nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#77 4Kテレビ先物買いへのおかしなご注意

2016-07-05

総務省から「現在売られている4Kテレビでは、2018年からの4K・8K実用放送が見られない」というお達しが出た。なんか変。チューナーがついてないのにテレビという名前をつけてはならないといって、現在売られているものは、4Kディスプレイといえばいいだけの話なのに、こんな変なご注意を出してしまうのはおかしいのではないか。消費者をバカにしている。テレビの定義が今問われている。テレビとはチューナーの入ったディスプレイなのか、民放が作っている放送のことのなのか、そこら辺のことをはっきりさせる必要がある。Youtubeといえば、映像サービスのことをさす。しかしテレビとは、テレビ放送とテレビ受信機の2つの意味がある。またこれからテレビ放送の番組がインターネットで提供されるインターネットテレビというのものある。インターネットテレビの規格を満たすディスプレイはインターネットによるテレビ放送のサイマルキャストが始まれば4Kテレビ放送も8Kテレビ放送もみることができる。だから落とし所としては「現在売られている4Kテレビは2Kのチューナーだけが積んであって、4Kのチューナーは積んでいないので、4Kテレビといわなくてもいいのではないか。なにか新しい『***テレビ』という名前が必要ではないか。」

#76 Windows Mobileの追い上げ

2016-07-05

デルコンピュータがAndroidをやめるという発表があった。そしてそのかわりにWindows Mobileのスマホを発売するそうだ。デルに続いてHPも時間の問題でそうなるであろう。次の大きなステップはサムソンがWindows Mobileを搭載したスマホを発売するときである。もちろんAndroidに切り替えたブラックベリーもWindows Mobileに切り替えるのではないかとひそかに期待している。私は未だにガラケーを使っている。しかし、今にも壊れておかしくないくらいボロボロになってきたので、次のスマホはどうしようかと考えてブラックベリーにした。パスポートというブラックベリー最後のOS版とプリベというAndroid版のブラックベリーをサブとして使っている。私の評価は重いブラックベリーより軽いスマホの方がいい、ということである。これでWindows Mobile搭載機種が増えてくるとその中で一番軽いものを選んでメインの電話にしようと思う。あらゆるところからOneDriveとメールとカレンダーにアクセスできるのが大変便利である。でもひょっとしたらWindoews10搭載のスマホが自分にとって一番あっているのかもしれない。iPad miniを使わなくなったのも、Surfaceを持ち歩かなくなったのも理由は重いからであって、重さを克服して便利だという動機はなかった。最近第1世代のSurfaceを使うことがあって、これにはWindows10へのアップグレードのおすすめがでないので、中古価格が今ならあがっているような気がした。形が大きくなったWindows Mobileはこんな形になるのではないだろうか。

#75 なぜ景気が悪いのかということについて原点にかえって考えてみた

2016-07-05

それは世の中にものが溢れているからではないか。すべての人がありあまるようなものを持っている。人口が減って不動産も首都圏大都市圏以外は空き家が目立つ。すべてものを持っているから少し古いということさえ我慢すれば、もはや何も買うものはない。だから食料以外のものについては誰も何も買わなくなっていくのは当然である。ではどうしたらよいのか。新聞テレビを使った広告は効率が悪くて、広告はインターネットのピンポイント広告が主流になるだろう。しかしそれでも売れない。結局、大量にものを売るというビジネスモデルを放棄して、インターネットを使ってパーソナライズしたりカスタム化したり、セミオーダー化するような商品しかうれないのではないか。

食料品については大量消費を前提として作られたコンビニ向けの食料品に対する反発がさらに大きくなり、無添加無農薬系の食品や、選ばれたプレミアム食材が売れるようになるだろう。つまり、高級品と安物の差がはっきり出て、たとえ高級品といわれてもそんなに値段が変わらないのであらゆる人たちが高級食材を買うのではないだろうか。その傾向に拍車をかけるのがインターネットでのメディア活動である。そうして世の中はどんどん「今がよければすべてよし」というせつな的になっていく。だから解決策は大量消費をやめることだ。販売価格が高くなっても、消費税が高くなっても生き延びていけるようなビジネスモデルを作っていって、消費が低迷しても企業の利益があがるようなビジネスモデルでのりきるしかない。

