nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#70 イギリスの国民投票の結果を見て

2016-06-24

伊勢サミットで経済危機が来たらどうするんだと 問題意識を提示した安倍首相に対してイギリスの首相は「大丈夫、大丈夫」、ドイツやフランスも「考えすぎ」といったという報道があったが、今日イギリスがEUを脱退するという結果がでた。

イギリス人は中東からの難民を受け入れるのはそんなに嫌いなのだ。すくなくともイギリス国民の半分は「アラブさんお断り」といっているのだ。EU離脱のコストは高くつくがそれでいいという判断をイギリスが下したことになる。島国の日本はおそらく半分ぐらいがイギリスに対して同情的であろう。これが日本の保守層の考え方なのではないか。残りの半分は移民に対してオープンになるべきだという考えの人ではないか。ただしEU離脱によって日本の株式は大幅に下がってしまったので、景気が悪くなって結果的にはアンチイギリスというのが日本のスタンスではないか。今日の夜のテレビ報道を見ながら、失言が大好きな財務大臣や逆金利の日銀総裁など、こういう人たちがなんで株の買支え出動を即明言できないのか、疑問に持ってしまった。まさかアメリカに財政出動の許可をもらいにいっているのか、と疑いたくなった。明日の朝9時までに財政出動をやります、とはっきり明言するべきではないか。露骨にやるのは悪いことなのか。中国の政府だったら一気にやるだろう。せっかくサミットで財政出動するというコンセンサスをとろうとしたのに、残念だ。ネガティブな報道をしたマスコミは恥を知れ。

EUにおいて、これからドイツとフランスが核になってEUを支配するのであろう。 次にEUはどうなるのか。それを決めるきっかけとなるのはEUのどこかで起こる大規模なテロ行為ではないだろうか。核攻撃というよりも大規模な放射能汚染のようなテロで、今度はドイツやフランスの国民が、EUの中で難民になったとき、EUは本当の試練を迎えるのではないか。

#69 中国のスパコンが世界一位になったと聞いて

2016-06-24

トップ500というスーパーコンピュータのランキングが発表された。日本はどんどん順位を下げている。日本の「京」の10倍の速さのコンピュータが、なんと、「京」の1/4の値段でできてしまった。1000億円以上かかった「京」に対してなんと中国は250億円で作ったという。富士通は「京」を作って大儲けしたのだと思った。中国のスパコンは中国のCPUである、ネットワークも中国、シャーシも中国、全て中国製である。立派なものだ。世界のトップ500のなかで中国のスパコンは167台、アメリカのスパコンは165台。1/3が中国製で、1/3がアメリカ製。日本は12台ぐらいのもの。中国が躍進したのはこの5年ぐらいだ。日本のスパコンがこんなにダメなのは、蓮舫の発言も原因のひとつだと私は信じて疑わない。「2位ではいけないんですか」というあの発言によって多くの科学者は団結して巻き返しをしたが、日本のスパコン1台を作ることはできたが、日本のスパコン熱をあの言葉が冷ましてしまったのではないか。この5年ぐらいに日本の国が、国策として行ってきたスパコンの事業にお金が出なくなってしまったことを、蓮舫一人の罪にするのはやりすぎかもしれないが、あの時蓮舫が政治家として言わなければならなかったことは「今の予算の半分で世界一になってくれ」という励ましの言葉ではなかったのか。

富士通は「京」コンピューターの部品を使ってオラクルのデータベースマシンをつくって世界中に輸出しているみたいだ。どこかのアナリストが富士通がいくら儲けたかを計算して、少なくとも儲けたお金の半分くらいを使って、中国のスーパーコンピューターを超えるくらいのものを作ってほしいい。

ずっとスパコン関係の研究開発をおやすみにしていたが俄然やってやるという気持ちになってきた。考えてみよう。

#68 ソフトバンクの一連の報道を見て

2016-06-24

「60でやめようと思ったが、もっと続けることにした」、という孫さんの発言を聞いて感じたことを書きたいと思う。 一度ゆずるといったものを気が変わったからといってやめるというのであれば、孫さんのことをかわいそうな人だと思う。マイクロソフトをやめるといってトップをやめて、株も売り続けているビル・ゲイツは途中で心変わりはしていない。孫さんの心の中で起こったことは何なのかを勝手に想像してみる。

