西和彦のエッセイ
#605 国際政治の二面性
2022-02-16ロナルド・レーガンの時代にスターウォーズというのがあって、ソ連とアメリカがお金を垂れ流しのように使って、宇宙軍備競争をした。結果、ソ連はお金を使いすぎて破綻した。アメリカはそれを期待してスターウォーズの軍備を見せつけていたのならば、とても戦略的な国家である。アメリカの政治学の教科書にはソ連のリアリズムの破綻のために、アメリカが計画したとは後付けで書いている学者はいても、当時そんなことをいう人はいなかった。しかし、国際政治の世界は表向きの大義名分と、裏の本音の世界がいつもあって本音の世界をいかにオブラートに包んで誤魔化すかが問われているような気がする。逆にいうと国際政治の本質はイデオロギーではなくて、お金であって、権力であって、支配であって、イデオロギーは後付けの理屈ではないか。彼の国においてはそうであるということを報道官の声明を聞きながら、この人は本当にそう考えているのであろうかと、いつも疑問を感じる。国際政治学者に当たり前のことを言ってどうすると言われそうだ。当たり前のことを当たり前に議論できる場が欲しい。
#604 大国のメンツとはなにか
2022-02-16米国とロシアと中国のメンツが対立している。アラブのメンツはドバイの博覧会が成功して一段落。インドのメンツはメンツよりも実利実益が大切なことはよくわかる。政治はメンツで動いているのかも。日本のメンツは何なんだろう。韓国に馬鹿にされたくない、というのが大きいのではないか。情けない日本。
#603 ロシアとウクライナの対立
2022-02-16戦争になるのか。戦争は回避されるのか。私は対立が数年続くのではないかとみている。ロシアは退却せず、アメリカも退却せず、睨み合いを続けることしか両者のメンツは守れないのではないか。バイデン大統領が任期切れで辞めれば状態は変わるかもしれない。睨み合いの一番大きな理由はロシアはやはり経済封鎖が嫌なのであろう。
#602 ARMどうなるの
2022-02-16孫さんはARMを上場させて株を自社株買いすれば株価は高止まりして、ビジョンファンドはお金ではなく現株を配ればいいと思っているだろうが、そんなことでうまくいくのであろうか。NIVIDIAとARMの合併の一番大きなエネルギーはNVIDIAのCEOのやるきだったと思う。これがなくなって、英国の貴族になってしまったARMの創業者連中が引き続きARMを世界にかんたるCPUメーカーにしていくことができるのか。私はそうは思わない。アメリカのIntelとAMDが毎日命懸けで戦っている世界が普通の世界で、それがアメリカの強さではないか。CPUのライセンス料だけでは収入ではひっくり返ってもIntelやAMDにはARMは勝てないだろう。
#601 EVモーターとEV電池
2022-02-16EVモーターで世界一になると言っている企業がある。へぇーそうなんだと、お手並み拝見である。EVモーターと並んで重要な部品にEV向けの電池がある。この電池は使っていくと劣化していく。挙句の果てに電池を交換しなくてはならない。スマホなども買い替えの一番大きな理由は電池が交換できないということである。電池を交換できるようにすればいいのに。エンジニアとしての良心。
必要最小限のことはEVの充電池の状態をどうモニタリングするかということである。自動車メーカーは全部の充電池の情報をクラウドで管理しようと当然思うし、電池メーカーはそれぞれの電池にマイクロプロセッサを載せてモニタしたいと思うだろう。ここの自動車メーカーと電池メーカーのせめぎ合いがこの数年間でカタがつくとみている。
#600 パソコンとスマホとIoTの未来
2022-02-16600ゲット! せっかくの機会なので私の一丁目一番地のテーマでお話申し上げたい。
