nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#17 「週刊アスキー休刊、ウェブに全面移行」私ならこんなことはしない

2015-03-31

知り合いから電話がかかってきて「週刊アスキーが休刊するって知っているか」、と教えてもらった。思えば20年くらい前に会社再建の社運をかけて立ち上げた週刊誌だったのにやめてしまうのは、とても残念である。

週刊誌がウェブに負けるのはスピード問題である。角川の内部のことはなにも知らないので、そとから見た想像の話であるが、誰かが歴彦さんにいい格好して「ウェブに全面移行しましょ」なんてささやいたのだろう。どうかと思う。角川のような大出版社は大金をはたいて買収した週刊誌でも、トイレの水を流して電気のスイッチを切るような感じなのだろうか。

ウェブの発表文にはインターネットに移行すると書いてあるが、誰が書いたのか知らないが間違った戦略である。1週間待てないなら、週刊誌から日刊紙に変えればよいではないか。Windowsの発売日に使える割引クーポンを印刷したマイクロソフトの広告なんて載っていたりして。あと、金曜日に特集主体の日曜版を出して週刊誌も温存することも可能ではないか。週刊誌を休刊したあとにしなければならないことは日刊紙の夕刊アスキーを刊行することではないか。インターネットの時代ですべてはウェブになると言う人がいるが、私はそれは間違いだと思う。紙にインキで印刷したメディアは決してなくならないし、有料で情報を買ってもらうことができる最適なメディアである。無料のウェブサイトの広告をあてにするのはテレビの民放モデルである。出版は広告よりも記事の中身で読者に買ってもらうのが本筋ではなかったか。

私なら夕刊フジのようなタブロイド版の日刊 夕刊紙を出す。「夕刊アスキー」である。東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、仙台、広島、札幌、福岡で発売するのだ。新聞社と提携して宅配もする。もちろん電子版も。ウェブも連動させる。出版業界にいない負け犬の遠吠えと言われるのであろうか。しかし、週刊アスキーの初代発行人としてそれぐらい言ってもいいだろう。

#16 次の研究テーマは、「クリーンエネルギー」と「マイクロ手術ロボット」

2015-03-25

60歳からの研究テーマを模索中であるが、新しくターゲットにすることに決めたのはエネルギーである。その背景として福島の原子力発電所が3.11のときにメルトダウンを起こしていたことが最近明らかになった。この報道がなされたのは最近のことであるが、原子力の知識のある人なら爆発が起こった時点で当然予想されたことであろう。しかしそれが事実として確認されてみると大変なショックである。私は原子力発電に対して賛成でも反対でもない立場であるが、メルトダウンはショックである。

21世紀のエネルギーの研究をはじめようと思う。第一の条件は石油やLPGや原子力を否定することなく、クリーンを追求することではないか。その方法を模索することにしたい。

2つ目はコンピュータと医学である。最近CTやMRIを使って自分の体の中を見る機会があった。あと3次元プリンターを使ってそのデータをプラスチックモデルで作成中である。また、マジックハンドのような内視鏡でのロボット手術もはじまっている。これらのデータを統合することによって新しい時代のマイクロロボット手術の可能性について考えてみたいと思っている。2020年を目処になんらかの形になるようなものを仕上げたいと考えはじめた。

#15 私の予測するWindows 10とWindows Mobileのシナリオ

2015-03-18

Windows 7とWindows 8のユーザーに対して、Windows 10のアップデートを配るという発表があった。スティーブ・バルマーが社長をしていたことのマイクロソフトなら決してありえないはんだんであり、新しい社長になってこそ可能となった戦略なのだろうと思う。すべてのユーザーベースをWindows 10に誘導し、クラウドビジネスをさらに推進しようと考えているのだろう。どうもアメリカには「10」という数字に対して特別な思いがあるようだ。 「10」というのは、超セクシーで美しい女性、満点美女という意味のスラングである。だからWindowsも完成に近づいたOSとして、9を飛ばして10になった。Whindows 10は完璧なWindowsであるという気持ちが秘められている。

さて、WIndowsPCとAppleのシェアについては、インターネットのウェブアクセスのトラフィックから分析すると、Appleが10%くらいである。あとは、Windowsである。しかし、この90%くらいのWindowsは、Xpや、7、8など、さまざまなバージョンのWindowsであり、マイクロソフトのクラウド戦略の障害のひとうになっていた。これがWindows 10といういひとつの統一されたプラットフォームになれば、クラウドサービスとクライアントOSの最多のシステムとなる。

全世界のパソコンの8割や9割がいきなりwindows10ベースになったとき、多くのアプリケーションやサービスが間違いなくその上で展開されることになる。そのWindows10のユーザーインターフェースの「Moder UI」になれたユーザーが自然に移行していくのが、Windows Mobileになるのである。だから日本でのWindows Mobileの投入はWindows 10のリリースのあとであろう。AppleのiPhoneとiPadとMacの世界に生きている人もいる。AndroidスマホとChromeBookに生きている人もいる。マイクロソフトはパソコンのユーザーベースをテコにWindows Mobileのユーザーをじっくり増やしていきたいのであろう。そのときに鍵になるのは、パソコンのModern UIとモバイルのMdern UI、両方で動くアプリケーションである。これが、x86とAtomで両方動くバイナリを効果的に作る方法が確立されば可能になる。もちろんとっくにこのようなことは計算済みなのであろう。

