nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のコラム

#121 ロボットの未来 - 人間の形をしたロボットの開発をやめるべき

2017-11-24

1975年から42年間ロボットの進化を見てきた。早稲田大学のロボットはWABOTといって、加藤一郎教授の研究室で開発されてきた。私はその研究室で加藤先生に「君はロボットを 制御するコンピューターをやりなさい」といわれ、ロボット研究室なのにコンピューターの世界にはいった。ハードディスクコントローラーをミニコンにつけたり、ロボットのコントローラーとしてのマイクロプロセッサーとかモーターにマイクロプロセッサーを埋め込んだインテリジェントモーターなどを作っていた。メカとしてのロボットと人間と日常の関係を持ったロボットの姿も考える対象であった。1997年にロボットの未来シンポジウムの実行委員として機械学会でロボットのあるべき姿について国際シンポジウムを企画した。

その時の結論として「人間の姿をしたロボットの開発はやめるべきだ」というのがあった。いわゆる「ターミネーター」である。ロボットが無限エネルギーを持ち、殺人をプログラムされたらどうなるだろうか。人間にはたとえ殺人鬼でも人の心はある。しかしロボットにはバランスのない殺人だけのプログラムが搭載されれば、そのロボットは永遠に殺人を続ける。人間からその一部を取り出したロボットは人間と同じ形にするべきではないのではないか。

ソフトバンクが「ペッパー」という対話型キオスクのロボットといって売っている。300億円の累積赤字を作ったそうだ。「あれはロボットではない」というひとも多い。そうしているうちにGoogle傘下のロボット開発会社も買ってしまった。金額が公表されていないところをみると、Googleはソフトバンクにただで譲ったのかもしれない。日本でデモの展示会が先日行われたという報道があった。ホンダのロボットを動作をよりリアルタイムにしたような感じの人間型ロボットが出ていた。犬のように四つ足で動くロボットもあった。この四つ足の上にペッパーの上半身を乗せれば「ペッパータウロス」という名前のロボットになるのであろうか。それはないだろう。

ファナックが作っているような人間の手を進化させたものや、医療手術ロボットのダヴィンチのような、単機能ロボットは確かに成功している。人の能力の外延を拡張する機械は電話であれテレビであれVRであれ成功してきた。人間の手を拡張する機械と、人工知能を積んだ自律型ヒューマノイドでは本質的にまったく異なる機械である。ソフトバンクが人工知能とロボットで未来を提案するというビジネススタンスに疑問を感じる。何百億も赤字が出てもビジョンファンドがあるから大丈夫なのだろうか。

#120 卵を食べて120歳まで長生き

2017-11-15

最近90歳なのにどう見ても70代にしか見えない人にあった。ご婦人も70代のような感じである。 「若さを保つ秘訣がなにかあるのでしょうか」と聞くと、「毎日卵を五つ食べています」ということであった。 夫婦そろって若いということは共通した何かが原因で加齢が進んでいないのであろうと想像した。

卵はタンパク質スコアが最高の食物である。卵が体のなかで分解されてアミノ酸や核酸になる。 核酸のATGCが十分にあるという状況が細胞分裂のときに必要なのだそうだ。 これがない人がいた。ベジタリアンだったスティーブ・ジョブズである。 DNAのコピーミスによって発ガンしてしまった。逆にコピーミスの低いDNAがたくさんあれば、 細胞はそのもてる寿命いっぱいまで生きることができる。 70年以上豊富なタンパク質環境でDNAのコピーエラーが少なかったことが長寿と若さの理由であるような感じがした。 私はいままで卵を朝一つしか食べていなかったが、とりあえず三つ食べることにした。 仮説だけではなく実際にこのことを検証してみたいと考えている。

#119 トランプ大統領 アジア歴訪の旅

2017-11-15

建前だけの記者発表をベースにした新聞とテレビの報道にはほどほど愛想がつきた。テレビのコメンテーターはほかの番組や新聞やインターネットを見てコメントしているのが丸わかりである。 夜のニュースショーはほんとうにショーであった。 私は私なりに建前としての報道発表以外に話し合われた内容を想像してみた。 今回の訪問のハイライトは何と言っても中国がアメリカに莫大なビジネスを与えたことの代償はなにかということである。 それは二つあるのではないかと想像する。