パソコンはこれからどうなるのかについて考えてみると、パソコンは二つの分野に分れると思う。ノートPCのようなクライアントとサーバである。ノートPCについてはIntelとAMDのシェア争いが今後も続き、75%対25%ぐらいが50%対50%になって値段が下がり、ユーザは得をするだろう。サーバのCPUはLinuxが動くCPUが中心となって、x86、ARM、RISC-Vのメニコアがコア数を求めて競争を続けるであろう。コアが多いCPUが勝つのではなく、コア数×CPU のコストが最小になるようなシステムが勝つのであろう。もちろんメモリの帯域も重要なファクターである。最近NVIDIAがARM買収断念という報道がなされたが、この話はARMがIPOして、株価が安くなったときに再び蒸し返されるのではないか。ARMが英国市場に上場すれば一番喜ぶのはIntelであろう。
AppleのMx CPUはどうなるのかも興味深い。作った幹部のエンジニアはもはや転職してAppleに残っていないのではないか。そうするとMxの未来は真っ暗だ。IntelやAMDのペースでMxの代替わりを続けていくことができるか? お金があったらなんでもできるものとちゃいまっせ。これはお手並み拝見である。IPもろごとNIVIDIAにでも売って、NVIDIAに一兆円ぐらい出資して、あとはよろしくお願いします、ぐらいがいいのでは。。。大成功しているメーカーの大成功が続けばいいのにね。
スマホのこれからはARM版のWindowsをひっさげてMicrosoftがいつスマホに再参入するのかが興味深い。必ず来るような気がする。AndroidとiOSとARM Windowsのどれでも動くアプリが書ける技術が目の前まで完成している。あとは時間の問題だろう。
IoTのCPUについては 、一番大きな課題はセキュリティであろう。おもちゃのIoTはともかく、実用化のIoTについては送受信暗号化は必須となるだろう。パソコンやスマホ以上にセキュリティが問われる時代になるだろう。そこに対応することができた半導体メーカーだけが勝者になることができるのではないか。繋がればいい時代は終わりつつある。
#599 明日66歳
2022-02-09明日66歳になる。父親より長く生きることになるのに近くなってきた。父親の晩年、彼が何を考えて生きていたのかを最近よく考えるようになった。自分の生家である学校法人須磨学園が今年100周年を迎える。須磨学園の100周年記念誌の編集をしていて、歴史をまとめるということはどういうことなのか深く考えるようになった。自分のやったことを褒めるなんてとても出来ないし、してはいけない。せいぜい先代の仕事の評価と名誉を正しく記録することが自分に与えられた大きな役割だと自覚し、まとめなければならないと思う。
去年の秋に「反省記」という本を出したが、本当は自分の高校時代からの50年間を書いた本にしたかった。出版社の人から「西さん、半世紀より反省記の方が売れますよ」とそそのかされて、タイトルを「反省記」にしてしまった。アマゾンの書評で「ちっとも反省していない馬鹿」とたくさん書かれて、悲しかった。自分の人生は15年に一度大きな変化があって、15歳でコンピュータと出会い、30歳でマイクロソフトを辞めて日本に帰ってきてアスキーの社長になり、44歳でアスキーを辞めて博士号をとって大学人になり、60歳でもう一度エンジニアに戻って、5年経って、東京大学も定年退官した。60歳からの人生は75歳まであるので、この後9年で何をするのかが問われると思っている。何をするのかを考えると何かワクワクしてきて、毎日ノートにいろいろなプランを書いているところだ。コロナの時代だから、いつ死んでもいいように名刺とか資料とか本とかの整理も進めて行かなくてはならない。葬式の御会葬御礼はノーカット版の「反省記」にしようと思う。
#598 IoTの新しい電波方式HPWA
2022-02-09ローパワーのIoT信号伝送方式があって、LPWAという。数社の提案している数種類の公式があって、そのうち2種類くらいで落ち着くのではないかと思っているが、今度新しく全く違った方式を提案しようと考えている。それは長波で出来れば水の中も通るような帯域で、出力電力が数キロワットと大きいが信号がマイクロセカンドのオーダーで結局パワー×時間が小さいものという考え方である。現在調査、試作、検証中である。残された場所は海の中ではないか。