一番大きいのは孫さんと直接話をすることができた孫さんの幹部はインド人がきてもはや直接話すことができなくなってしまったのではないか。この人たちのチクリがかなりあったのではないか。あることないこと、インド人の悪口を日本人やアメリカ人が山ほど入力したのではないだろうか。誰も何十億も報酬をもらっていない、もらっていたとしても十億以下だろう。十億以下の人が数十億もらっている人のやっかみをするのは当たり前のことだろう。毎日元部下から新社長になるべき人の悪口を聞かされればどんなに信頼を持った人でも、ちょっと待てよというのではないか。そうすると当然与えるべき権限を与えなくなる、インド人がもっと任せてほしいといっても、任せてもらえなくなる。そうなるとフラストレーションの塊となってやめるしかないということになる。記者会見のインド人の顔を何度も見たがもっと仕事を任せて欲しかったという顔ではなかったか。後妻候補を子どもたちがいじめて追い出したということではないか。

記者会見で「いじめられて頭来たからやめる」くらいいえばよいのに。そんなことより私はもっと大切なことを指摘したい。それはソフトバンクの株が下がることである。普段ならば借り入れ12兆円で売り上げ数兆円の会社といってマスコミ馬鹿にされて、叩かれるはずであったが、今回は孫氏、柳井氏、永守氏の共演で乗り切り、ソフトバンクの経営の実態を報道するマスコミはどこにもない。孫さんに何の落ち度はなくても日経平均は下がっている。株式の地合が悪くなってソフトバンクの株価が下落すればソフトバンクは資金調達が難しくなる。今手持ちのお金は2年間分の金利ぐらいなもので、さらに持ち株の大量売却はもはやできない。こっちの方が大問題ではないか。こういうときにまともな報道をするマスコミはどこかと、注目している。それはソフトバンクの広告が入っていないメディアであろう。

#67 舛添問題を考える

2016-06-14

私のつぶやき1ヶ月間更新していなかった。その間珍しくテレビばっかり見ていた。舛添東京都知事の問題について考えていることがあるので書いてみる。この舛添問題は2つに別れるのではないか。舛添氏が参議院議員としての政治資金の使い方。もう一つは東京都知事になってからの東京都知事としてのお金の使い方。この二つについては全く違った性格を持つ政治資金であり、議論の仕方も変わってきて当然ではあるが、テレビではごちゃ混ぜにされて報道されている。今回のテレビ報道は舛添氏を引き摺り下ろすためのマスコミによる正義の報道に名を借りた政治リンチショーである。僕のような興味津々な視聴者がテレビを見るからテレビ局は特別番組を組んでどんどん報道するのである。

参議院議員としての舛添氏のお金の使い方については温泉に泊まったとか資料代がどうとか、いろいろいわれているが、舛添氏についてこれをいうなら国会議員全員の政治資金報告書について過去に遡って少なくても5年やるべきではないか。それも週刊文春などの中年探偵団が走り回って調べるよりも、会計検査院のような組織を動員して検査すればよいのではないか。しかし現実は「政治資金」という名前のもとに政治家の活動は曖昧にしておくことが許されている。参議院議員当時の舛添氏の気持ちは政治家だから適当にやっておけばいいと思っていたのではないか。私は政治活動についてはブラックボックスでいいと思っている。政治とはそういうものであるのだから。

東京都知事としての舛添氏の経費の使い方については、問題があると思う。高い値段のホテルや飛行機代など公用車による遠距離の通勤。これらについてはリアルタイムで知事の経費を開示することが今後の正常な支出のための必須条件となるのではないか。地方自治体の知事は政治家であって、公務員でもある。その立場の人間の方が国会議員よりも厳しい立場で身辺を監督されなければならないのではないか。知事の立場でやってこられたことについては経費の乱用より罪が重いことがある。それは視察と称して個人的趣味のために美術館を訪問していることだ。大切な日中の時間を公務にあてないで、個人の趣味に使うような人を知事においておいてはいけない。東京都美術特別顧問ぐらいに任命して、公用車の代わりにタクシー券でも持たせて遊んでいてもらえばいいのだ。

不信任案がもう直ぐ提出される。辞任になるのか、解散になるのか先は見えないが、時間の問題で知事の座は追われることになるだろう。そして次の知事が選ばれてまたその知事の経費が調べられ叩かれる。まともな気持ちのまともな価値観を持った人ならば誰も知事にはならない。現代はこんな時代になってしまったのだ。

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