一つ目は、韓国からアメリカ軍が撤退してほしい。
二つ目は、南シナ海からアメリカ軍がいなくなってほしい。
と、いうことではないだろうか。あんなにたくさんのビジネスをもらっていて、 それでも韓国と南シナ海に居座るというのはどうなのであろうか。

韓国のトランプ大統領に対する無礼と中国の動きは呼応する。ベトナムとフィリピンは中国に蹂躙されてきた。 それらの国を回ってアメリカのスタンスをそれぞれの指導者に伝えようとしていたのではないか。

まさかたくさんの注文をもらって韓国とベトナムとフィリピンを見捨てる判断をしたのではないことを信じたい。

日本はアメリカの言うことならなんでも聞くと思われているみたいだ。たしかにそのとおりであるが、 アメリカが日本にアメリカの代わりに戦争しろと言ったら日本は戦争をするのであろうか。 アメリカは中国と遠く離れているからいいだろうが、日本は中国に地理的に近い国である。 663年の白村江の戦いで当時の日本は唐と新羅の連合軍と戦い、負けて北九州は唐に占領されることになったという。 今もし中国と日本が戦って負ければ日本は間違いなく中国に占領されてしまうだろう。 そのときにアメリカは日本を守ってくれるのか。

韓国はアメリカを切って中国と仲良くすることを選んだみたいだ。そして韓国と北朝鮮が合併でもしたら、 統一新羅みたいなもので、その次は南北合併した新国家と中国は対立するのであろうか。

北朝鮮の問題は、北朝鮮の問題ではなく、アメリカと中国の代理戦争であると考えたほうがよいだろう。 もともと北朝鮮と中国は仲が良かったのだが、現在の国家主席になってから関係はよくないみたいだ。 胡錦濤と仲よかったから習近平とはうまくいかないのであろう。 だから北朝鮮はロシアにかけこんで、ロシアもそれをサポートしている。 好き嫌いの問題ではなく、ロシアは韓国に向かってパイプラインを引きたいだけなのではないか。 中ソ北の国境を南に持ってきたいだけではないだろうか。

私は日本は100パーセントアメリカの言うことを聞きながら、ロシアとの関係も中国との関係も大切にするべきではないかと思う。 しかし、ロシアとの決済にも米ドルを使うべきだし、中国との決済にも米ドルを使ってアメリカ経済圏に日本がいるということは逸脱してはならないと思う。

アメリカと中国とロシアの間で振り回されている韓国と北朝鮮が気の毒である。その意味で日本の戦後の安全保障政策は正しかったと言える。

敵の敵は味方という。アメリカの仮想敵国である中国の敵である国はインドである。インドは中国と国境紛争を抱えている。これからアメリカと日本の同盟国としてインドも注目されるであろう。 マスコミは友好国という表現を使う。フレンドという英語の訳は友達だけではない。味方という意味もフレンドにある。日本の報道を読むたびに原文がなにかを考えながら読まないとその本心はわからない。

#118 トランプ大統領 訪日訪韓に向けて

2017-10-19

11月にアメリカ大統領が訪日訪韓する。日本は2泊、韓国は1泊といわれている。この訪問で北朝鮮問題は進歩するのであろうか。金正恩とのトップ会談は絶対にないだろう。北のトップがノコノコと出てくるわけがない。また北朝鮮にアメリカ大統領が訪問するということはセキュリティの関係上ありえない。そうすると日本のトップに会うためにわざわざ今頃日本に来るかというと、それもありえない。韓国の大統領に会いに来るかというと、それもありえない。残る可能性は極東において中国の習近平とロシアのプーチンとトランプが第二次世界大戦のポツダム会議のように集まって、ポスト北朝鮮の戦利品の分割交渉に来るということが無責任な予想として考えられる。安倍総理大臣もそのころには再選され、オブザーバーでトップ会談に出席してたりして。

