nishi.org 西和彦のコラム

西和彦のエッセイ

#265 久しぶりに生放送2時間出演

2019-06-25

BSフジのプライムニュースに招待されて2時間でた。政府が決めたIT政策大綱についてIT担当の平井大臣から直接お話を伺えた。自分では緊張していないつもりだったがあとで録画を見ると目が緊張でつり上がっていた。ヒゲも剃っていないのや爪を切っていないのが4Kだから丸わかりで恥ずかしかった。自分で見て白髪が増えたなと、思った。

2019/06/18 『目指すべきIT立国論 “IT賢人”が直言!』【前編】
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/day/d190618_0.html


2019/06/18 『目指すべきIT立国論 “IT賢人”が直言!』【後編】
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/day/d190618_1.html

#264 久しぶりに上海を訪問した

2019-06-25

中国の上海に招待されて行って来た。進んだところと遅れたところがミックスされた街であった。インターネット経由でホテルの予約をしたが、予約業者の手数料はしっかり引き落とされたのに、ホテルに予約は入っていなかった。プリントアウトを見せたらどこか他へ行ってくれと言われた。オススメはないかと聞くと教えてくれなかった。ひどすぎる。レストランは大きく2つに分かれて上等と危なそうの二つがあった。訪問して素晴らしいと思った場所を報告したい。

北京市の市バスの屋根についたPM2.5のモニターシステム

上海大学でのIoT研究として北京の空気のモニタシステムが開発されていた。ディスプレイは4Kモニタが20×5 繋がっていた。こんなシステムを初めて見た。

上海のマンホール全部がオンラインでモニタ

何万とあるマンホールの蓋の裏側に強力な磁石でつけられたセンサーが全て無線でオンラインに。電源は電池で5年もつ、今年でまだ3年目と言っていた。

宅配貨物すべてにGPSセンサー

年末までにこのサービスが始まるそうだ。センサーはたったの300円。たくさん作れば60円になるそうだ。頼み込んで一つ売ってくれといったが、サンプル代は高かった。

大学の近くのベンチャー支援センター

12階建て地下2階の設備にびっくり。すでに20社くらいが立ち上がって数社上場したみたい。7〜12階はアパート。4〜6階はベンチャーに興味のある大企業のオフィス。2〜3階はベンチャーオフィス。机ひとつから借りることができる。1階はカフェと会議室。地下1階はジムと温水プール。地下2階は木工、金工、3次元プリンターのラボ。至れり尽くせりのベンチャー支援体制であった。日本にもこんなところがあればいいのにと思った。

#263 35ドルのコンピュータのこれから

2019-06-11

大ヒットとなった英国のワンボードコンピューター、ラズベリーPiの後を追って類似の商品がたくさん出てきた。ARMのCPUの数が現行は4つであるが、これが増えたものが1つの方向。もう一つはCPUがARMではなくx86でフルWindowsが動くものもある。私はこれが大好きだ。では、東大のラボで何を作るのか。私が今作っているのは巨大なFPGAを搭載し、高速のBUS構造を持ったアーキテクチャをソフトウェアでプログラミングできるワンボードコンピューターを設計している。年内に発表し、試作品を世界中に届けたい。東大の生協と楽天と、amazonで。

#262 電気自動車の試作の方針

2019-06-11

新しく開発した高性能モーター(同じ大きさで出力が10倍)を使った電気自動車をどう作ったらいいか考えて、テスラのモーターを改造してAMGやケーニッヒのようなチューンアップをやってみることにした。日本製のハイブリッドは最近マスコミで騒がれてイメージが悪いのでやめた。これも2〜3年で答えが出るだろう。

#261 ヒトの乗るマルチコプターを考える

2019-06-11

ドローンを大きくしたような有人のマルチコプターを作りたいという人が来た。話を聞いていて文句をつけるのは失礼だと思ったので何も言わなかったが、私ならこうするという案を考えた。