#597 ビル・ゲイツの残りの生涯のモデルは誰であろうか
2022-02-09離婚して世界一金持ちの独身男になったビル・ゲイツであるが、再婚はあるのかを考えてみた。最近コロナで人と会わない、ZOOMもよっぽどのことがないとしないみたいなので、まったくの私の想像であるが、二度と再婚はしないだろう。金持ちの独身男で思い出されるのはハワード・ヒューズである。ヒューズエアクラフトのオーナーで秘密の人生を送った人である。私はハワード・ヒューズの持株会社であるシューマ コーポレーションの社長 ビル・ゲイ氏と知りあってハワード・ヒューズのリアルな面をたくさん教えてもらった。その記憶とビル・ゲイツのこれからがオーバーラップする。どんどん秘密の人になっていくのだろうか。私は彼が独身であれ再婚であれ、幸福になって欲しいと心から祈っている。
#596 北朝鮮のICBM
2022-02-09北朝鮮がアメリカをターゲットにしたICBMを用意していると発表した。なんでも「アメリカ本土を射程に収め、世界を震撼させている」そうだ。私が知りたいのはこのICBMのガイダンスシステムが何なのかということである。通常の慣性航法システムなのか、どこの国のGPSを使ったシステムのなのか、ということである。確かにアメリカまで届くのかもしれないがガイダンスシステムのない核兵器に意味はあるのであろうか。それにアメリカの姿勢はパールハーバーのように、まずアメリカを破壊してくれ、そうしたら議会の決議を採って100発くらいの古くなったICBMを北朝鮮にお返しするということになるのではないか。100発の核爆発で北朝鮮の国土は全部溶けてしまうだろう。アメリカを絶対に敵にまわしてはいけないのではないか。韓国のようにアメリカをおちょくることも上手なやり方ではないと思う。今北朝鮮が38度線を超えて韓国に侵攻してもアメリカは朝鮮戦争の時のように韓国を助けないだろう。
#595 ロシアとフランス
2022-02-09フランスのマクロン大統領がロシアのプーチン大統領に会って平和交渉をした。なかなかカッコいいなぁ、と思われる。しかし、200年前にフランスがモスクワを攻めに行ったことなどを考えると、フランスにそんな役目はできないのではないか。マクロン大統領のスタンドプレーとみられる。しかし、ヨーロッパにはロシアとの間を取り持つ国はもはやいない。イギリスはロシアが大嫌いだし、ドイツはトップが変わったばかりで海外のことをやっているときではないし、他の国の国家元首にプーチンは会わないのではないか。よって、野心のあるフランスの登場となった次第。相互確証破壊の時代であるから、核兵器の使用はなく、ウクライナで非核の戦闘が、中国とインドのような感じで行われるのではないだろうか。弾を打っていい人はウクライナ人かロシア人であって、アメリカ人は戦闘に加わらない方がよいと思う。
#594 NVIDIAとARMの合併を潰した人は誰か
2022-02-09ネットで孫さんがNVIDIAとARMの合併はダメになったと発表していた。とても残念そうだった。ARMはアメリカのNASDAQで株式を店頭公開するそうだ。その方が儲かると負け惜しみのようなことを言っていた。私もこの合併が潰されたことがとても残念だ。潰した張本人は連邦取引委員会(FTC)である。アメリカ政府が何の意図でアメリカ企業のイギリス企業の買収を邪魔するのかわからない。私の勝手な推測であるが、他のアメリカ企業がロビイングして、この買収を潰したのであろう。そんなことをする企業は誰かを考えてみたい。グラフィックプロセッサーの大手NVIDIAが普通のCPUを持つことが困る企業は、CPUの企業である。そうするとそれは2社しかいない。IntelとAMDである。それぞれNVIDIAに対抗するグラフィックプロセッサーを持っている会社ではあるが、NVIDIAのグラフィックプロセッサーの方が高性能で安い。もう一つのCPUとしてRISC-Vというのがあるが、会社が小さすぎてロビイングにお金は使えないだろう。IntelとAMDにとって、第三極を作りたくないのであろう。そんなことをするのがどちらかは自明であろう。
