nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#8 インターネットの次のフロンティア

2014-12-24

北朝鮮が米国のソニーピクチャーズに対して、DOS攻撃をしたということが理由で、北朝鮮は一時インターネットから切断されてしまったらしい。アメリカが中国に頼んで中国が切ったそうだ。事故でネットワークが切断されるということはあっても、人為的にインターネットが切断されたことは、インターネットの歴史がはじまって以来はじめてのことではないだろうか。他に危害を加えるノードを強制的に切断するとということはネットワークの安全性を確保するということでは必須のことであるが、とても悲しいことだ。これだけインターネットが拡まった世界でネットワークから切断されるということは、空気を吸うな、水を飲むな、というわれるようなものだ。インターネットが無料で人類に知識を提供している限り、インターネットへのアクセスも基本的人権の一つとして数えならなければならないのではないか。

考えてみればインターネットのカバレージは米国からはじまりヨーロッパに、アジアに伸びてきた。ほとんどの陸上では高速デジタル回線でつながる。またケータイ電話の基地局がカバーする空中や衛星のカバーする地域でもつながる。航空機の中でもつながる時代になってしまった。次はどの部分が未接続の世界なのであろうかと考えた。

一つは地球の大部分を占める海の中、もう一つは地球の周りをカバーする宇宙空間であろう。

海の中については、電波が通じないので、おそらく光であろう。世界中の海にインターネットのアクセスのための光送信機と受信機をつけた自家発電可能なブイの開発が望まれる。

最近地球から発射される宇宙探査機や宇宙ステーションのインターネット接続はどうなっているのであろうか。冥王星や天王星の近くを飛んでいる探査機がルーターになって、宇宙ステーションもルーターになって、インタネットのカバレージが太陽系全体になったときに、ドメインに「.earth」「.mars」「. moon」などがつくのかと思うとワクワクするのである。今年の年末、来年の正月の宿題は水中インターネットと宇宙インターネットにしようと考えている。

#7 パソコンスティックを買った

2014-12-17

40年近くホームコンピュータとはなにかを捜し求めてきた。1983年にMSXというパソコンを作った。数百万台売れたが若い人にしか売れなかった。パソコンが安くなれば一家に一台になるかと思ったが1万円になっても一家に一台にはならなかった。コンピュータを設計する人間として大きな挫折を味わった。電話やテレビのように一家に一台になるコンピュータとはどのようなものか、模索が始まった。答えばネットワークであった。当時はまだインターネットがなかった時代なので、電話回線に電子メールやBBSなどをつなぐぐらいであったが、80年代の後半に安いコンピュータとネットワークが繋がったものが一家に一台になる、一人に一台にになるコンピュータになると確信した。インターネットブラウザをはじめて見た90年代の始め、インターネットとパソコンの組み合わせがパソコンを一人に一台にする可能性があると信じてきた。

最近パソコンの上で動いているブラウザよりもケータイ電話の上で動いているブラウザの方が、インターネットのアクセス数が増えている。この現象をどう考えたらよいか。パソコンがケータイに負けたのか、WindowsがiOSとAndroidに負けたのか、見極めるにはまだ時間が必要であるが、パソコンもスマホとインターネットに繋がっている。次にインターネットにつながる端末としてテレビがある。2kのテレビや4kのテレビがたくさん売られるようになった。インターネットに繋がって映像を観る機能は付くようになった。インターネットのブラウザが搭載されている。しかしそれはどこまでいったとしてもテレビにブラウザが付いただけで、コンピュータの機能が全部そこにあるわけではないのだ。テレビと一体化したコンピュータとはどのようなものであるか、考えてみたい。可能性は幾つかある。Windowsの動くテレビ、Chromeブラウザの動くテレビ。3つ目はiOSの動くテレビ。この3つの商品の可能性がテレビの未来と言っていいのではないかと思わざるを得ない。

