nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#103 ガラケーとスマホの共存

2017-04-25

マイクロソフトがWindows mobileでちゃんとしたスマホを出すまでと、スマホについては全機種持っているが
使ってこなかった。でも、そんなことを言っていられないので、日常持ち歩いてスマホを使うことにした。アップル、Android、Windows mobileと順番に使っているが、パソコンと連動ということを考えるとAndroidが便利だと思っている。スマホで写真を撮ってその写真が直ちにクラウド上にあがってデスクトップのパソコンからイメージを編集することができる機能がたいへん便利である。ガラケーの方は身近な人からのメールだけにしておいて、パソコンのメールはスマホでみている。どうしてもすぐに返事しなくてはならないメールにだけスマホのキーボードから返事をしている。と、いえば私の使っているスマホはBlackberryであるということはお分かりだろう。私のスマホとガラケーの使いようは何年か前のオバマ大統領と同じようになっている。実はBlackberryの一世代前の機種も持っていたが、クラウド連動がもう一つだったのであまり使わなかった。アップルのスマホiPhoneは確かに便利で洗練されているが、メインのパソコンがmacの人に向いているのであろう。もちろんMac OSの上にChromeブラウザを動かしてAndroidとの連携もできるが、やはりMac OSとiOSの連動は日毎に進化していくであろうから、MacはiPhoneと続くのであろう。僕のようにメインのパソコンがWindowsであるとGoogleの環境を使ってスマホと連動するのがいいのだろう。Blackberry現行モデルでいいから Windows mobileを搭載してくれればいいのだが。

#102 IoTメディアラボの課題

2017-04-25

4月1日から東京大学でIoTメディアラボという研究組織を運営している。活動の具体的なテーマがみえてきたのでご紹介したい。

まず、

IoTのプロジェクトベースドラーニングコース(大学院向け)
1. IoTシステムの設計と試作。
2. IoT向けのクラウドシステムの設計とプログラミング
3. 3Dプリンタを使ったプロダクトデザイン
4. プリント基板の設計と部品の実装

を半年かけて行う。10月に成果発表の予定。

つぎに企業スポンサーによる研究プロジェクトをIoT・メディア関係で展開していく。

#101 アメリカと中国の関係の行き着く先と日本のスタンス

2017-04-19

38度線へのアメリカの副大統領の視察やフロリダでの中国主席とアメリカ大統領の2日に渡る長時間の会合などから、世界はアメリカと中国が二分しているといっていいだろう。北朝鮮問題もこの前後関係のなかで捉えなくてはならない。ロシアの問題も、アラブの問題も同じである。

この問題の本質はリアリズムの究極の結果としての武力戦争ということではなく、リベラリズムの結果である経済戦争がその勝ち負けを制するものと思われる。大国の間においては核攻撃による相互完全破壊はどこかの占い師も言っていたようにここ100年くらいは絶対に起こらないようだ。しかし暴発の危険性や意図した自爆の可能性は必ずある。その犠牲になりたくないものだ。

経済戦争という視点でアメリカと中国を見ると、外貨準備高が急速に縮小している中国は危険である。しかし、大暴落が起こっても国家権力を活用すれば持ちこたえることができる。我々はこの大暴落防止をすでに2回みた。あと少なくとも5回は中国は大丈夫だろう。そのあとは大変なことになる。アメリカはあと何回なのかという中国の本当の体力がいかにあるのかを経済学者や銀行証券会社を動員して研究中なのであろう。

日本はどうか。もちろんアメリカと中国が風邪を引けば日本はくしゃみどころではない。日本も風邪を引くのだ。そして肺炎を起こして間違いなくアメリカよりも先に破綻する。日本の政府は誰がこのことを考えてくれているのか。今の政府は表面的には北朝鮮問題にもシリア問題にも中国問題にもニュースには本質的な情報は流さないのがやり方のようだ。国民をバカにしている。右翼ならばよいみたいな雰囲気があるが、右翼の国際政治方針は何なのであろうか。鎖国ではないだろう。

日本にも総理大臣がアメリカ大統領と何日も討議できるようなアジェンダを準備することのできるシンクタンクが必要なのではないか。ワシントンにはそのようなシンクタンクがちょっと数えてみても10以上ある。北京にもそういう組織が存在しているのであろう。日本にはXX総研という株式会社はたくさん存在しているが、ちゃんと仕事をしているのであろうか。私は傍観者として日本がしなければならないことはちゃんとされていないと思うのであるが、それが私の杞憂であってくれればいいのだが。

#100 北東アジアの地政学

2017-04-19

アメリカのペンス副大統領が韓国側から韓国と北朝鮮の国境である38度線を視察された。最近のアメリカと北朝鮮と中国の事態について政治色を抜いて純粋に各国のこれまでの思惑を分析しながら考えてみた。

アメリカが北朝鮮に先制攻撃をするだろうか。今までのアメリカの戦争の歴史はそうではなかった。アメリカは日本がしたようにどこかの国がアメリカに対して戦争を仕掛けたときにそれを理由に議会が戦争の開始を決議し、国民はそれを支持するということを繰り返しやってきた国である。そのことを考えると北朝鮮がアメリカに第1撃を加えることをアメリカは待っているのではないか。