#593 3回目のワクチン
2022-02-04色々考えた挙句、3回目のワクチンはファイザーなら打つ。他のものだったら副反応が強すぎるので私は打たないということにしようと思う。ファイザーが打てるところが少ないので困っている。
#592 モノの値段
2022-02-04クルマを売ることになって、中古車ディーラーに話をした。自分の考えていた値段の半分以下の値段だった。自分が売りたい値段の倍ぐらいの値段で買ったクルマである。自分の払った値段の4分の1ぐらいでしか売れない。ペットボトルのお茶はそういえば、山の上では300円ぐらいだし、ディスカウントストアでは75円だ。自動販売機では150円である。東京の最低賃金は1,041円である。お願い仕事をください、というと1日8,328円、1ヶ月16万6,560円になる。普通の会社員は月給30万円だし、お願いうちに来て仕事をしてくださいと会社に言わせたら月収60万円ぐらいになるのか。だいたい売るなら半分、買うなら2倍というのが世の中のモノの値段なのだろうか。買いたいと思ってもらえることがビジネスの奥義なのだろう。
#591 Intelの社長のホラ口
2022-02-04新しくIntelの社長になった人がAMDは二度とインテルに勝てないということをインターネットで宣言したそうだ。この人はIntelが世界中のパソコンメーカーに嫌われているという事実を認識していないのだろうか。いくらいい製品を作っても、会社は製品だけではなく会社と顧客との関係において商売が成立するのではないか。競争相手を蹴飛ばすためにIntelが今までしてきたことが数多くインターネットで報道されている。安くなってもホイホイとIntelについていくパソコンメーカーやサーバーメーカーがたくさん出てくるのだろうか。私はそうは思わない。
#590 ロシアの戦争、中国の戦争、アラブの戦争
2022-02-04ISの指導者がアメリカの特殊部隊にまた殺害された。アメリカはビン・ラディンやアル=バグダーディーや、アブイブラヒム・ハシミを殺害している。イスラムとアメリカは交戦状態なのだろう。
それ以外にロシアと中国とどうなるのであろうか。ロシアも中国も核兵器を所有している国である。相互確証破壊(Mutual Assured Destruction)があるのでロシアと中国とアメリカは戦争はできない、ということになっている。それでは、どこが危ないのか。私は中国とその南側の国が戦争の可能性があると思っている。戦争の理由は一般に二つあって相手国の国民の皆殺しか、相手国の領土の強奪である。中国以外に考えられるのは第二次朝鮮戦争である。韓国がアメリカと悪い関係に突入すれば、再びロシアの力を借りた北朝鮮が韓国に侵略することが考えれる。今度はアメリカは韓国を助けないだろう。逆に韓国に駐在するアメリカ軍が全滅することによってアメリカは反撃する大義名分を得ることになる。韓半島が朝鮮半島という名前に変わることになる。プーチンがウクライナを諦める代わりに朝鮮半島を取るという取引が成立するかもしれない。
#589 ユビキタスとIoTの違い
2022-02-04昔、ユビキタスコンピューティングという概念があって、全てのモノにマイクロプロセッサーが組み込まれ、それらが通信をして相互に仕事をするようになる、と言われていたが、結局そうはならなかった。一部の人はユビキタスが進化してIoTになったのだと言うが、私は違うと思う。IoTの必須の条件としてそこにクラウドの存在が必要である。24時間クラウドが動いていてそこに動いたり動かなかったりするIoTが繋がっている、またコントロールのパソコンが繋がっているということが必要ではないだろうか。クラウド経由で異なったプロトコルを持つIoTデバイスのプロトコル変換がなされるのである。ユビキタスコンピューティングはこの違ったプロトコルを持つ機器同士の相互接続と動作の保証について何も考えていなかったのではなかったか。だからユビキタスはダメだったのだ。IoTはそういう失敗をしないようにしなければ。