最近Chromecastというテレビアダプタを買った。5000円もしない抜群の商品で、テレビをYoutubeをみるのに最適な商品であるが、ほとんどのテレビはYoutubeを観る機能が付いている。だからChromecastの機能はChrome OSが動けばよいのではないか。また最近Windowsスティックも買った。中にWindowsパソコンがそっくりそのままはいっているパソコンである。Windows PCもこんな時代になったのかと考え深いものになったものだ。Windowsスティックを使いながら、 このWindowsの上にいくつかのキラーアプリが動き始めたときがネットTVがホームコンピュータに移行するときなのだと予測した。AppleはMacは送り手のプラットフォーム、iOSは受け手のプラットフォームという区別をしているが、Apple TVは、どこまでいってもTVであって、安いのだが売れないのでないか。iOSが動くApple TVのような商品があってもよいのではないかと思う。

#6 私の使っているパソコンとケータイ

2014-12-10

世界で200台しかないといわれているApple Iがオークションにかけられて予想落札価格が1億円という。1977年にサンフランシスコのシビックオーディトリアムのウエストコーストコンピュータフェアの会場で、スティーブ・ジョブズに、現金なら500ドルにしておくといわれたが、いらないと言ったことが昨日のことのように思い出される。

マイクロソフトで仕事をしていた経緯もあって自分が使っているパソコンはWindowsである。XPと7と8を並行して使っている。アタックされたくないのでXPはオフラインである。スマホはiPhoneとAndroid、タブレットはiPadとAndroid、Surfaceを使っている。なんでも使える環境にあって、自分は今までガラケーとiPad miniを使ってきた。なぜなら、一番電池の保ちがよく、重さが軽いからだ。 このふだん使いのガラケーとiPad miniを変えようと思い始めた。それは自分のワークスタイルをクラウドに移行させていこうという決心をしたからである。まず手始めにガラケーをスマホに変えたい。Amazonで海外からWindows mobileを注文して日本では絶対に盗聴されないdocomoのSIMを入れることにした。Surfaceは一番軽くて薄いSurface 3にする。ケータイとWindowsパソコンとの連携を追求するアプリを作ってみようと思う。

最近テレビに差し込むWindows PCスティックが発売された。初期ロットは即日完売ということだ。そのうち4Kのスクリーンをサポートする機種も出てくるであろう。そうしたらこれをクラウドにつないで、スマホとタブレットとTVがクラウドにぶら下がる。そこに順次仕事のベースを移行するようにやってみようと考えている。自分は国家安全保障や過激派とは何の関係もないし興味もないので、クラウドに置いてある自分のファイルを誰に見られても一向に構わないが、気分が悪いのでOneDriveやGoogle driveに頼らないで自分ドライブを作って少なくても日本国内でのパソコン使用については自前で完結するシステムを構築するのだ。

昔ビル・ゲイツにGoogle driveが出たときにWindowsの客がGoogle drive経由でMacintoshに逃げていくのが怖いと言ったことがあったが、Windowsの客はGoogle drive経由で、AndroidやChromeに逃げていくのであろう。Chrome OSでWindowsと同じ仕事ができるのか、実験してみようと考えている。

#5 NTTはdocomoに負けたか!?

2014-12-03

先週アメリカに出張した。スマホの売れ行きを見にショッピングセンターに行った。ソフトバンク=スプリントの影も形もなかった。孫さんは長く厳しい戦いになるだろうと認めたそうだ。借金10兆円で5000億円しか儲からないというのは、10億円のビルを貸して月に400万円しか収入のない不動産事業の1万倍規模である。不動産は地震がない限り潰れないが、企業はいきものである。10兆円を返すことができるのであろうか。中国の企業を上場させヤフーのように売り飛ばして借り入れを返すのだろう。だから心配していない。お手並み拝見である。

ところがNTTグループは外から見ててもたいへんであろう。有線電話のNTTには未来はない。長距離通信をdocomoに貸せばよいのに、docomoは自前の長距離通信を持っている。NTT東と西はdocomoと再編して両者が生き残ることのできるようにしなければならないのではないか。ニュースやNTT発表の資料を読む限り、そのような経営努力は行われていないようだ。大きな会社は本当に困るまで動かないものなのだろうか。今から20年前、NTTグループの再編成の論文を書いたことがある。今読み返してももっともなことを書いていた。マスコミはNTTとdocomoのボロ負けについてしっかりと書くべきではないか。広告をたくさんNTTにもdocomoにもソフトバンクにも出してもらっているのでクライアントを不機嫌にする記事は書けないのであろう。気がついたら日本の電気通信はボロ負けになっているのがオリンピックの2020年か・・・

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