nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#94 東芝の半導体事業は孫さんが買うべき

2017-02-23

ソフトバンクがボーダフォンジャパンを買う前に、孫さんとあったことがある。そのときに僕が孫さんに「ボーダフォンジャパンを買ったほうがいいんじゃないか」というと、孫さんは「いやいやそんなことは...」と言ってみせたが、ほっぺたと目が引きつっていたことを昨日のことのように懐かしく思い出す。最近孫さんはトランプやプーチンやアラブの王子様と忙しそうで、僕は会う用事もないが、東芝の社長がメモリ事業の過半数以上を投資家に売ってもいいと発言したことをうけて、20%2000億ではなくて、80%を8000億といいたいところだが、たとえ価格が2倍になっても、1兆7000億で買うのがいいのだと思っている。東芝の半導体事業は日本の宝だといわれているが、それをソフトバンクが直接買うのではなく、英国のCPU開発会社ARMに借金させて買えばいいのだ。ARMはイギリスの会社であるがその親会社は日本のソフトバンクであるから、日本の間接所有になるのではないか。またARMが3兆3000億したのであるから、メモリ会社に1兆7000億使っても合計して、孫さん的にいえば、たったの5兆(豆腐5つ分)である。東芝にとって原子力の損7000億を払ったとしても1兆円残る。今の東芝に現金が1兆円増えれば東芝はあっという間に、優良会社に逆戻りである。今まで東芝のことをいじめたマスコミにざまぁみろということになる。

この35年間インテルという会社が莫大な利益をあげた。パソコンのCPUのビジネスを切り開き育ててきたのはインテルである。

パソコンよりも巨大な市場がスマホにある。なおかつスマホは2年でポンコツになる。消耗品であるスマホのCPUをにぎっている限り、そのCPUを設計し生産する会社は莫大な利益を間違いなく手にすることになる。また、スマホの中にはCPUだけではなくて、グラフィックスもメモリも必要である。グラフィックスなんてCPUとよく似ている。メモリはフラッシュメモリもRAMも同じうようなものだ。つまりARMと東芝のメモリ事業をドッキングした企業はそれだけでスマホの半導体を全部支配してしまうのだ。それに加えてアップルはサムソンに液晶を大量に注文したのだというが、孫さんの友だちの台湾の鴻海と、ARM+半導体会社が組めばなんでもできる。そのプラットフォームの上で動くのはアップルのOSとアンドロイドはもちろん、マイクロソフトも喉から手が出るほど孫さんとビジネスをしたくてたまらなくなるのではないか。ノキアにあんな大金を使うのだったらこっちのほうがよかったのではないか。

今回のARMと東芝の半導体事業に5兆円ぶち込んで世界的にお金を集めれば5兆円なんてあっという間に取り戻せる。今までのソフトバンクの借金を返してもお釣りがくるのではないか。日本にもこんな大勝負をすることができる投資家が現れたということ。この話は私のただの空想であるが、もしこの話が実現すれば世界的な快挙である。期待したい。

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