nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のコラム

#105 インターネット時代の機械翻訳に再びチャレンジしてみたい

2017-05-02

機械翻訳は20年ぐらい前からやっている。しかし、やってもやっても成果がでない。永遠の研究テーマかもしれないといわれてきた。文章を解析して意味を抽出するときに曖昧さがかならず残るからである。しかし、いったんプログラムが文章の意味を正確に把握すればそれを目的とする言語に翻訳することはほぼできるようになった。

高校時代にエスペラントという言葉を学んだことがある。世界中の人々が共通語を使うようになればどんなに便利だろうと思ったのである。一生懸命エスペラント語の文法や単語を覚えたがあとになってすでに米語が世界の共通語になっていたと気がついて嬉しいやら悲しいやら微妙な気持ちになった。国際連合大学の高等研究所で国連の公用語をサポートする機械翻訳システムを作ろうと10年ぐらい努力した。30か国以上の研究者と知り合いいろいろな活動を行ったが結果はあまり華々しくなかった。はやり国連で一番使われている言葉は英語であった。関係者は皆英語を話すのである。建前をサポートするためのシステムではなく、本音で使えるシステムを開発しないといけないということを学んだ。

この度の研究は第一段階として電子書籍を各国の言葉に翻訳するシステムの開発。第二段階をウェブの内容をマルチ言語対応するということをやってみたいと思っている。スマホがこんなに世界的に普及し、地球の人口の約半分の30億台のスマホによって、インターネットにアクセスはこんなにも簡単になった。しかし地球の上には100弱の異なった言葉がある。自分の国の言葉しか話せない人も多い。多くの人がインターネットにアクセスできるように今、問題は言葉の違いである。ある言葉が読めないとその言葉でかかれた知識は理解不能である。インターネットで使うことができる機械翻訳は不正確なものが多い。ここのところを解決して世界中で知識の共有が可能になるようなシステムを作ってみたい。

#104 ユビキタスコンピューティングとIoTの違い 私論

2017-05-02

何年か前、ユビキタスコンピューティングという言葉が流行った。世界的にもてはやされた概念であったが、今はIoTに変わったような雰囲気だ。

ユビキタスコンピューティングはあちらにもこちらにもコンピュータが存在し、それらがネットワークで結合して動くというイメージであった。そのことについて誰も反対はしなかったし、不可能だとは思わなかったが、実際にそういうことはあまり起きなかったような感じがする。しかし、IoTがユビキタスと一番変わっているところは「クラウド」という概念が入ってきてIoTの機器がインターネットを通じてクラウドとデータをやりとりし、そのクラウドのデータを元にしてAI的なソフトが動いて、その結果がまたインターネットを通じてIoT機器やその他のIoT機器に作用するというのが最近のIoTの流れのような気がする。しかし、IoT機器は千差万別、クラウドのAPIも千差万別であり、シングルベンダーがソリューションを提供することができるのは例外といってもいい。あらゆるレイヤーでマルチベンダーのIoTシステムを現在の動いている情報システムと共存させながら発達させていくには何が必要かということが求められている。業界の人たちの標準化の活動の効果がどれぐらいあるのかも興味深い。

#103 ガラケーとスマホの共存

2017-04-25

マイクロソフトがWindows mobileでちゃんとしたスマホを出すまでと、スマホについては全機種持っているが
使ってこなかった。でも、そんなことを言っていられないので、日常持ち歩いてスマホを使うことにした。アップル、Android、Windows mobileと順番に使っているが、パソコンと連動ということを考えるとAndroidが便利だと思っている。スマホで写真を撮ってその写真が直ちにクラウド上にあがってデスクトップのパソコンからイメージを編集することができる機能がたいへん便利である。ガラケーの方は身近な人からのメールだけにしておいて、パソコンのメールはスマホでみている。どうしてもすぐに返事しなくてはならないメールにだけスマホのキーボードから返事をしている。と、いえば私の使っているスマホはBlackberryであるということはお分かりだろう。私のスマホとガラケーの使いようは何年か前のオバマ大統領と同じようになっている。実はBlackberryの一世代前の機種も持っていたが、クラウド連動がもう一つだったのであまり使わなかった。アップルのスマホiPhoneは確かに便利で洗練されているが、メインのパソコンがmacの人に向いているのであろう。もちろんMac OSの上にChromeブラウザを動かしてAndroidとの連携もできるが、やはりMac OSとiOSの連動は日毎に進化していくであろうから、MacはiPhoneと続くのであろう。僕のようにメインのパソコンがWindowsであるとGoogleの環境を使ってスマホと連動するのがいいのだろう。Blackberry現行モデルでいいから Windows mobileを搭載してくれればいいのだが。

#102 IoTメディアラボの課題

2017-04-25

4月1日から東京大学でIoTメディアラボという研究組織を運営している。活動の具体的なテーマがみえてきたのでご紹介したい。

まず、

IoTのプロジェクトベースドラーニングコース(大学院向け)
1. IoTシステムの設計と試作。
2. IoT向けのクラウドシステムの設計とプログラミング
3. 3Dプリンタを使ったプロダクトデザイン
4. プリント基板の設計と部品の実装

を半年かけて行う。10月に成果発表の予定。

つぎに企業スポンサーによる研究プロジェクトをIoT・メディア関係で展開していく。

#101 アメリカと中国の関係の行き着く先と日本のスタンス

2017-04-19

38度線へのアメリカの副大統領の視察やフロリダでの中国主席とアメリカ大統領の2日に渡る長時間の会合などから、世界はアメリカと中国が二分しているといっていいだろう。北朝鮮問題もこの前後関係のなかで捉えなくてはならない。ロシアの問題も、アラブの問題も同じである。

この問題の本質はリアリズムの究極の結果としての武力戦争ということではなく、リベラリズムの結果である経済戦争がその勝ち負けを制するものと思われる。大国の間においては核攻撃による相互完全破壊はどこかの占い師も言っていたようにここ100年くらいは絶対に起こらないようだ。しかし暴発の危険性や意図した自爆の可能性は必ずある。その犠牲になりたくないものだ。

経済戦争という視点でアメリカと中国を見ると、外貨準備高が急速に縮小している中国は危険である。しかし、大暴落が起こっても国家権力を活用すれば持ちこたえることができる。我々はこの大暴落防止をすでに2回みた。あと少なくとも5回は中国は大丈夫だろう。そのあとは大変なことになる。アメリカはあと何回なのかという中国の本当の体力がいかにあるのかを経済学者や銀行証券会社を動員して研究中なのであろう。

日本はどうか。もちろんアメリカと中国が風邪を引けば日本はくしゃみどころではない。日本も風邪を引くのだ。そして肺炎を起こして間違いなくアメリカよりも先に破綻する。日本の政府は誰がこのことを考えてくれているのか。今の政府は表面的には北朝鮮問題にもシリア問題にも中国問題にもニュースには本質的な情報は流さないのがやり方のようだ。国民をバカにしている。右翼ならばよいみたいな雰囲気があるが、右翼の国際政治方針は何なのであろうか。鎖国ではないだろう。

日本にも総理大臣がアメリカ大統領と何日も討議できるようなアジェンダを準備することのできるシンクタンクが必要なのではないか。ワシントンにはそのようなシンクタンクがちょっと数えてみても10以上ある。北京にもそういう組織が存在しているのであろう。日本にはXX総研という株式会社はたくさん存在しているが、ちゃんと仕事をしているのであろうか。私は傍観者として日本がしなければならないことはちゃんとされていないと思うのであるが、それが私の杞憂であってくれればいいのだが。

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