#74 イギリスの国民投票 その後2

2016-07-05

#71で「イギリスの脱退はうやむやになって、結局イギリスは脱退しない」と書いたが、EUは「イギリスは出てもらって結構ということでまとまるのではないか」、と思うようになった。またイギリスはEUのメリットを十分享受したのでもうでてもいいと考えているのではないだろうか。国民投票というのは国民から選ばれた政治家が自分の判断を放棄するという愚かな政治行動であると考えるべきであろう。国民は政治家を選び選ばれた政治家の仕事が政治であって国民に政治をさせてはならないのではないか。そういう意味で今回のEU離脱がイギリスにとって悲劇であるならばこの悲劇は長く記憶されなければならない。

ここでEU発祥の原点について考えてみたい。第二次世界大戦が終わった後、二度と戦争をしてはいけないということを考えて、石炭と鉄を統制する組織さえ作れば二度と戦争はできないという考えから石炭鉄鋼同盟というのがうまれ、フランス、ドイツ、イタリアとベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、この6国が中心になってはじまった。 離脱の共同会見で出て行くなら出て行ってくれ、とドイツとフランスとイタリアは三国で揃っていたというのをみてこの背後に石炭鉄鋼同盟のゆかりがあると直感したのである。それに対してイギリスはEUへの加盟を景気が悪くなって時にイギリス病から脱したいということから始まっている。そして今ではEUを十分に利用しつくしたような感がある。イギリスの輸出の60%ぐらいがEU向けであるそうだ。だから歴史を遡ってこの事態を理解しようとすると、EUの原点は平和であり、イギリスの意図は自由貿易である。こういう同盟はうまくいくはずはない。それに東ヨーロッパからの移民に反対する20〜30代と、アラブからの移民に反対する50代以上の反対を顕在化してしまった国民投票を許した政治家が責められるべきではないか。

#73 私の飛行機の計画

2016-07-01

インスタグラムに彼女と一緒にプライベートジェットに乗っている写真をアップした男がいる。東京と神戸をプライベートジェットで通っている人もいるそうだ。神戸空港の関係者が言っていた。 自分は新幹線で神戸まで通っている。そういう人たちのやっていることをみて、自分なりの飛行機プロジェクトを考えてみた。

単発の軽飛行機を買おうと思う。しかし軽飛行機なら何にも使えない。だからフロートがついている水上飛行機と同じタイプのフロートのついていない中古の機体を安く買って、フロートだけ新品を求めてつけるのはどうだろうか。中古の機体は5000万もしない。フロートは数百万円である。つまり5000万以下で楽しい自家用飛行機が買えるといういことである。問題は日本の海上の飛行機の離着陸の法規制である。アメリカで許されていることであるから、日本の航空局もしかるべくちゃんと話をすれば前向きに考えてくれるのではないだろうか。老後のために完全看護のケアホームに入るために5000万円を出すより、水上飛行機を買って十分楽しんだあとにサン=テグジュペリのように墜落するような人生の終わりかたがしたい、と考えたが、飽きるまで乗ったあとにもう一度中古で高く売るのが落としどころか。

#72 水素水の発表についての疑問

2016-07-01

国立健康・栄養研究所が「水素水は効果なし」ということを調べて発表した。私はこの発表に喧嘩を売るつもりはないが、もう一度この発表や最近の水素水ブームの本質についてしっかり考えてみたいと思う。自分は化学と物理と生物が大好きであった。中学高校大学と大学院と多かれ少なかれ、この基礎知識で生きてきた。いろんな人がいろんなことを言うのは自由でいいけれど、私の主張は次のとおりだ。

水素水の効果はある。なぜなら、体の中の脂質が酸化しているということが健康に対して悪影響を与えていることは誰もが認めている。この過酸化脂質に対して水素を当てれば還元反応が起こり酸素と水素が結合して水になる。こんなこと誰でもわかることではないか。水素水というものが存在するのであれば、その水素水の存在時間はどのくらいなのかということを調べる必要がある。つまり水素が溶けた水から水素が抜けてしまう時間を計る必要があるのではないか。水素の入っているボンベの問題は、ボンベの鉄分子の間を水素分子(H2)がすり抜けてしまって漏れるということだ。鉄の分子配列の間隔と水素分子の大きさとを比べてみる必要がある。これは化学の入試問題みたいなものか。いろいろな水素発生機の中にはちゃんと水素を発生しているものもあるだろう。しかし発生した水素が水から抜けてしまっているのが、現在市販されている水素水ではないか。

水素ビジネスの鍵はこの逃げやすい水素をいかに逃がさないか、というセットアップと作ることではないか。それは液体に水素を溶かすことではなく、固体に水素を吸着させ、その固体を体内に取り入れやすくし、体内で水に溶解し、水の中の水素イオンという形で体中に循環させるということが必要なのではないだろうか。

