nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#131 半島での大騒ぎの真の意図を考える

2018-05-08

アメリカと北朝鮮の関係が進展している。テレビはいきなり全部国際関係論を論ずる政治学の教育テレビになってしまった。しかしそれをみているとあまりに同じことばっかり繰り返されるので、もうみないことにした。

少し離れて観察をしていることの中間報告をしたい。

今回の主役は金正恩とドナルド・トランプではなく、習近平とドナルド・トランプが二大主役ではないか。アメリカの一番大きな課題は北朝鮮の核の保有ではなく、中国の貿易収支の大幅黒字をどうやっつけるか、ということではないか。やっつけ方としてはブラックホールのような北朝鮮を自然に中国の経済責任として押し付けることではないだろうか。たとえ中国がどんなに輸出超過であってもお支払いはアメリカが印刷した紙で支払われている。これを本物の値打ちのあるものにどう変えるのかが大切で、中国が言っている中華経済圏で中国の通貨が国際通貨になることをアメリカは絶対に嫌がっているはずだ。中国におんぶに抱っこになる国家は北朝鮮だけなのか。それとも北朝鮮と韓国が合併した大朝鮮か、大韓国か、なるのかそれが問題だろう。そのためにアメリカはもったいぶりながら韓国から撤退する。このことを朝鮮半島の非核化と両国は言っていると報道は読める。アメリカにとっては駐留経費が節約されることになる。韓国駐留軍は日本とグアムに再配置されよう。中国のメリットはTHAADを韓半島から撤退させることぐらいかと。南沙諸島のアメリカ海軍撤退はおそらくないであろう。

韓半島が統一されて中国の支配下になると日本が対中国の最前線になる。ここで日本が憲法改正して戦争ができる国になると、アメリカの代理で半島や大陸に対して防衛の責任を押し付けられる可能性がうまれる。当分は憲法を改正せず、アメリカと中国の関係が悪くなっても日本は独自の良い関係を中国やロシアと続ける方がよいのではないか。最近中国の外務大臣が日本を訪問し関係改善を提案されているが、よいことだと思う。

アメリカのもう一つの問題は対イラン関係である。この結末がどうなるかを見極めないかぎり韓半島の仕上がりはわからない。対イランの方がはやく決着するだろう。

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