アメリカの考えるオプションは大きく分けて4つあるそうだ。

一番目は、睨み合いを続ける。
二番目は、アメリカが先制攻撃をする。
三番目は、北朝鮮が先制攻撃をする。
四番目は、北朝鮮国内でクーデターが起こる。

これらそれぞれに、また数種類のオプションが存在する。現在の国連の制裁で注目しなければいけない点は、金正恩の海外個人ドル資産5700億円は凍結されていないということ。世界中の北朝鮮関係の会社や政府高官の資産はすべて凍結されているのに本人の資産は見逃されている。これはアメリカが金正恩に対して問題の解決を求めているという最大のジェスチャーであると思う。

二番目のオプションであるアメリカの先制攻撃は今までのアメリカの戦争を見ているとよほどのことがない限りないであろう。もちろんアメリカは、アメリカ本土やグアムやハワイや同盟国が攻撃されれば反撃する。反撃の内容については一瞬にして北朝鮮を壊滅させるシナリオなのであろう。

つまり、トマホーク2500発で北朝鮮の軍事拠点を破壊。

次にEMP爆弾を平壌上空で破裂させ電磁気攻撃で電気情報インフラを破壊。ソウルも巻き添えになるがそれはやむなし。

つぎに地下150メートルにある金正恩のシェルターについては、おそらくアメリカは設計図はすでに入手しており、その複数のシェルターに対してMOABを連続して2発、合計地下100メートルまで穴をあけ、そこに戦術核爆弾を投下するだろう。これによって少なくても150メートルにあるシェルターは一瞬にして溶けることになる。3発目は核爆弾だと予測する。戦後3発目の人を狙った核爆弾がアジアで投下されることになれば悲しい。

先日北朝鮮の高官がロシアを訪問したという報道があった。美人のおねえさまでとても軍事的な打ち合わせのために訪露したような感じではなかった。テレビを見ていて私はこの人は金正恩が亡命するための不動産をロシアに買いに行ったのではないかと直感した。万一のときにロシアに亡命して残りの人生を過ごす場所の確保のためである。そういう風にいうとプロにバカにされるであろうか。

北朝鮮の先制攻撃はよほどのことがない限りないだろう。相互確証破壊(MAD)という核を使ったら必ず核によって潰されるということだ。

四番目のオプションのクーデターの可能性については短期的には難しいが長期的には健康を害して病気になることも含めて可能性は高い。アメリカの今までのやり方は敵国内の反動勢力に資金援助を行い、クーデターを誘発することをやっているのであろう。北朝鮮へのチームの派遣とは現地人のリクルートを主な任務にしているのかもしれない。

そういう色々な要素が準備されたので、いよいよトランプ大統領が現地に乗り込んで中国とロシアとアメリカの会談をするのではないかというのが私の分析である。北朝鮮は大国の代理戦争の舞台になるのだ。

#117 究極の価値観は好きか嫌いか

2017-10-02

株式公開企業の社長だったときに、さる省の事務次官と話す機会があり聞いたことがある。そのとき私は「官僚と政治家の違いはなんなんでしょうか」と聞いた。そうしたらその次官殿は「官僚はロジックで動かなければならない。政治家はロジックではなく、好き嫌いやしがらみで動いてよい。」と話された。なるほど名言であると思った。国民がその地方選出の政治家に陳情する。そうするとその政治家は自分の選挙区に利益誘導を行う。公平性の原則は政治にはない。そんなことを事務次官が自分の出身地にすればたいへんなことになる。私は森友も、加計も、通常の政治判断であるならば大騒ぎすることではないと思うのである。報道を聴きながら、「ああ、やっぱりな」とガッカリしたのであった。

日本を代表する大企業の新年会に知り合いが行くと言うので、中興の祖とよばれる実力会長に質問してくれとお願いしたことがある。「御社の究極の人事の基準はなんですか」と。答えは「そりゃもう、好きか嫌いかに決まっとるやろ」ということであった。元旦の日に会長宅でお屠蘇が入った席での話である。「常務や専務は違うけどな。実績がすべてよ。」ともおっしゃったそうだ。日本を代表する大企業にして好き嫌いが大切と。政治家を選ぶ基準は好き嫌いでいいのではないか。希望の党の受け入れ基準は代表の好き嫌いで決まるという感じがする。

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