だから私は水素水は飲まない。私は水素が入っているといわれているサプリメントを飲みたいと思う、たくさんの水と一緒に。別に実験したわけではないが、水素水は効かないという国立健康・栄養研究所の発表は水素の還元作用の可能性を否定するものであってはならないと思う。

#71 イギリスの国民投票 その後1

2016-07-01

イギリスのEU離脱について面白い状況がある。イギリス人の言っていることとスコットランド人の言っていることとドイツ人の言っていることとフランス人が言っていることと日本人が言っていることとアメリカ人が言っていることが、皆違っている。つくづくインターネットがあってよかったと思っている。もしなかったらCNNとBBCと日本のNHKと民放ぐらいをみて間違った結論に達していただろう。インターネットによって対象の内からと外からの両方の立場で考えることができるということが大変ありがたいと思った。

でも人と同じようにインターネットで調べて、自分の意見のようにブログで発言するのはイヤだから、イギリス人と、ドイツ人と、イギリスを旅行中の日本人に聞いてみた。もちろん3人は3通りの解説を言ってくれた。私は前のつぶやきで50代以上の人がアラブ系の移民が来てほしくないと言ったが、それだけではなかった。20〜30代の東ヨーロッパ系の移民が来てほしくないと思っていると。東ヨーロッパ系の人は簡単に移民してきてイギリス人の嫌う掃除や単純労働の仕事をイギリス人から奪ってしまった。これに対する強い反発を指摘された。次に、EUという名前を一枚めくるとドイツとフランスが支配する国連みたいな組織で、EUの大統領やEUの委員長はただの官僚みたいなものであって存在感が薄すぎる。イギリス人が大嫌いなドイツ人と大嫌いなフランス人に支配されるのだけはやめてくれという意見もあった。次に、EUはドイツがあってのEUであるので、うるさいイギリスがいなくなるということはヨーロッパ団結の大きなステップになるのではないかと歓迎していたようなところがある。ドイツの政治家の発言は大変慎重ではあるが、これこそ19世紀からゲルマン民族が目指してきたヨーロッパ大陸の支配の完成ではないか、という人もいるそうだ。ドイツの敵であったフランスはナポレオンを最後に国力は縮小の一途をたどった。大陸のナンバー2としてのフランスが死守しなければならないポジションなのであろう。などなど、現在世界中で囁かれているいろいろな会話を総合すると、イギリスは離脱を通告しないと思う。うやむやにして離脱は流れると思う。経済合理性を考えれば明らかである。民意よりも民が選んだ代表者の知恵はそれを選択するのではないか。ギリシャの債務危機のときにどういうことが起こったか、記憶に新しいところである。離脱すると言った国が首相がやめただけで離脱しなかったではないか。離脱するといって国民投票はしたももの、その結果をひっくりかえすことはイギリスの政治家の手の中にある。ドイツとフランスが入れてあげないからといって、イギリスが切り捨てられるのかといえば、そうではないだろう。国民投票のおかげで深刻な経済合理性の考察がなされたとみている。

離脱の結果がわかってもニュースが駆け巡っただけで何も変わっていない。なのに株価などの経済指数は敏感すぎるほど反応した。私はこれはこの騒ぎにこと寄せて儲けようとしていた投機集団がいたのではないかと考える。同時に為替で儲けようとしたヤツを誰か調べてとっ捕まえてほしいとはいわないが、儲けたヤツを調べて晒してほしい。謹んで「投機家」という名前を差し上げたいと思う。日本のどこかの経済団体のトップが「ナショナリズムを慎め」というような発言をしておられて笑ってしまった。ドイツとフランスの発言の方がナショナリズムっぽくないか。

経済合理性の話ばっかりをしてきたが、EUの各国の間でEUに対しての愛国心はあるのであろうか。EUの愛国心を作るためにはEU以外に仮想敵国が必要なのではないか。それがアラブなのであろう。官僚のようなEUの大統領と委員長、ぜんぜん姿が見えないEU議会の議員、それらを考えるとEUの名前自体を再定義した方がよいのかもしれない。もとに戻して「EEC(ヨーロッパ経済共同体)」か。国が集まって新しい国になるのか、国同士が条約によって連邦になるのか、NATOのような軍事同盟になるのか、枠組みも再定義を迫られるのではないか。1648年のウエストファリア条約によって主権国家を規定するものは「領土」と「国民」と「国家主権」であると合意がなされた。この枠組みが今問われているのではないか。新しいキーワードは「人種」、「宗教」、「通貨」、「経済」、「言語」などが、新しい国家のフレームワークになるのではないかと思っている。

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