まず、プロペラの数。2つだとオスプレイになる。イメージが悪い。4つだとドローンを大きくしただけになる。だからプロペラは3つにしよう。電池を積むと航続距離が短くなるので、機上で発電させようと思う。ジェット燃料ではなく、ガソリンエンジンで発電機を回してその電気を半導体回路で制御して飛ばすことにしよう。プロペラのモーターは上を向くか前を向くかを選択できるようにして、2発もしくは3発の固定翼プロペラ機として空中では巡航できるようにしたい。もちろん離着陸時には3発の垂直離着陸ができるようにしたい。ここまでは工学部の演習のレポートみたいなもので、比較的容易に最適な答えが出るが、一番重要な部分は機体の形がどうなればいいのか、ということではないか。既存の固定翼の形やドローンの形や飛行船の形などの中から一番適当な空力のデザインを考えなければならない。

これをテーマに3年ぐらいで飛ぶようなものを作ってみたい。

#260 地上イージスなぜ騒ぐ?

2019-06-11

秋田県と山口県にイージス艦に搭載されているレーダーシステムとミサイルシステムを地上に設置したイージスアショアが導入されるそうだ。資料の作り方が悪いとか担当者が居眠りをしたとか、説明会が荒れたみたいだ。まったくナンセンスである。反対する理由はなにか。自分の土地を買ってくれなのか、敵のミサイルが飛んできたら危ないということなのか、わからない。沖合にイージス艦を追加で4隻買って交互に警戒させてもいいが、コストが割高になるのではないか。どうせ自衛隊の土地なのだから安くて手頃な解決法なのに文句をいう必要があるのだろうか。とっても変。

それよりも問題は中国やロシアが開発した音速ミサイルではないか。スピードが速すぎて撃ち落せないということに対する解決策はあるのだろうか。アメリカにも日本にもまだないと理解している。

#259 IoTのインフラは4G5GとLPWAの二本立てになる

2019-06-11

IoTのインフラのことを考えている。現行の4GのLTE回線を使ったIoTの議論が盛んであるが、最近次世代の5GもIoTに使おうという機運があがってきた。本当にそうなのだろうか。むかしIoTはユビキタスコンピューティングといわれていた。30年前のことである。この30年間にどれだけ進んだのであろうか。大騒ぎしたけれどなにも大きな進歩はなかったというと怒られそうだが、実際にそうではなかったか。コスパの低いLTEを使ったIoTや5Gを使ったIoTが爆発的に伸びるとは思わない。もっと安くて簡単な通信インフラが必要とされているのではないか。それがLPWAと呼ばれる方式である。LORAやZETAやSIGFOXと呼ばれる通信方式が注目されていると思う。ではその中でどの方式が主流になるのか私は研究としては全部の方式に取り組む必要があると思っている。KDDIは早くからSIGFOXに取り組んでいるし、4Gと5GのIoTに取り組んでいるドコモやソフトバンクもLPWAに取り組まざるを得ないだろう。

#258 なんでもAIとつければ売れるとは

2019-06-04

現代美術の専門家の女史から、「最近のAIってすごいのね」と聞かれた。びっくりした。情報村やビジネスマスコミのトピックスと思っていたら、一般の文化系の人たちもAIに注目しはじめている。私はAIはあと5年くらいで廃れると思う。そこで必要なのはAIの定義になるだろう。AIをコンピューターが知識を理解するということであるならば大変であるが、AIをコンピューターがちょっと賢い計算をするということであれば、これからAIは流行るのではないか。しかしそれは知識の理解とは何の関係もないことではないか。AIに反対している私であるが、私なりにAIの研究開発は進めておこうと思う。

#257 中国が報復でいじめるならどの会社

2019-06-04

アメリカがファーウェイをいじめている。ちゃんと理由があるという。それに対して次はどーなるのか。私は中国がアメリカの会社をいじめることになると予測する。その可能性は、アップルもしくはマイクロソフトのどちらかであろう。一番考えられるのはアップルである。部品のアップルへの供給を止める。中国でのiPhoneの使用をやめさせる。そしてその代わりにファーウェイを使うという指示を政府がするだけである。1、2ヶ月のうちにそうなるような気がする。

