用の自作パソコンの分野をターゲットにして、RaspberryPiやJetsonなどと共存するニッチを目指していくことになるだろう。Twitterで世界中の人と意見交換をしているが、MSXによってコンピューターの世界に入ったというたくさんの人から感謝された。MSXが失敗ではなかったと感じてとてもうれしかった。日本のマスコミからはMSXはファミコンに押されて失敗したと烙印を何度も押されたことは悲しい思い出である。

#579 NHKがジャストシステムの番組を制作

2022-01-19

1月15日の夜にNHKでジャストシステムの浮川元社長と元専務の番組が放映された。その取材に8時間応じた元マイクロソフトの古川享社長の愚痴もfacebookで大々的に出ていた。内容についてどうこう言うのは後に置いておくことにして、まるで裁判の陳述書のような口調でfacebookにダラダラと文章を書くのはいかがなものか。かな漢字変換以前の問題だろう。

#578 孫さんのこれからを予測する

2022-01-19

孫さんウォッチャーの一人として、直近の孫さんの頭痛を考えてみた。頭痛は少なくても3つあると思う。

一つ目は、アリババの株がもはや現金化できないということ。

二つ目は、ARMをNVIDIAに売ることが英国や米国の政府の反対でダメになりそうだということ。

三つ目は、各金融機関に担保でいっている孫さん個人の株の株価が下がりつつあり、このままでいけば持株全部銀行に取られてしまうかもしれない。またクレディ・スイス銀行のように取引を解消する金融機関が広がるかもしれない。

この3つがおこると大変なことで、ソフトバンクも普通の会社になってしまうことになるだろう。もう世界を相手にやんちゃはできなくなってしまう。

#577 コロナワクチンはどうあるべきか

2022-01-19

有名ワクチンメーカーの人たちがデルタのワクチンは、オミクロンに効かないと言っているそうだ。スパイクの形や抗体の種類が変わってもユニバーサルにコロナに効くワクチンのメカニズムは何なんだろうかと、ニューイングラインドジャーナル オブ メディスンが論じている。私もまったく賛成で メルボルン大学研究チームの報告にあるように、T細胞関連の応答が確かな防御力を発揮するという。興味深い。

#576 もし中国がコロナの発信源だったらアメリカはどうするだろうか

2022-01-19

中国がコロナの発信源であるという噂は長くある。トランプも当初は言っていた。しかし、今のアメリカはトーンダウンしている。これは一体どういうことなのか、考えてみた。私の到達した結論は中国がアメリカにとって貿易相手国として魅力的である限り中国貿易から利益を吸い取り続けるというのがアメリカの基本的なスタンスではないかと思われる。中国が経済破綻をおこし、アメリカにとって魅力的な国でなくなったら、とどめを指すようにアメリカはすでに確保している証拠や証人を使って他の国と連携して中国に対して責任追求を行うのではないかと予想される。私の予想は外れてほしいが。

#575 中国の流通貨幣の何%が偽札か

2022-01-19

インターネットによると中国の政府高官が首謀して偽札を作っていたということが報道された。札番号が全部同じ番号だったということである。これをそのまま信じる人がいるのだろうか。本体の札の印刷が本物そっくりであるならば、それぞれに違った札番号を印刷するなんて朝飯前ではないか。つまり中国の国内で流通している中国元の中で何%が偽札なのかを知っている人は偽札の首謀者しかいないのではないか。

そうすると、現時点で国際決済通貨としての中国元は極めて厳しい立場にある。元とドルの交換を申し込むためには、持ち込む元が偽元ではないということを証明しなくてはならない。国際的にそれを可能にするのは為替交換銀行へSWIFT経由で元を持ち込むことから始めなければならない。SWIFTはアメリカの手中にある。中国がAIIB(アジア投資銀行)でやろうとしたように、第2SWIFTができるだろうか。難しいのではないか。結局中国の偽元はSWIFTを発信する銀行の責任において保証させられていることになる。中国で流通している元の何%が偽元なのか興味深い。だから中国は電子マネーや暗号通貨のことを急ぐのであろう。

#574 台湾と中国の戦闘は起こるのか

2022-01-19

NHKのテレビで台湾が中国に攻められる可能性があると言っていた。私はそうは思わない。中国が台湾を攻めたらアメリカはどうするのか。考えてみた。アメリカの基本的な戦争に対する考え方は、まず敵に攻撃させて、アメリカが傷を受けるということをいつもしてきた。パールハーバーの奇襲も、アメリカは知っていたにも関わらず、やられて、議会がけしからんと開戦を決議したのであった。だから中国とアメリカの戦争が起きるならば第一撃はアメリカから中国ではなくて、中国からアメリカになるだろうと予測する。そうしたらどうなるか。アメリカはドルと中国元の為替交換を停止するだろう。それだけではなく国際銀行間の資金移動の中心となっているSWIFTから中国を切り離すことになるだろう。この二つのことが中国にとって致命的な経済破綻を生み出すことになるというのは、大学一年生でもわかることだ。そして経済破綻をした中国はアメリカに負けるだけではなく、国家の存続が破綻することになるのではないか、と予測する。これを誰よりもわかっているのは中国で、だから中国はジェスチャーとして台湾を脅したりしているが、アメリカに喧嘩を売るということはできないのではないか。

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