サダムフセインの場合はどうかというと、サダムフセインは石油の決済をドルからユーロにシフトしようとした。これがアメリカの逆鱗に触れたのであると思う。つまり石油決済通貨がユーロにシフトすることでアメリカのドルが大きな打撃を受けるということである。これだけは何としても防ぎたかったのではないか。北朝鮮のいたずらはドルの偽札を作ったことであるが、優れた偽造防止の技術を使ってこの問題は過去のものとなった。

次の問題はICBMと核爆弾の開発である。北朝鮮が核爆弾とICBMを持っていけない理由は、アメリカは、北朝鮮の指導者が今までの国際ルールにしたがって政治を行うものではないと判断したことではないだろうか。前の世代の北朝鮮と中国の関係はよかった。中国の主席が江沢民の時代である。現在の中国の主席は江沢民派とは対立関係にある。つまり現在の北朝鮮と中国との関係は決してよいものだとはいえない。北朝鮮のほとんどの物資の供給は中国に依存しているのだが、それがいつ何時停止するかもしれない状態にあるのではないだろうか。それをアメリカはさらに中国をつついて北朝鮮の物資の供給を全面的に停止することを要求しているのはないか。つまり、中国がサポートしない限り北朝鮮は戦争はできないのである。そうすると残ったシナリオは、アメリカに対して核爆弾で自爆をするか、それとも北朝鮮でクーデターが起こる可能性をアメリカは待っているのではないか。だからクーデターの可能性は根こそぎにしたいのだ。中国に近いナンバー2を粛清したのも異母兄を粛清したのもクーデター一派にクーデターの正当性を与えるようなリーダーを生かしてはおけないということなのであろう。

トランプ大統領がシリアが化学兵器を使ったことに対して巡航ミサイルを59発も打ち込んだということのメッセージはアメリカの海兵隊が北朝鮮に侵入したときに化学兵器を使えばアメリカは必ず報復するというメッセージではないだろうかと予想する。

アメリカが援助しなくても援助してもクーデターが起こって、それに乗じてアメリカ軍が北朝鮮に兵を進めてもはやこれまでとなったときに核のボタンは押されるだろう。それは世界大恐慌の始まりのボタンではないか。そのあとアメリカと中国が38度線でにらみ合いを続けることになる。

#99 ハイブリッド自動車の理由

2017-04-11

機械工学科なのでIoTとメカニクスのプロジェクトも考えている。直接的に言うとハイブリッド自動車である。ハイブリッドにする必然的な理由は、①燃費がいいということであるが、②ピーク性能があがるということもある。エンジンの排気でターボチャージャーではなく、ジェットタービンを回して発電し、その電力でモーターを回しエンジンの出力に加えるのである。これはトヨタのプリウスが売れた理由にガソリンエンジンと電気モーターを両方動かしたモードが高速道路における瞬発的な追い越し力になるというのが好評だったことにヒントを得た。エンジンの排気は現在のところ消音器を通って外に排出されるものだけであるから、これを使ってタービンを回しても、エンジンそのものに対する影響はほとんどない。これを電気エネルギーに変えて電動モーターを動かすというのはエネルギー資源の再利用として研究するに値すると思う。15%くらいの効率アップになればと思っている。

これに減速する時のエンジンブレーキを本体の電動モーターを逆に発電機として使いエネルギーを回収するということをすれば、効果的なハイブリッド車ができることになる。

次に取り組みたいのはエンジンの高速点火である。エンジンプラグの数を1から4に増やし、エンジンプラグの直前に強力なコンデンサーを備えたイグニッションシステムを装備することによって燃焼効率を何パーセント向上させることができるかについても取り組んでみたい。

ということで図らずも就任早々自動車の開発をはじめることにした。

#98 電気自動車を考える

2017-04-04

電気・電子系のエンジニアであるが、最初は機械のエンジニアであった。だから自動車は空気石油式のエンジンが大好きである。電気自動車の類は乗ったことはあるが、まだ買っていない。最近ではハイブリッド車以外にガソリンでエンジンを回して発電する電気自動車も売れている。バッテリーを内蔵し、電動モーターしか積まない完全電気自動車もある。どのタイプがいいのかを考えてみた。

完全電気自動車はプラグインにして石油コストではなく電気コストで安くなるかもしれないが、どこかで原子力発電されているものだ。その発電された電気を消費することによってクルマは走る。ガソリンエンジンは石油の燃焼でエンジンが回って走る。ハイブリッド車はこのガソリンエンジンとモーター/発電機が共存した乗り物である。私はこのハイブリッドが一番理にかなう次世代の乗り物だと考える。まず、エンジンで効率よく加速する。動き出す時は電気モーターである。減速するときに運動エネルギーをモーターを発電機としてバッテリーに蓄電する。このメカニズムが唯一エネルギーを無駄にしないためのメカニズムではないだろうか。ほとんどのガソリンエンジン車はブレーキの中で発熱して、運動エネルギーは消費されてしまう。なんとも勿体ないことだ。電気自動車においては、その発電したエネルギーをバッテリーに蓄電して2次使用することによって効率のよいエネルギーサイクルを確立することができる。

テスラ自動車の時価総額が世界2位になったそうだ。トヨタはテスラが始まったときに早々と投資している。トヨタの先見性に敬意を表したい。世界の大手自動車会社がどのような新時代の自動車を出してくるのかが楽しみである。それまでは当分エンジン車を修理チューンアップしながら乗るつもりだ。

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