私はそういうことが起こっても何の影響も受けないようにする。シナリオを考え中である。

#256 ソフトバンクビジョンファンド2は10兆円

2019-06-04

ビジョンファンド1は、4.5兆円だった。私はその時に次は2倍だなと思った。当たった。ビジョンファンド3は20兆円になるだろうと言っておく。

ルーレットで赤か黒かのときに、たとえ負け続けても倍々に掛け金を増やしていくと、勝ったときに止めればチャラになるということを実験したことがある。1ドルからスタートして5000ドルぐらいまでやった。孫さんもそういう考えを持っているのであろうか。しかし10兆、20兆、40兆、80兆、160兆、320兆、640兆。ビジョンファンド5で日本の国家予算を、ビジョンファンド7でアメリカの国家予算を超えてしまう。それはありえないのではないか。つまりどこかで頭打ちになる。孫さんの事業モデルが一番大きく変わったところは、自分の金を増やしてきた孫さんが、他人の金を増やすということに宗旨替えしたところではないか。ビジョンファンド1のはっきりとした結果がでない限り、ビジョンファンド2を売り切るのは難しいのではないか。

#255 さようならiTunes

2019-06-04

アップルがiTunesをやめるそうだ。ミュージックというほとんど同じ機能を持ったソフトが来るそうだ。詳しく調べたわけではないが、iTunesをミュージックに名前を変えればいいのではないか。それよりも未来の音楽フォーマットについて考えてみたい。

CDは、JVCによると100億タイトルあるそうだ。CDの中は16bitで44.1Kのサンプリングレートのステレオである。iTunesとともにMPEGオーディオは100Hz以下の低音、10000Hz以上の高音を捨てた。MPEGオーディオが作られたとき、エイヤッでやっちゃえとなったのであるが、低音と高音のない音楽は魅力が少ないと思う。このMPEG3の音を聞かされてきた人たちにもメモリーが増えたのでこれからはフルのCDやハイレゾを楽しむことができるようになって来るだろう。24bit 176Kや、DSD5.6、DSD11.2などが世間で話題を賑わしているが、種類の多さから考えると16bit 44.1Kが主流になるだろう。16bit 44.1Kをいかによく聞くかという技術がこれからの開発と商品化の中心となるだろう。「さようならiTunes」高音と低音の恨みを込めて。

#254 プリウスと737MAX

2019-06-04

プリウスの暴走の原因は「N」に入っているときにアクセルをベタ踏みして、動かないので「D」に入れると突如クルマが動きはじめるということらしい。それに対してトヨタは子ども騙しの表示器をつけるようにと言っているそうだが、エンジン車の場合は「N」でアクセルを踏むとすごいエンジンの音がする。ハイブリッドの場合は何も音がしないことが誤解のはじまりなのであろう。これは間違いなく訴訟になるだろう。日本で政府が忖度したとしても、アメリカとヨーロッパは許さないであろう。トヨタがプリウスで儲けた利益は全部取られるのではないか。

同じようなことが737MAXでも起こったみたいだ。737と操縦性において完璧な互換性がなければいけなかったのに、それを改良という名前の改変をした。それってトップメーカーのエリートエンジニアの驕りではないか。今頃になって他の部品に欠陥があるといい始めたが、さっさとソフトウェアを改修して737の一番売れた商用モデルにまで合わせる必要があるのではないか。

私はハイブリッド車を以上の理由で買うことを見送った。トヨタがアメリカでいじめられたとき心から同情した。しかしプリウスのユーザーインターフェースが今のままで改変されないのであれば、私は絶対に買わない。しかしメーカーからは「そんなお客様には買っていただかなくて結構です」という声が聞こえて来そうな気がする。

nishi.org

〒110-0005 東京都台東区上野7-11-6 上野中央ビル 2F
phone:03-5827-4115 / fax:03-5827-4116 / e-mail:info@nishi.org