スマホとパソコンがクラウドを経由して繋がったユーザーアプリケーションとは一体どのようなものなのであろうか。それは一つは、メールソフトがすべて統合されてfacebookのメールも、Gmailも、Hotmailもどんなメールも読むことができるメールソフトがでてくるであろう。されにWordやExcelなどのデータがクラウドにファイルされて、どこからでもファイルが見れることではないか。カレンダーにいろんなデバイスからアクセスできる。また、カレンダーをいろんな人と共有できる、などなど。ほとんどすべての生活環境の情報がModer UIやiOSやAndroidの上で動くようになるのであろう。そうすれば、そういうことを考えるAppleの次期OSは、iPhoneとMacのOSが統合されるのではないか。AndroidとChrome OSが合体したOSが出たとしてもGoogleの優位はあまりない。いずれにしてもマイクロソフトのWindowsとWindows Mobile、AppleとMac OSとiOS、GoogleのChrome OSとAndroidのこの3大OSメーカーの競争の中で必死に生き残ろうとしているBlackBerryの戦略も面白かったりする。

#14 ガラスのCD-Rのメリット

2015-03-11

CDをガラスのCD-Rにコピーして音が良くなるのはなぜか。ガラスのCDがあって、普通のCDプレイヤーで再生しても音が良いといいわれてきた。ただ問題は値段が高くて1枚10〜20万円もする。だからなかなか手が出ない。これが5万円以下になれば買いたいと思っていた。知り合いの知り合いの人が勤めている会社が、このガラスCD関係の開発をしていて、ガラスのCD-Rを作った。その試作品を聞く機会があったのでレポートしようと思う。

結論から言って音が大変良くなったことに驚いた。プラスチックのCDとガラスCD-Rの違いは、プラスチックとガラスの乱反射の違いではないかと推察される。つまりプラスチックのCDのディスクのなかでレーザー光線は乱反射して、乱反射すればデータはなまり、それがジッターとなってプレイヤーから出てくる音楽信号にジッターが乗っていることになる。このジッターがガラスディスクの場合は乱反射の量が少なく、プレイヤーの出力はジッターの量がすくなるという仮説を立てたのである。ちかくジッターを測る計測値を使って効果を確認する予定である。プレイヤーとDAコンバーターがワードクロックで結合されていてルビジウムのようなクロック発振機を使っていると、プラスチックCDとガラスCDの差はほとんどでないようだ。だからジッターの多い少ないが音の良さ悪さになっているのであろう。

もう一つプラスチックCDとガラスCDの違いがある。それは、プラスチックCDにおいてはプラスチックに紫外線があたるとプラスチックが分解され水は酸素や水素が発生する。これらがCDデータが書かれているデータ層の穴を腐食させ音を悪くするようだ。ガラス素材は紫外線をいくらあてても水分や酸素や水素を発生させない。ガラス素材に封入された色素は温度的には常温でも大変安定しており経年変化に強い。だからプラスチックCDをガラスCD-Rで書き直しておくことがデータの保存によいのではないか。プラスチックCDを買って窓際などにおいていたら間違いなく読み取りエラーがでるようになる。そのような状態でもガラスCD-Rは大丈夫のようである。ガラスCD-Rのデータの安定性を調べる加速テストをやってみようと思う。

ガラスCDやガラスCD-Rのメリットは必ずあるが、問題はその価格であろう。5万円を切っていくらの値段になるのかが注目される。開発している会社によるとこの夏には商品として発表と出荷を考えているようだ。ガラスのCD-Rを対象とした高性能なCD-Rライターを開発することにした。ベースクロックにルビジウムを使って、ディスクの回転モーターを改良し、書き込みヘッドのモーターも改良する。この3つを改良することで高性能なガラスCD-Rが作成できるのではないかと期待している。

#13 戦艦武蔵を見つけたポール・アレン氏について

2015-03-04

マイクロソフトの共同創業者のポール・アレンが戦艦武蔵を見つけたというニュースが流れた。これは彼の所有する全長200メートルのメガヨットに搭載された60メートルの本格的な潜水艦で潜ってみつけたものなのだと思った。マイクロソフトといえばビル・ゲイツの名前がいつもでてくるが、マイクロソフトを支えたもう一人の天才がいる。それがポール・アレンである。ポール・アレンなしではマイクロソフトはありえなかったほどの重要なはたらきをしてきた。一時ビル・ゲイツとの関係が悪化し、また病気になってマイクロソフトをやめてしまったが、金持ち喧嘩せずのとおりビル・ベイツとの関係はよくなって最近では自叙伝『アイデアマン』を出すなど元気なようだ。私も招待されたベニスで音楽会とかアラスカでサーモン釣りとか夢にあふれた遊びの企画をときどき催す人である。

昔63フィートぐらいのクルーザーを持っていたが、オラクルのオーナーが180フィートのメガヨットを自慢しているのみて、もっと大きな船を作ったという話を聞いた。その船はただの船ではなくて潜水艦を内臓していて1000メートル以上潜れる。遊びのためにだけ使っているのかと思ったけれど、こういった発見をして素晴らしいと思う。

ポール・アレンはまた、船だけではなくて、宇宙も興味を持っているみたいだ。10年ぐらいまでにフェラーリとランボルギーニ、ブガッティの上をゆくエンジンを載せたクルマを作りたいのでスポンサーになってくれと頼みにいったら、早く走るクルマはもう飽きた。クルマよりも早く飛べるロケットの方がいい。ロケットの次は宇宙開発だと言っていた。僕は使い捨てのロケットには興味がなかったので辞退した。

ポール・アレンの好きな言葉に「物事の限界はお金ではなくて、想像力の大きさで決まる」というものがある。お金を持っているから大きなことができるということではないのだ。これはビル・ゲイツのことを意識しての発言のように思える。お金をたくさん持っていることでできることが決まるのではなく、夢の大きさでできるが決まるのだということである。今後も彼の夢みたいな活動を注視していきたいと思う。

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